136th その後
ガルーシアとギフレンというCCメンバーと思わしき奴らを捕らえた俺たち。
ジェフさんが建物内に入って来たので話を伺ってみる。
「お疲れ様。どうやら上手くいったようだな。これだけ早く色々準備するのは大変だっただろう?」
「ええ。やっぱ闇の専属者はおっかないですね。全てを見透かされているようで」
「ガウスか。この星じゃ幾つも顔を持ってる人物だが、本当に本人かどうかもわかっていない。
「多分……本物だと思いますよ。偽物に真似できないような癖の強い人物だったので」
「そうか……それと賭博場の立ち入り検査を行っている最中に手紙を預かったぞ。
といっても極秘通信データだが。それも二つもだ。一つは賭博場オーナーで、カイ・エデンという人物。
もう一つは……釘紅スリーという宛名だ」
「あ! そういえば後で話があるって聞いてたの、すっかり忘れてたな……怒ってました?」
「いや。笑ってたぞ。それも想定内だったのかもしれん。それに君たちの知合いということを
分かっている時点で少し怪しんだんだが……彼女は白のようだ。この惑星の者じゃないようだったが」
「そうですか……もう一人、カイ・エデンという人物は?」
「この賭博場のオーナーで、取り調べに応じる代わりに君たちを探して欲しいという依頼を受けた。
彼はどうやら君たちがマテリアラーズだとは気づいていないようだが、私と何らかの関係性が
あると考えたようだね」
「そういえば気に入られたってガウスが言ってたんですよね……」
「レットちゃんを高い価値のある人物として雇用したいとも言っていたな。当然不可能だろうと
告げておいたがね。どうみても君から離れるとは思えない。それに極秘裏に行動するBOSである
事も理解していないようだ。メッセージだけは確認しておいてくれ」
「わかりました。ジェフさんはこれからどうするんですか?」
「ビルごと購入した核の処理をシドーカンパニーと共に使用用途を決定する。
つまり、マテリアラーズとシドーカンパニーとの取引だ。現時点で話が出ているのは、シドーカンパニーが
新たにヘッツと対抗する取り組みの一環を……」
「わーわーわー! おじさんそれ以上話しちゃだめぇ!」
「へ? どうしたニッキィ」
「それ、紫電に話すのはまずいのぉ! ダメだからねっ!」
「あ、ああ。どのみちしばらくすれば知る事になると思うんだが……まぁいい。君たちはこれから
どうするんだね? カルビオから財産を没収し、破壊された分やヘリの手配分などは全額君たちへ
返済されるだろう。それに君たちが捕まえた奴らにもそれなりに懸賞金がある。
恐らく賭博場で出した利益も総じてみると、莫大な金貨が手に入ると思うが……」
「俺たちは任務できたんです。金貨を受け取ってもそんなに使い道は……いや、あるか。
あっちの星にお土産を送る事ってできますか?」」
「物にもよるが、隠蔽工作を施せば可能だろう。それだけの金貨で土産を買うのか?」
「ええ。欲しいものはそんなに大きな物ばかりじゃないんですけど。役に立ちそうなものが
いくつかあるので」
「そうか。惑星探査の任務は大変だろう。終わったらまたこっちにも遊びにきてくれよ。
今度は生身の方でな」
「はい。俺たちまだ暫くこっちでやることがあるので。ジェフさんもお元気で!」
莫大な金貨の使い道は確定してる。二人も喜ぶようなものもあるだろう。
さて……メッセージを確認したらガウスの依頼を片付けないとな。