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エルフとガイノイドの百合劇場  作者: B・T
スイートピー編
337/343

天龍 後編

 裂け目の近くに散開したドレイク達は、迫りくる魔物達を駆除していた。

 数は外の時程多くは無いが、質は段違いだった。

 いうなれば、クラブの親衛隊と言えるようなラインナップだ。

 空中でストレリチアを攻撃特化にして戦うシルフィは、魔物の質に辟易していた。


「アイツ、強力な魔物ばかり召喚して!」

「確認できるだけでも、ワイバーンエンペラーに、グリフォンキング、キマイラウォーリア、他にも……ああクソが!化け物級がゴロゴロ居やがる!」


 近くで戦っていたカルミアも、向かってきている魔物の数には憤りを覚えた。

 単機で倒せなくはないが、効率よく倒さなければならない。

 一体でも突破されたら目も開けられない事になる状況だというのに、これは意地が悪すぎる。


「でもやるしかないよ!ここを突破されたら、奥に居る皆が!」

「分かっている!だからって無茶するなよ!」

「無茶しないと、いけない状況だけどね!」


 今しがた無理をするなと、カルミアに釘を刺されたシルフィはワイバーンへ接近。

 大型のボウガンに変形させたストレリチアの引き金を密着状態で数回引き、シルフィは巨大なワイバーンを撃破した。

 いくら天を使えるシルフィでも、今の環境では至近距離まで近づかなければならない。

 狙撃をしたければ、実弾を使用するしかない事に変わりは無い。


「シルフィ!そこを退いてくださいませ!」

「え、あ、ゴメン!」


 イベリスに言われ、シルフィは少し降下しながら下がった。

 マリーから装備を返却されたイベリスは、ノリノリで大型兵器を駆る。

 大気中のエーテルのせいで射程距離は落ちているので、可能な限り近い個体を狙う。


「これで!」


 両手と両腰、両肩から砲撃を放ち、十メートル以上の巨体の魔物を一気に二体ほど蒸発させた。

 出現する強力な個体たちも、過去に倒された魔物であるだけに、同一の個体は複数いる。

 しかし、元々数が多かった訳ではないので、絶対数は少ない。

 少しハイペースでも、数は減らせていればいい。

 イベリスの活躍を見ていたカルミアも、出し惜しみ無しで戦う。


「流石イベリスだ、こっちも派手に行くか!」

「了解!」


 空を飛びつつ、大型の魔物相手に格闘戦を仕掛ける。

 狙うのは、レッドクラウンよりも大きなグリフォン。

 以前戦ったエルダーグリフォンから、更に巨大化した個体だ。

 ほとんどの武器を突入時に使い果たしたので、攻撃を回避しながら接近。

 格闘を仕掛けて来た前足を掴み、腹部へと口内のビーム砲を繰りだす。


「くたばれ!鳥やろうが!!」


 至近距離で放たれたビーム砲をくらい、グリフォンの身体は蒸発。

 残った肉片は、地上へとボタボタ墜ちて行く。

 掴んでいた足を捨てたカルミアは、ついでに下の様子も確認し始める。


「……地上の連中も派手にやってるな」


 赤い電撃や竜巻等、地上では様々な魔法が繰り出されていた。


 ――――――


 地上に割り振られた面々は、連携を活かしながら戦っていた。

 魔物でも、生物だけあって地上の種類は多い。

 地の利を活かした戦術、罠によるからめ手。

 それらが使えないだけに、連携を維持しながら戦う必要があった。


「アンクル!土魔法で動きを止めろ!」

「了解!」


 ロゼの命令を聞き入れたアンクルは、地面に手を置き、目の前の魔物に魔法を繰りだす。

 彼女達が相手にしているのは、セントサジタリウス。

 神々しい鎧や大剣に盾を身にまとった、人の上半身を持った馬型の魔物。

 下半身が馬という特性を活かし、素早い動きを見せていた。

 動きを止めるべく、アンクルは魔法で地面から牙のような物を生成させる。


「よし、動きが止まったぞ!」


 アンクルの魔法で足を取られたサジタリウスに、ミシェル以外は一気に接近。

 馬の足には甲冑のように硬い外殻が有るが、ロゼ達はそれを渾身の攻撃で破壊しようとする。

 サジタリウスの力なら、数秒で抜け出せてしまうので、急いで破壊する。


「右の後ろ脚は貰った!」

「では、こちらは左を!」

「私は正面の両足だ!」


 三人の同時攻撃によって、サジタリウスは四本の足をいっぺんに失う。

 完全に動きを止められた所で、ロゼ達は退避。

 仕上げは、鉄球を振り回すミシェルに任せる。


「やれ!」

「ヒヒヒ!了解!」


 鉄球の質量と鎖の遠心力を乗せた一撃が、サジタリウスに叩きつけられた。

 ロゼでも思いっきりやらなければ切れない装甲をぶち破り、内蔵をすり潰す。

 この攻撃で薔薇騎士団は、一体の魔物を排除した。

 だが、休んでいるヒマは無い。


「次行くぞ、デュラウス!そっちは任せた!」

「ああ、行ってこい!」


 狙いを変えた薔薇騎士団の横でも、デュラウスが激しい戦いを繰り広げていた。

 彼女が相手にしているのは、五体のアイアンコロッサス。

 金属のように硬い体を持った、体長五メートルの巨人だ。

 アイアンと名付けられているが、強度は鉄以上。

 デュラウスであっても、生半可な攻撃は防がれてしまううえに、電撃にも耐性がある。


「チ、ガチガチな奴だ、まぁアースドラゴンに比べたら、柔い方か」


 今のデュラウスは、アースドラゴンを単機で仕留められる。

 そう自分に言い聞かせたデュラウスは、大剣を両手でしっかりと握る。


「くず鉄に変えてやるよ、ガラクタ共が!!」


 全身を帯電させたデュラウスは、地面が沈む程踏み込む。

 その足でコロッサス達に接近し、大剣を一気に振り抜く。


「ラッシャァァ!!」


 表皮だけでなく、内部の組織まで金属のようになっていたが、デュラウスの攻撃の前では無力。

 多少腕は痺れたが、次々と鋼鉄の巨人たちを仕留めて行った。


「こんな物か」


 デュラウスの攻撃で上半身を粉砕された巨人たちは、力無く倒れた。

 やはり、アースドラゴンと比較してしまうと、柔らかく感じてしまう。

 とはいえ、デュラウスの体感でも、レールガン位なら防ぎそうな硬さだった。


「……デュラウスも、片付けた、後は、私達も!」

「それもそうね!」


 デュラウスの近くでは、ヘリアンとイビアは協力して一体の魔物の対処にあたっていた。

 三本の首を持つ巨大な狼、ケルベロス。

 炎を吐き、巨大な腕によるひっかきを繰りだしてくる。

 巨体に似合わぬ俊敏性と、見た目通りの凶暴性で二人を相手取っていた。


「(ケルベルスと言えど、所詮は犬)」


 イビアとヘリアンは、別々の方向から攻める。

 しかし、ケルベロスは自身の弱点を把握している。

 二方向から来る相手に混乱する事無く、イビアの方に狙いを定める。


「(こっちに来た!)」


 素早い動きで向かってくるケルベロスを前に、イビアはグレネードを用意。

 予めピンを抜いておいた物を、ケルベロスに投げつける。


「これでも嗅いでなさい!」


 ケルベロスの鼻先で爆発したグレネードは、煙幕を形成する。

 中身は催涙効果のある煙、通常の犬と同様に鼻の効くケルベロスには、かなり効果がある。

 目と嗅覚を奪われたケルベロスの背後から、ヘリアンはナイフを突き立てる。


「これで、終わり!」


 ケルベロスの背に乗ったヘリアンは、背後から三本の首を斬りおとした。

 ついでに胴体も二つに斬り裂き、完全に止めを刺す。


「……大丈夫?」

「まぁね、何となく持って来たのが、役に立ったわ」

「良かった」


 ケルベルスを倒し終えたヘリアンは、辺りを見渡す。

 こうしていた間に、デュラウスや薔薇騎士団達は目ぼしい魔物を撃破していた。

 最初に向かってきた魔物は排除した事を確認し、ヘリアンは上を見上げる。


「(……苦戦してる、でも、あの四人なら)」


 リリィ達四人は、クラブ一人を相手にかなり苦戦していたが、後一歩の所まで行く。

 だが、もう少しという所で、龍は軌道を変える。

 上を向いた龍は、大量の魔力を凝縮したブレスを上空へ放つ。


「な、何を!?」


 龍のブレスによって、周辺に眩い光がまき散らされた。

 その光に遅れて、爆発したような轟音が響きわたり、ヘリアンすら吹き飛ばす衝撃波に襲われる。


「グア!イビア!」

「ヘリアン!」


 衝撃波で吹き飛ばされながらも、ヘリアンはイビアを救出。

 地上の部隊は各々の方法で、衝撃から身を守る。

 空中でも衝撃波に襲われ、陣形が崩れてしまっている。

 運悪く衝撃波にのまれたドレイクは、ウィルソンに救出された。


「こ、これ程とは」

「ドレイク!大丈夫か!?」

「ああ、何とかな、それより、早く防衛線を再構築しなければ」


 先ほどの衝撃で魔物も吹き飛んだようだが、安心はできない。

 下手をすれば味方も吹き飛ばされ、孤立した状態となっている危険もある。

 そんな不安を抱いたドレイクは、ウィルソンの介抱から離れて辺りを見渡す。


「……どうやら、全員無事のようだな」


 一応ではあるが、部隊と孤立している隊員はいないようだ。

 とはいえ、先ほどの攻撃の余韻がまだ残っているらしく、立っている者の方が少ない。

 だが、弱っている場合ではない。

 リリィ達を振り払ったクラブは、もう一度魔物を召喚する。


「あのアホんだら、ゴッツムカつくわ」

「ああ、何が何でも我々を潰すつもりのようだ」


 何時になく機嫌の悪いウィルソンに、ドレイクは賛同した。

 正直言って、だいぶ追い詰められている気分だ。

 リリィ達アンドロイドは大丈夫かもしれないが、生身の彼らは疲労がたまっている。

 今の状況に頭を悩ましていると、再び龍の咆哮が響き渡る。


「ウ、またか」

「大尉!ドラゴンが魔法を使ってきました!」

「な、何だと!?」


 バルチャー隊の隊員からの報告に、ドレイクは再度龍を見上げた。

 クラブの狙いの矛先は、リリィ達からドレイク達に切り替わっている。

 それを証明するかのように、無数の風の槍が彼らの方へと放たれてくる。

 この攻撃を前に、ドレイクはできる限り大きな声を出す。


「クソ、来るぞ!マリーの援護は無い!各自で身を守れ!!」

「やらせない」


 全員ドレイクの指示を聞き入れ、それぞれのやり方で身を守ろうとする。

 しかしその中で、シルフィだけは命令を無視し、前へと出る。

 彼女の勝手な行動に、ドレイクは気づく。


「シルフィ!何をしている!?下がれ!」

「マリーちゃん程じゃないけど、私だってフィールドを張れる!」


 ドレイクの命令を聞き入れず、シルフィはドローンを展開した。

 オーバー・ドライヴと、悪鬼羅刹の併用によって力を解放。

 ドローンと自身の周辺に、フィールドを展開する。


「(これなら少しは!)」


 降り注ぐ風の槍は、シルフィの展開したフィールドに着弾する。

 雨のように降り注ぐクラブの魔法の一部は、シルフィの防御を貫通。

 少しだけ地上に着弾するが、それほど大きな被害は出ていない。

 だが、安堵しているヒマは無く、第二波が襲い掛かる。


「まだ来るの!?」


 クラブの放つ攻撃が来る前に、シルフィはドローンやフィールドに魔力を供給。

 なるべく被害を減らすべく、弾幕の密度の濃い場所へドローンを操作する。

 それでもシルフィの力では防御しきれず、地上に被害が出て来る。


「グ、やっぱり、私じゃ力不足なの?」


 自己嫌悪に陥りながらも、シルフィはドローン操作と魔力供給を続行。

 第三波、第四波と、絶え間なく飽和攻撃が繰り出される。

 徐々にシルフィの魔力は無くなり、ドローンも損傷が激しくなっていく。

 劣勢に向かうに伴い、地上への被害も増えて来る。


「はぁ、はぁ……まだまだ!」


 天同士ぶつかり合う事で、通常よりも多くの魔力を失っている。

 しかし、それでもシルフィは引く事をしなかった。

 地上の様子は、見るまでもなく悲惨な事に成っている。

 ここで手を止めれば、地上に居る味方は全員死ぬだろう。

 そんなシルフィの頑張りを裏切る様に、ドローンは次々と破壊される。


「シルフィ!無茶な事をしないでくださいませ!」


 どんどん追い詰められていくシルフィを救助するべく、イベリスも前線へ出た。

 オーバー・ドライヴを発動し、使用可能な全ての火器を駆動。

 弾幕をばらまき、クラブの飽和攻撃に対抗する。


「イベリスさん!」

「貴女はわたくしの撃ち漏らしの対処を!」

「は、はい!」


 搭載されていたミサイルを全て放出し、使用できる火砲で魔法をかき消していく。

 抜けて来た魔法は、シルフィのドローンとフィールドで防ぎ止める。

 イベリスの協力のおかげで、シルフィの負担は大きく減った。

 しかも嬉しい事に、クラブの弾幕は止む。


「あら?攻撃が」

「あ!リリィ!」


 どうやら、リリィが戦線に復帰したらしい。

 その事を自らの視力で確認したシルフィは、笑みを浮かべた。

 だが、笑っているヒマは無い。

 安堵していたイベリスの右手の火砲が、上空からの攻撃で破壊されてしまう。


「グ!しまった!」

「マズイ!さっき召喚された魔物達が!」


 クラブの弾幕に気を取られていた隙に、先ほどの魔物達が目と鼻の先の場所まで進行していた。

 ドレイク達も地上に退避していたので、空中の守りは疎かになっている。

 それに焦ったドレイク達は、急いで空中に上がろうとする。


「マズイ!このままだと抜けられる!」

「ドレイク!こっちもぎょうさん来たで!」

「クソ!」


 シルフィとイベリスが何とか防いでいるが、とても防ぎきれるようには見えない。

 ドレイク達も飛び上がろうとするが、地上の敵も彼らに襲い掛かる。

 地上の魔物も無視はできないので、止むを得ず相手取る。

 すぐ近くでも、プラム達が地上の魔物にてこずっている。


「ッ!早く上がらないと!」


 出現したオルトロスの攻撃を止めたプラムは、空をチラチラと確認した。

 シルフィは先ほどの防御で消耗し、イベリスは火砲の一つを失っている。

 対して、相手はワイバーンのような強力な個体だけでなく、ハーピーのような細かい魔物まで出ている。

 早く手助けに行かなければ、防御しきれない。

 焦るプラムから離れようとしないオルトロスは、死角から繰り出される斧によって撃破される。


「オラ!!」

「ッ!貴女は!?」

「早く行け!ここは俺達が何とかする!!」


 プラムの救援に来たのは、薔薇騎士団のウルメール。

 巨大な戦斧を駆り、襲い来る魔物達を潰していく。

 だが、とても任せられる状況ではない。


「ですが、この数では」


 今度は強力な個体に混ざって、細かい魔物まで召喚されている。

 ロゼに鍛えられた騎士とは言え、一人ではキツイだろう。

 それでも、ウルメールは引くつもりが無さそうだ。


「お前も戦士なら、なすべき事を成せ!」

「……はい!」


 彼女に後押しされ、プラムは飛び上がる。

 更に、別の場所で戦っていたバルチャー隊も、デュラウス達の援護を受けて飛び上がった。

 しかし、ドレイクとウィルソンは囲まれており、とても上空の援護に行けそうにない。

 シルフィ達の元へ向かっていると、数体の魔物が彼女達を抜けてしまう。


「大尉たちは無理か、なら……私達で行きますよ!」

『了解!』

「ごめん!プラムさん!突破された!」

「大丈夫です!貴女は引き続きこちらで対処を!我々が食い止めます!」


 この場をシルフィ達に任せたプラム達は、防衛線を突破した魔物を追っていく。

 幸いな事に、シルフィ達を通過した魔物が通った裂け目は宇宙に通じる物。

 艦隊は裂け目付近から退避しているようなので、すぐに被害が出る事は無い。

 だが、たどり着かれる前に撃破しなければならない事に変わりは無い。

 プラム達三名のバルチャー隊も裂け目を通過し、宇宙空間へと飛び出る。


「行かせはしない!!」


 進行を妨害するべく、プラム達はライフルによる攻撃で後方から撃破していく。

 高濃度のエーテル環境下を抜けられたおかげで、遠くまで射撃が届くようになり、細かい魔物はすんなり倒せる。


「(この雑兵は良い、けど、問題はあれか)」


 しかし、守りを抜けた中で目立つのは、ハリケーンドラゴンと呼ばれる緑色のドラゴン。

 レッドドラゴンに酷似した外観だが、植物のような特徴を持っており、かなり細身だ。

 他の魔物達より早いペースで移動しており、バルチャーでも付いていくのが精いっぱいだ。

 しかも、見かけに反して外殻が硬く、手持ちの火器では弾かれている。


「(この火器も艦砲射撃もダメか、でも、バルチャー・クラッシャーだと、貯めに時間が……マズイ!アイツ攻撃する気か!?)」


 艦隊からの艦砲射撃も正面から受けているというのに、ビクともしていない。

 それどころか、ドラゴンのブレス攻撃によって、巡洋艦が一隻落とされた。

 ブレスは一定の間隔で連射され、ヴァーベナにも何発か被弾する。

 この事態を前に、プラム達は俄然やる気を出す。


「クソ、これ以上行かせるか!

「中尉!」

「俺達も行くぞ!」


 三人はオーバー・ドライヴを使用し、一気に加速。

 艦隊からの攻撃をものともしないドラゴンに、接近戦を仕掛ける。


「ハアアアア!!」


 武者より頂いた刀は、ドラゴンのウロコを容易く切断。

 しかし、皮一枚を斬る程度の小手先の攻撃だけでは、ドラゴンは止まらない。

 他の隊員も、ブレードを突き刺し、ゼロ距離射撃を行うが、止まる気配はなかった。

 どんなにダメージを与えても、すぐに再生されてしまう。

 徐々にヴァーベナへと接近して行くドラゴンを前に、プラムは一つの決断をする。


「なら、これで!!」


 前に出たプラムは、ドラゴンの目に刀を突き立てた。

 激痛で止まる事も期待したが、まるでドラゴン自身が特攻を仕掛けようとしているかのように進み続ける。


「ク、ウワアアアア!!」


 ドラゴンの特攻を防ぐべく、プラムはドライブを暴走させた。

 彼女に続き、二人の隊員も同様の事を行う。

 光に包まれながら、プラムの脳裏に子供達の姿が過ぎる。


「私には、守らなくちゃいけない子供達が居るんだぁぁぁ!!」


 子供達を守りたい、その一心を表すプラムの絶叫と共に、三人は自爆した。

 彼女達の命をかけた攻撃で、ドラゴンの防御は低下。

 艦隊からの一斉砲撃によって、ドラゴンは完全に沈黙する。



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