魔王様と雑談
ふははははははははははは、ひさしぶりじゃの。え、誰かって? 魔王にきまっておるだろ!! 失礼にもほどがあるぞ! わしに逆らおうものならすぐにどうなってしまうかはわかっておるだろ?
まあ、いまの我が輩もそこまでおそろしいものではない。未だに健気に勇者が挑んでくるのだがな!!
しかしいい加減に気づいてほしいのだ。我が輩とてここまで戦いたくはないのだと。その証しとして最近は人間界に魔物だって配置していないのだぞ!
(まあ、そのせいで勇者はレベルが上がらなくなってしまっているらしいのだが)
いい加減我が輩と話し合いをしてほしい。人間と仲良くしたのだ!! 毎度毎度勇者を倒すたびに基本荷物は返すようにしているのだがたまに気になる物があると拝借をしている。それくらいは魔王だし、戦いに勝ったのだし許してほしい。
しかし人間はとてもいい物を作り出す。魔物達には作り出せない物ばかりだ。なんというのだろうか、繊細さが魔物達にはあまりない。その結果大きくて大雑把な物はかっこよかったりするのだがおどろおどろしかったり……。それに比べ人間という物はなんだ。なぜにあんなに綺麗な物を作り出せるのだろうか。最近のお気に入りは勇者のつかっていた剣だ。勇者のしている装備には全て同じ紋章がしてあったのだがなにかあるのかも知れない。
前回はそれをつかって戦って見せたら 「なぜお前がそれを!!」 なんて驚いていた。あの顔、今でも思い出すが最高であった!! あそこまで驚くとは思っていなかったのだがそこまで大切な物だったのだろうか。まあ、我が輩にも一つや二つ譲ってくれても良かろう。
しかし、今日はなんて平和なのであろうか。お主とここまでゆっくりと雑談できるのも我が輩はとてもうれしいぞ? もう少し来てくれてもいいのだがな!!
「魔王様!! 今日も勇者が参りました!!」
せっかくこれから我が輩の戦利品について一つ一つ紹介しようとしていたところなのに。我が輩の楽しい時間を許したことは許せぬ!! いい感じに足止めをしておいてくれ! すぐに準備する!!
「はっ!!!!」
ということで仕事が出来てしまったみたいだ。話し相手になってくれて我が輩はうれしかったぞ!! では次に話時は今日の戦利品について教えてやるからな!! 楽しみに待っておれ!!!