139th ガウスと連絡
父さんとの連絡を終えたので、次に連絡する相手は決まっている。
「……なんだお前か。尻尾ワンちゃんじゃないのは残念だ。それで? 無事
うまくいったから報酬を頂かないとな。当然俺から逃げようとすることは無理だ。
そこはわかっているな?」
「ああ。あんたからの仕事の件は、協力者が出来そうでね。
スムーズに行きそうだよ」
「ほう。それは実に楽しみだ。ところでお前、結構危ない仕事に手をだそうとしている
よな」
「あんた、もう情報掴んでるのか?」
「あたり前だろう。どんな仕事でも情報を持ってるやつが一番上、一番強いんだ。
しかも相手はとびきりの美女で俺に会いたがっている……と」
「あんただったら直ぐ協力すると思ったんだが……しないのか?」
「おいおい、俺を何だと思っている? 確かに俺は女好きだ。彼女もとても魅力的
だろう。だが取引場所がやばすぎる。命がいくつあっても足りない場所だ。
第三種危険生命体。そんなものが発見、ないし目をつけられた星はもうおしまいだ」
「それに関してはマテリアラーズでも資料がある。いくつか対処法を調べてから
事にあたるつもりだ。むしろここで引き下がるくらいじゃ、闇のブローカーとは
言えないんじゃないのか?」
「……ちっ。痛いところをついてくるな、お前……そうだな、マテリアラーズ側で
俺に流せる情報かどうか判断し、提供してもらった上で俺が対応できると判断したら
そっちの件も協力してやる。あれだけの美人の依頼を無下にするのも心が痛むからな」
「おっさんだったら引き受けてなかったのか」
「当然だなぜおっさんの危険な仕事を俺が引き受けなければならないあほなのかばかなのか?」
「そんなおっさん嫌いなのか……ああ、それよりもあんたの依頼をこなすために
一度日時を合わせて会わなければならないだろう。詳細が決まったら再度連絡する。
またな」
「ああわかった。今から楽しみにしておく。絶世の美女に囲まれる日が近い!」
「あんた、そのうち女性に袋叩きにされそうだな……」
ガウスとの連絡を終え、次にアンネとも連絡を入れる。
幸い通信を入れたタイミングがよく、ちょうど椅子に腰かけたところだったようだ。
「あら、タイミングが悪いわね。これから入浴しようとしていたのに」
「それはタイミングがいい方では? パープラー隊長の許可はもらった。
後ガウスとも連絡済みだ。あんたの武器取引に関しては一考の予知があるみたいだよ。
それで、肝心のガウスの依頼を先にこなさないといけないが、構わないか?」
「ええ。既に準備は整えてあるわ。絶対受けてくれるって思ったもの。
惑星シドー宇宙開発部門のレブラ・ファウストさんよね。ガウスさんは彼女に夢中。
でもまったく相手にされていない。純情そうな彼女とくっつけるというのは難しいけれど、依頼は
デートに誘えるかどうかだったわね。少し強引なやり方だけどいいわ。
予定は二日後。センターマクスビルっていう、賭博場から少し離れた場所のビルに
朝九時に来てくれるかしら。そこで一度身なりを変えたりと、工夫しましょ。
ついてくるのはあなただけにした方がいいわね。他の女性がいると、目移りするでしょ? 彼」
「全くその通りですね……わかりました。準備しておきます。あいつらは少し休ませておこう……」