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122th コスプレ大作戦

「ねぇ」

「……何だよ」

「何でニッキィ、こんな小さい子供の物なの?」

「サイズが合うのがそれしかないんだから、仕方ないだろ?」

「私のは何て言う物なの」

「何ていったっけな……賭博場とかで昔女性に着せてたらしい……露出が

ちょっと高いよな、それ。後ろに丸い白玉みたいなのがついてるし」

「バニーだよ! ずるいー! BOSなんだからニッキィもそっちがいーい!」

「しょうがないだろ、身長を元のサイズに合わせたのはニッキィなんだから。

俺だってレットちゃんにそんな恰好させたくないけど、ジェフさんはこれを着ないと

潜入できないっていうし……」

「紫電も似合ってる。何の恰好だろう」

「俺のはマフィアの幹部っていう設定らしい。資料を読んだけど、こんな人いるのって

内容だったよ。子連れのマフィアで白服を着た龍とかいう変な設定……風呂屋が好きらしい。

何だこれ?」

「昔あったゲームのキャラじゃないのぉ? なんだかバトルしたくなってきたなぁ」

「相手は本物の悪者だ。気を引き締めてないとニッキィでもやられるぞ」

「はぁい。やられてもBOSだけどね! にしししっ」


 サンナナタワーでジェフさんに指示をされたのは、俺が偽核を所有し、それを

持ってある企業お抱えの賭博場……カジノというらしいが、そこで遊んだ後、不満を漏らして

より高レートの賭博を要求して欲しいらしい。

 そこから賭けに相応しい物をちらつかせて奥へ侵入。

 取引に応じたら即現場を押さえて制圧……カジノ周辺を取り囲む準備は出来ているらしい。

 合図は簡単に送れるように、事前に準備済みだ。

 発信機や盗聴器などぬかりなく準備してある。


 ジェフさんが捕まったものと思った時に、例の貼る盗聴器がばれたのかと思って

いたが、そうではなかったようだ。

 あの男はまぬけにも騙した二人組が盗聴器を仕掛けられていたと思っていたらしい。

 男は既に身柄を拘束され、極刑は免れないだろう。

 騙された二人組も後ほど捕まり、他の罪で連行されたようだ。


「にしても……物々しい場所だな……」


 カジノ場へはマッピングトーチを利用して、近場まで直ぐに行ける。

 周囲には黒い乗り物が複数止まっており、入り口にはカタギに見えないような

服装の者や、どうみても一般人のような者、なんだったら夕飯をカゴに詰めた

女性もいる。しかしどうみても雰囲気は普通じゃない。カモフラージュと半々ってところだ。


「なんで買い物帰りのおばちゃんがいるの?」

「さぁ。案外ここで一発当てて今夜の豪華なディナーをってところか?」

「そうはみえない。あの女性、弱くはないと思う」

「だよなぁ……入り口からして入り辛いな……まぁ行ってみるか」


 俺はポケットの中に手をつっこみ、出来る限り胸を張り、レットちゃんと

腕組みをしつつニッキィと手を繋いで歩く。


 当然この恰好この組み合わせだ。目立たないはずがない。

 直ぐにめんどくさそうにしながら、カタギには見えない男が近づいて来る。


「おいおい子連れのお父さんよ。ここから先は子供は立ち入り禁止だぜ。

ちょいと大人な遊び場があるからな……へへへへ……いい女連れてるな」


 えーっと。出来るだけドスの効いた声で喋れ。威嚇しろ……か。

 威嚇はわかるけど、ドスって何だろう。


「おいおい誰に話しかけてるかわかってんのかてめぇ! こっちはバクりにきたに

きまってんだろコラァ! 紫電の龍たぁ俺の事よ」

「きゃーお父さんかっこいー」

「素敵」

「おい、なんでガキと女の方が棒読みなんだ? ……紫電の龍ねぇ。聞いた事ねえなぁ……

どうしても入りたいってんなら……ごふっ」

「触んなよ気安く」


 あぶねぇ! いきなり触ってきやがった。

 それを見たニッキィの頭突きが華麗に男の鳩尾にきまる。


「お父さんにさわるなー」

「ぐっ……このガキ!」

「おい。動くな」


 俺は渡されていた最新鋭の小型銃を周りに見えないよう突き付ける。

 弾、撃てませんけど。


「冷たーい感触を味わいたくなかったら、さっさと中に通しな。

最新鋭のぶち込んでも出血も発砲音も絶命もしない銃だ。

だがちこーっとばかし痛いかもな?」

「ひっ……す、すみませんでしたー! そんな大それた武器をお持ちの方だったとは。

へ……へへへ。どうぞ楽しんでいってください。お嬢ちゃんとべっぴんの奥様も!」

「わかりゃいいんだよ。ちなみに後ろにも目があるからな。

襲って来ようとしても無駄だぜ」

「そんなことしません! 最新鋭の武器ってこたぁ横流しでやしょ……あっしなんかが

出張るとこじゃありやせんて……勘弁してください」

「ちっ。受付まで案内するやつはあの二人の内どっちだ」

「ババアの方です。これを渡せば通してくれますんで」


 そう言うと男は果物を俺に手渡した。

 これが入るための鍵ね……。

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