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150th 出発した艦内

「姉ちゃん、一体どうなってるんだ?」

「あらエレット。発進準備完了プロトコル達成で自動発進が完了したの。凄くない?」

「凄いけど凄くよくないと思うぞ。パープラー隊長に滅茶苦茶叱られるなんてもんじゃない」

「大丈夫よ。仕事が早く終わるんならそれに越した事はないでしょう?」

「軍隊はそうはいかないの! 時間通りに進行しないと大目玉だよ……」

「平気平気。新しいシステムでもプレゼントしてあげるから。それにアオアシラちゃんに泣きつかれちゃったんだもの。しょうがないわよね」

「え? アオアシラも乗ってるの?」

「ええ。アーニィちゃんとアオアシラちゃんと、グリちゃんとシロッコちゃん。それにフラーちゃんと私と……」

「おいおいおい、何人乗せてきたんだ……まずい。一度全員艦長質に呼ぼう……一度戻った方が

いいよな……」

「え? 戻るのは無理よ? 目的地設定しちゃってあるもの。補給惑星に到着するまで途中変更

できないわよ。戻ったら絶対間に合わないわ」

「なんだって!? ああ……どうするんだ。俺すげー怒られそう……」


 姉ちゃんのとんでもない行動により、出発してしまったアッシェンM。

 しかも向かうメンバーが予定より多い。

 ひとまず誰がいるか確認しないと。


「時空。全搭乗員を艦長室へ招集してくれ。大至急。俺も艦長室へ急いで向かわせてくれ……」

「システム、時空了承しました。最優先事項として全搭乗員を艦長室へ向かわせます」


 艦内へ入って来た時と同じように、地面が勝手に移動させてくれる。

 艦長室は広く、作業用のテーブルと椅子がある。

 先に到着したのは俺だが……「あの……ごめんなさい……」

「エレットのエッチー!」

「服が無くて少し寒い」

「おい時空! なんでタオル一枚のまま連れてくるんだ……」

「全搭乗員を至急とお聞きしましたので」

「ちょうど汗を流していたところだったの! 空気読んでよね!」


 ニッキーとレグアはタオル一枚で運ばれてきた。

 俺はとても嫌な予感がする。


 続いて入って来たのはグリズリー先輩。

 可愛いクマのエプロンをつけている。艦内の調理スペースで実験していたのだろうか? 

 片手にはフライパンを持ったままだ。

 そしてアーニィとジョーゴンたちは荷物を運ぶ途中だったようで、両手で荷物を抱えている。

 アオアシラは……兄のほっぺたをつねったままの姿勢で運ばれてきた。

 つまり、仁・青井もいたということになる。

 そしてフラーは眠っていたのか横たわった姿勢でネグリジェのまま運ばれてきた。

 シロッコは毛づくろいをしている最中。ブラッシングをライチェ先輩がやっていた。

 そして……「あの、なんでパープラー隊長がいるんですか?」

「……私もほとほと困っているところだ。参ったね、どうも」

「それで姉ちゃん、どうするの、これ。ヘッツは皆つれてきているようだけど」

「あら、隊長さんも乗ってたのね。気付かなかったわ……どうしましょう」

「仕方ない。今回の任務は私も同行しよう。艦長経験は必要だろうからエレット、君がやりなさい。

不足分は私が直接補おう。アルバメデスの開拓に関してはパルスナー君がいる。

彼に任せておけば平気だろう。残された隊員が少し可哀そうだが……。

新しく来たメンバーのうち一名はついて来てしまったようだが、彼は非常に優秀なようだ。

ここに居て困る事は無いだろう」

「わかりました。隊長、姉ちゃんがすみません……」

「いや……一日早い出発だが、これもいい訓練となると、気持ちを切り替えるべきだ。

何せミシーハ博士は我々にとっての核そのもの。私が搭乗していたことが幸いだよ。彼女は

何としても死守せねばならない。エレヴィン中将に私が殺されてしまう」

「父ちゃんはそんなことしないと思うけど、姉ちゃんは放っておくと何するかわからないので、目に

届くところに置いておく方がいいですよね……わかりました。俺、頑張ってみます!」

「よろしい。各隊員はエレットの指示に従うように。早速最初の指示を出してみなさい」

「えーと全員軍服に着替えて作戦指示室に集合。時空は少し航行速度を落として補給惑星へ……えーと

どこの惑星で補給するようにセットしたんだ、姉ちゃん?」

「惑星ギンギールよ。必要な補給物資があるの」

「……だそうだ。俺、行ったことないな。後で調べておくか。では解散!」


 とんでもない出発になってしまったが、俺たちは新たな惑星へ向けて旅立っていった。

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