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124th リアルファイトナックル開始! 

「ご来場の皆さま、ただいまより本日七回目となるリアルファイトナックルを開催いたします。

まずはルールのご説明。現実の質感が存在する!? 迫り来る障害物を回避し、突き進め! 

ゴールにある宝箱まで辿り着けるか!? 箱の中身は勿論本物。

プレイヤーの皆さまにはお持ち帰り頂けます。

挑戦者は全部で五名。こちらではナンバーと特徴で呼ばせて頂きます。

エントリーワン、可愛い尻尾とエロいコスチューム。麗しい美女。これは人気が出そうだ! 

尻尾ワン!」

「尻尾じゃない。飾り」


 会場に歓声がどよめく。これは既に目立っている証拠だ。


「エントリーナンバーツー。どこからどうやって会場に入ったのか!? 

小さなお嬢さんが参戦! 後で飴玉あげるから、障害物にぶつかっても泣かないでね。

少女ツー!」

「誰が小さなお嬢さんよぉ!」

「エントリーナンバースリー。これは尻尾ワンと同様、美しい女性だー! こちらは怪しい眼鏡に

赤色の大きく胸元が開いた衣装に男性陣は釘付けだー! 赤釘スリーー!」

「物騒なあだ名だわね……嫌いじゃないけど」


 尻尾ワン以上に大反響が沸き起こる。これだけでリール権利を得るのは難しいな。


「エントリーナンバーフォー。白い衣装に身を包んだ男性。ちょっと怖い雰囲気があるぞー! 

怖いヨーン」

「怖いヨーンって何だよ……」

「最後は……ゴリラだー! これはゴリラで間違いない。

腕の毛、角刈り、目も怖い! 五リラで決定だー!」


 会場からクスクスと笑いが起きる。

 俺より酷い人がいてよかった……。


「喧嘩売ってるのかてめぇ!」

「ひっ……さ、さぁ気を取り直して……皆さん配置についてください。

本会場の広さを生かしたステージ。各人のエリアはおおよそ十メートルです。

正面から次々と現れる障害物を見事回避していってください。

道は勝手に進んでいきます。中には飛んでもない罠もあるから気を付けて! 

ではスタート十秒前、九、八、七……三、二、一、スタート!」


 一斉に各エリアが動き出す。


 実はこのリアルファイトナックルに準ずるゲームを、俺とニッキィは経験したことがある。

 同じものではないが要領はだいたい同じだろう。

 最初こそ大した障害物もでてこないが、そのうちまともに避けるだけでは困難となる。

 攻略の鍵はもちろんある。それはこのゲームの名前がさす通り……戦って破壊するのだ。


 司会が言っていた通り、確かな質感が存在しているので、確実に破壊するように

拳を振るったりしなければ、うまくはいかない。


 とはいってもまずは普通にプレイするとしよう。

 久しぶりだから楽しめそうだ。


 まずはなんて事はないブロックが二個。普通に回避して……。


「おーーーっと! 尻尾ワン! いきなりブロックを破壊したー!」

「ちょっとぉ! そんなの壊さず避けなさいよぉ!」

「だめだったの。次は気を付けて避ける」

「別に壊してもいいけど避けれるのは避けた方が盛り上がるでしょぉ?」

「そうなの。それなら壊す」

「これはいきなり隣同士で喧嘩パフォーマンスか!? 目立ってます、尻尾ワン! 

と思ったらあーー! 赤釘スリー! 服をブロックの端に引っかけたぁーー! これは見ものだ!」

「あらん。引っかかっちゃったわぁ……」


 男性陣の熱い視線はあっという間に赤釘スリーへと向けられた。

 くそ、この女……卑怯だぞ! 


「なんと、少女ツー。余裕です、ブロックの上に座って足をパタパタしています。これは、可愛い! 

可愛いです!」


 いいぞ司会。その調子で……俺も少し目立たないと。

 五リラの人とかもう、完全に空気だぞ……。


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