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130th 一枚ベットで遊ぶ紫電

「あらお兄さん。こちらでポーカーはいかが?」

「ポーカーか。いいだろう勝負だ。俺は強いぜ」


 ニッキィとレットちゃん、それに取引相手を呼びにいったやつを待つ間に、少し遊んで

見る事にした紫電。


 目に留まったのは古来より伝わる伝統の遊び道具、トランプ。

 一から十三の数字を刻む、由緒正しき地球の遊び道具だ。

 こちらは惑星シドーで大量に販売されており、人気商品となっている。


 知恵のある生物間でも娯楽は共通するのは、ゲームを通じて知っていたが、賭け事も同じか。

 まずは様子見だ。チップを一枚場に出す。


「あら、一枚でいいの?」

「一枚しかかけない」

「そうですか。それでは勝負を早速……」

「待て。イカサマをしてないか確認させろ」

「ええ、勿論です。どうぞお好きなだけ。うふふ」


 やたらと胸周りや腰回りを強調してくるロボット型女性賭博師。

 そんなところには目もくれずにカード類を調べ、場所を調べる。

 よし、何ともないようだ。カードそのものにも異常はない。


「ご満足いただけたなら開始します。

ベット枚数一枚ですと、配られてからのカードチェンジ待ち時間は五秒です」

「げっ……ベット枚数で時間を? そうか、回転率を上げるためか……」


 配られたのは二のワンペア。敗北パターンだな。

 全部交換を指示する。


「……はい」

「七のワンペア」

「二と四のツーペアです」

「……二と四?」

「はい」


 手札を見せられて驚いた。二のワンペアを切って二のワンペアが

もう一個でるのは異常な確率だ。

 結局この後も続けて一勝四敗。


 どうも不可解だが、イカサマをしているようには見えなかった。

 少し遠目から客の勝利してる度合いを確かめると……

トータルで勝っている奴は一人もいない。


 恐らくこいつらは遊びを楽しんでいるんじゃない。

 全員取引か何かできているだけだろう。


 チップを失った数は一勝したので三枚だが……もう少し様子をみてやってみるか。

 



 ――――「いたいたー。ねぇねぇ、まだなのぉ? 枚数増えた?」

「二十枚無くなった!」

「無くなるとどうなるの」

「いや、今度こそ……」

「紫電は相変わらず賭け事に向いてないんだねぇ……他のゲームでもボロボロだったもんねぇ!」

「そんなことはない! 次こそ……」

「それ、負ける人がよく言うやつじゃーん!」

「ぐう……そうだ、レットちゃん試しにやってみてくれよ。ポーカーって遊びなんだけど……」

「わかった。どうすればいいの」

「ルールを説明しましょうか?」

「立ち合いが可能なら説明は必要ない」

「構いません。それではベットをどうぞ」

「まぁ最初は様子見だし一枚……」

「一枚ずつ賭けるから適当になるんだよぉ! はい」

「千枚のベットを確認しました。カードを配ります」

「おい! 千枚って!」


 配られたカードを確認すると……嘘だろう? いきなりフォーカードだ。

 こんな偶然あるのか? 


「レットちゃん、このカードを……」

「わかった。でも相手はカードを八枚持ってる。こっちは五枚だから不利」

「……えっ?」

「ちょっとどういうこと? ルール違反だよぉ!」

「そのまま動くな……本当だ。重ねて八枚所持してる。そうか、プレイ自体は普通にやってるように

見せて、有利にいくよう枚数で調整してたのか」

「……どうか隠密に。ベットされた三倍を支払うので」

「……別に二倍払ってくれればそれでいい。ただし色々、教えてもらおうか。

実は少し怪しかったんで映像をとらせてもらった。嘘はつかないことだ」

「はい……」


 しかしカードを八枚とは……イカサマってのは気付かないように幾らでもできるものだな。

 レットちゃん位目がよくないと気付かないのかもしれないが……。


「わー、見てよ。こっちファイブカード揃えられるようになってる。

他にももっと悪い仕組みでやってそうだね。ここでの賭けは成立しない方がいいね」

「勝ったと見せかけて負けさせ、次はいけると思わせるような作戦か……」

「にしししっ。紫電はこれにこりたら賭け事やめるべきだねぇ」

「おいおい。俺はまだ数十枚しか負けてないぞ……」

「数十枚だけど数百万チップでしょ!」

「うぐぐぐ……わかったよ。後はレットちゃんに任せるとしよう。それより

ここに来てる要人なんかの情報、教えてもらおうか」

「はい、わかりました……」

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