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11th バイオミメティック・オーガニズムシステム

「セイソー。出発前にあれをレグアに見せようと思うんだけど」

「賛成デス。レグア様なら必ず試験に合格して利用する事になるとオモイマス」

「どういうことなの」

「ちょっと! 私を無視しないでよね! でも賛成だわ。あれ見たらさすがにこの無表情女でも驚くでしょ」

「レグア、ついてきて」


 俺とセイソーに案内され、別室に移動する。様々な機械が置いてある部屋だが、人がすっぽりと入れる

機械が数台置いてあるメカニカルルームに行く。


「これがバイオミメティック・オーガニズムシステム。通称BOS。これと同じものを設置してある場所に

自分と同じ者を構成して、その場所に実在するように行動できる」

「自分をもう一人作れるってこと。どう? 驚いた?」

「よくわからない。そんな事本当にできるのかも」

「……なーんでもっと驚かないのよ! 悔しい!」

「フラー。そもそも使えないんじゃ驚けないだろ?」

「それもそうかぁ。使ったらすんごい驚くんだけどね。何せ質感までリアルに再現されるし」

「凄そうなのはわかるけど。私にはわからないから。それで、これを使って地球という

場所まで行くの」

「いや、レグアはバイオミメティック・オーガニズムシステムを利用できない。直接地球に行く必要はある。

ただ……一度この中に入ってくれる?」

「わかった……こうでいいの」

「ああ。こうして……と。セイソー、どうだ? レグアにも使用はできそう?」

「構築を試みてイマス……どうにかなるかもしれまセン。ただし……特別な条件が必要と

推測されマス。本部のアナスタシスに確認しまショウ」

「調べておいてよかった。レグア、もういいよ。さてそれじゃ……地球に向かおう。

ソリン・ニュートラルの確認を」

「確認完了。七番シャトルを利用するように隊長から指示がでてイマス」

「七番!? あんな狭いので行くのか?」

「仕方ありまセン。フラー様の同行が無理やりだったようデス」

「はぁ!? なな、何言ってるのよ。快諾してくれたわよ!」

「精々でかい尻がつかえないように気をつけてくれとメッセージをいただいておりマス」

「あんのセクハラ隊長! 戻ったらただじゃおかないんだから!」


 真っ赤になるフラー。そんなにでかいか? と思ったが言えば殴られそうなのでやめておく事にした。

 七番シャトルはここから近い。俺たちはメカニカルルームを後にして、七番シャトルへと向かった。


「この建物の中、凄い構造。どうやって造ったの」

「隊長のヘッツだね。優秀というか反則かな、あれは」

「あんたも試験に合格したらヘッツを持つことになるわ。精々頑張る事ね」

「それならセイソーみたいなのが欲しい」

「ボロ。ルシールを差し置いてセイソーがいいとおっしゃられるとは思いませんでした……」

「本当見る目がないわね! ルシールの方が何倍も美しいでしょ!?」

「そのボロってのがなければな……」


 七番シャトルに付くと、中には整備マシーンがシャトルのメンテナンスをしていた。

 ほぼ抜かりなく整備完了しているようだが……どう見ても二人乗り。


「これに乗るの。この星の外に本当にでられるの」

「ああ。星の外に出るだけじゃない。宇宙空間の軸を変えて移動できる軸変換システムが組み込まれている。

このシステムが開発可能になるまでどれほどの年月が必要だったか……本当によく完成させたものだよ。

人類ってのは恐ろしい」

「このシステム開発によって宇宙は広がったのよ。でも、広げてはいけない領域もあったわ」

「どういうことなの」

「今はそれより地球へ向かおう。広すぎる宇宙の話をしていたら、それこそいつまでたっても地球にたどりつけやしない」

「わかった。私はどうすればいいの」

「俺が前に乗るから二人とも後ろ」

「わかった。フラーのところね」

「ちょ、無理無理無理! あんたもお尻、大きすぎでしょ!」

「乗れない。どうしよう」

「おいセイソー。シャトルの変更を」

「申請不受理デス。隊長からカッコワライという謎のメッセージが届きまシタ」

「隊長ぉーーー!」

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