モミジガサの花言葉 前編
リリィ、マリー、そして、ジャックの戦いが始まった。
その戦いは、小惑星並の大きさを持つ要塞、ゼウスでさえ狭すぎた。
宇宙へと場所を変え、ぶつかり合う三つの光は、まるで彗星同士が衝突しているかのように美しい。
だが、その戦いは熾烈な物。
全力を出すリリィとマリーで、ジャックとようやく渡り合えている。
この状況に、シルフィは焦りを感じていた。
「(如何しよう、リリィとリンクして、私の魔力で敵を無力化するつもりだったのに)」
リリィの協力を得たうえで、大量のエーテルとマザーを用いて、敵無人機を無力化。
それエーラからの頼みだったのだが、意外過ぎる敵が立ちはだかり、それどころではなくなった。
生きていた筈のジャックは、どういう訳か闇堕ちしており、リリィ達に襲い掛かっている。
しかも、ジャックも誰かとリンクし、力を増している。
「(それに、誰なの?あの人の隣にいるのは)」
シルフィが気になって仕方がないのは、ジャックの隣にいる人物。
初めて前にする人物だというのに、何故だか初対面のような気がしない。
リリィとジャックの持つ刃がぶつかり合った時に、隣の彼女との交信も試みるが、毎回拒否されてしまう。
「ガッ!」
「ウッ!」
『リリィ!!マリーちゃん!!』
そんな事をしている間に、リリィとマリーはジャックの攻撃をもろに受けてしまう。
二人であっても、今のジャックに圧倒されている。
しかも、この宙域の戦いも、徐々に劣勢に成りつつある。
このままでは、リリィ達の敗北は必至だった。
「はぁ、はぁ」
「はぁ、はぁ……ねぇ、なんなの?アイツ、私とアンタが協力しても、全然歯が立たないなんて」
肩で息をするマリーは、初めての脅威にとまどっていた。
何しろ、彼女に決定的な負けを与えたのはリリィだけ。
そのリリィと協力しているというのに、今の敵を倒す事が難しいと思えてしまう。
彼女の疑問に、リリィは苦しい表情で答える。
「……彼女は、ジャック、ジャック・スレイヤー……本名を五十嵐紅蓮……シルフィの母親ですよ」
「ッ……アイツが」
「ええ、以前までは味方でしたが、どうやら、相当な心変わりが有ったようです……それに、強い」
息を飲むマリーの横で、リリィはジャックの使用するエーテル・ギアを観察する。
今のジャックの強さは、単純に誰かとリンクしているというだけではない。
彼女の装備、それが強さのもう一つの理由だ。
こうして観察して、ようやくその理由がわかった。
「本当、なんなの?あの強さ」
「……デュアル・ドライヴ、貴女も、それを手に入れたんですね?」
「その通り、コイツの力が、自分だけの物と思わない事だ」
「……そう言えば、貴女との共同開発でしたね、貴女が再現できても、不思議ではない……そして、その力も」
「(デュアル・ドライヴ?リリィが使っている鎧と同じ力が、アイツにも)」
そもそもデュアル・ドライヴの技術は、ジャックとヒューリーによって、その理論が構築された。
だが、実現は不可能だったため、エーラの技術に任せる他無かった。
それでも、理論自体は頭に入っていたので、十分な設備さえあれば、ジャックでも再現は可能だった。
「流石リリィだ、だが、この力は単純な物じゃない……文字通り二つの意識を同調させる事で、この力は完全な力をもたらす」
「二つの、意識?」
「そう、だがな、リリィ、お前達のように中途半端なリンクでは、俺達のようにはなれない」
「私達が、中途半端?」
考えようとするリリィの顔に、ジャックの鋭い蹴りが放たれる。
明らかな不意打ちは、とっさに振り上げたマリーの槍で防がれた。
ジャックの足は切断されるが、トラクタービームで瞬時に回収され、つなぎ合わさる。
「ぼさっとするな!」
「す、すみません」
「二人ともな!」
マリーに叱られてすぐ、ジャックは再び二人へ襲い掛かる。
再度激しい打ち合いが始まり、ジャックはリリィ達を切り裂く。
その中で、リリィは先ほどの言葉の意味を考えていた。
シルフィとのリンクは、中途半端。
マリーと比べれば、確かにそう言えるかもしれない。
何しろ、先ほどから、ルシーラの人格が表に出てきていない。
マリーとルシーラの場合、完全に二人の意識が同化していると言えるだろう。
「(それに、マリーが今の状態になると、シルフィの事を姉さんと呼ぶ……まさか、人格さえも一つに)」
『そうかもしれない』
「(シルフィ?)」
『ジャックとリンクしてる人も、ジャックの人格とほとんど同化してる……きっとあの状態が、あの鎧の力を最大限に扱える状態なんだよ』
「(だとすれば、私達も)グッ!!」
「戦闘中に考え事か、余裕だな!!」
「ガハ!」
「リリィィ!」
注意力の散漫するリリィは、ジャックの斬撃を受け、吹き飛ばされた。
その先に有る要塞に突っ込む彼女を横目に、マリーはジャックの相手を始める。
マリーにしては珍しく、シルフィ以外の人間を傷つけられた怒りが、相手に向けられる。
ジャックの物より、黒みがかる魔力を槍に宿し、反撃を開始する。
「よくもリリィを!!」
「……ふふ、リリィ……良い友人を持ったな!」
マリーの反応を見たジャックは、ヘルメットの中で笑みを浮かべた。
友人を傷つけた者に、怒りをぶつける。
そんな人間は滅多にいない。
だが、マリーは、リリィを吹き飛ばされて、怒りをあらわにした。
良い友人だ。
「友人を作る事は良い事だ!それに、そこまでの友情はまれだ!」
「何が言いたい!?」
「ありがとうよ!アイツと友人になってくれて!!」
――――――
要塞と激突したリリィは、瓦礫を押しのけながら、ジャック達の方を見る。
マリーであっても、今のジャックを止める事は難しいらしい。
ちゃんと技を用いて振るわれるマリーの槍を、ジャックは簡単にしのぎ、反撃を入れている。
「……シルフィ」
今のままではダメ。
そう思い、リリィは胸を押さえながら目を閉じ、集中する。
今のジャックに勝つには、彼女と同じ地平に立つ必要がある。
その為には、シルフィとより密接にリンクしなければいけない。
『リリィ、大丈夫?』
「大丈夫、とは言い切れませんね」
入り込んだ空間の中で、リリィはシルフィの思念体と対面。
二人は両手を握り合い、一緒に悲しい表情を浮かべる。
以前であれば、ジャックを相手に、簡単に戦えていた。
だが、今や彼女は、二人にとって大切な存在でもある。
迷いが無いというと、嘘に成ってしまう。
『……貴女の気持ちも良く解る……でも、見て、みんな、まだ戦ってる、必死に生きようとしてる!』
「……ええ、ですが、もはや風前の灯火です」
シルフィの能力を使い、リリィはこの宙域の戦況を見渡す。
姉妹達はオーバー・ドライヴを使い果たし、通常の状態で戦うハメになっている。
実弾の類も使い果たし、イベリスはバックパックを捨て、レッドクラウンも素手だ。
ヴァーベナを守るヘリアンとイビアも、いい加減限界を迎えていた。
七美達も、次々襲い来る無人機に、徐々に押しつぶされつつある。
艦内に侵入してきた敵を迎え撃つ、レリアとロゼも、圧倒的な数を前に、捕縛寸前まで追い詰められている。
味方も次々落とされ、友軍の艦も、どんどん轟沈している。
「……彼女達を死なせたくない……こんな事を思う日が来るなんて、夢にも思っていませんでした」
『私も、絶対に助けたい、あの子達だけじゃない、私達の仲間は皆……』
思念体の二人は手を絡め合い、額を当て合った。
世界を、仲間を、家族を助けたい。
その思いが、二人の間を行き来する。
「私の世界も」
『貴女の世界も』
「アイツらの好きにさせない」
『貴女の世界を焼かせはしない』
「その為にも」
『一緒に戦おう』
互いに思考が通じ合い、溶けあっていくのが解る。
ジャック同様に、一つになる思考。
より深く伝わるシルフィの温かな意思に、リリィは包まれる。
そして、交わって来るシルフィの脳波に、リリィのドライヴが反応。
鈍い銀色、いや、白金といえる美しい色のエーテルが生成され始める。
「……私と、貴女で!行きましょう!シルフィ!!」
目を見開いたリリィの叫びと同時に、リリィの義体は発光した。
発動していたオーバー・ドライヴの出力が、更に向上。
生成された膨大な量のエーテルは、最初に起動した時の比ではない。
小惑星規模の要塞ゼウスを覆い、戦闘中の部隊全てを包み込んでしまう程の量だ。
「な、何だ!この光は!?」
「敵の攻撃?違う、何だ?この暖かさは」
「まるで、家族と共に過ごしているよう」
「ッ、おい!敵の動きが鈍くなって行くぞ!!」
リリィ達の放ったエーテルを浴びた者達は、その事態に動きを止めていた。
だが、それは敵も同じ事。
というよりは、このエーテルの影響を受け、交信が遮断しているようだ。
――――――
その頃、ヴァーベナでは。
予定より遅れたが、思惑通りに事が運び、エーラは歓喜していた。
「よっしゃぁぁ!!ようやく行ける!」
「無人機制御システム掌握率、九十、九十五……掌握率、百パーセント!」
「兵士と無人機のリンクを遮断!ついでに、外に有るナノマシンとの接続をカット、これで、外に居る敵は、ただの人形だ」
リリィ達の放ったエーテルが、一種の妨害電波の役割を果たしていた。
そのおかげで、ゼウスの演算能力が低下。
何とかシステムの一部の掌握に成功した。
――――――
同時刻。
マリーを追い詰めていたジャックは、光り輝くリリィに気付いた。
「……この光……そうか」
「何なの?あのバカげた量の魔力は」
笑みを浮かべながら見上げるジャックの横で、マリーは信じられない物を見る目をした。
何しろ、今のリリィから生成される魔力は、尋常な物ではない。
彼女の常識であっても、桁外れの量だ。
驚く彼女の為に、ジャックは説明を始める。
「デュアル・ドライヴが、ハイエルフの脳波と同調し、エーテルを高純度化させ、アリサシリーズのAIが制御する……ヒューリーの思い描いていた事が、今実現した」
「ハイエルフって、まさか、姉さんが」
「そうだ、完全なる進化を果たしたんだ、リリィも、シルフィも」
ジャックの解説に、マリーは目を丸めた。
今までただのエルフと蔑まれていたシルフィが、目の前で進化したのだ。
そして、説明を終えたジャックは、リリィの元へと飛んでいく。
――――――
一方、ゼウス内部にて。
エーラとラベルクの働きによって、システムは掌握。
機械とリンクしていたザイーム達は、浸食していた金属から解放されていく。
「ッ、クソ、あの女狐が……」
怒りの籠った表情で、ザイームは目の前の端末を操作し始めた。
完全に支配しきれていなかったジャックの企み、あるいは、リリィの隠された機能。
それらが作用し、長年準備してきた事が、全て水の泡となった。
使える機器を用いて、ザイームは元凶であるジャックに通信を始める。
「リアマ!貴様、一体何のつもりだ!?」
『ん?ああ、お前か……なんのつもりも無い、お前がリリィ達を侮った結果だ』
「バカな事を、あんなガラクタに、こんな事が出来る訳がない!貴様がさっさと敵艦を落とさなかった事が原因だ!」
『……ガラクタ呼ばわりはやめろと言った筈だ、貴様はそこで、吠えてな……負け犬』
「なッ!」
ザイームの言葉を遮るようにして、ジャックは通信を切った。
――――――
通信を切ったジャックは、気にする事無くリリィ達の前に降り立つ。
今のリリィは、シルフィと完全にリンクしており、先ほどまでとはまるで別人。
ハイエルフの影響を受けたせいか、エーテルの放出が翼を模り、髪も白く染まっている。
「……リリィ、シルフィ」
「……ジャック」
ジャックを前にしたリリィは、二刀流の状態で睨む。
彼女を前にして、ジャックもまた、両手のブレードを展開する。
「……戦火が止まりました、もう、これで終わりです、貴女の企みも、全部」
「ああ、あのクソ野郎の企みは終わった、お前達の勝ちだ……だが、個人的な決着がまだだ」
「やはり、引き返す気は無いのですね」
「その気は無い」
戦う事は、リリィとしては本当に不本意なのだろう。
当然だ、ジャックには戦う理由が有るが、リリィには無い。
だが、ここでジャックを止めなければならない。
それだけが戦う理由のリリィに、ジャックは構えを取る。
「決着をつけるぞ!」
素直な正面からの突撃。
それが最初の攻撃となり、リリィへと襲い掛かる。
「貴女を、絶対に止める!」
再度激突した二人は、先ほどまでとは比べ物にならない戦いを始める。
より大きくなったジャックのエーテル刃と、白金に輝くリリィのガーベラ。
両者の斬撃の軌跡は、その一つ一つが流星のように美しい。
「グッ、強くなったな!」
「ええ、ウッ、貴女のおかげで!」
全力を出し合う二人の力は、完全に拮抗していた。
互いにアーマーを、肉を斬り合う、一進一退の攻防。
移動するだけで体は押しつぶされそうになり、攻防の一手一手の衝撃で、意識が飛びそうになる。
持てる力の全てを用いて、二人は戦う。
まるで、親子水入らずのなか、遊んでいるかのようだ。
その最中に、二人に通信が入る。
『やはり、野蛮な貴様らには解る筈が無かったか、私の正しさこそが、人類の究極系である事に!!』
通信してきたのは、システムから解放されたザイーム。
横やり以外の何者でもない彼の通信を無視しながら、二人は戦いを続ける。
『私のように、絶対の強者が、家畜程度の知能しか持ち合わせない人間どもを未来永劫管理し、全ての人間を導かなければ、やがて人類は戦いを止められずに滅ぶ、人間はそれだけ低能な奴らだ……だが、貴様らは違う……お前達はそれ未満のゴミだ、そうやってよだれを垂らし、獲物を狩る事しかできない、ただの害獣でしかない!何が進化だ!何がハイエルフだ!何の力も持たない獣が!!』
「……」
「……」
無視を貫こうと思った二人だったが、ザイームの身勝手な発言には、我慢できなかった。
ただ画面の向こう側という安全な場所からしか、戦いを疑似体験した事の無い奴に、とやかく言われたくはない。
戦いの手を休める事無く、二人は通信を返す。
「何が人類を管理だ!」
「何が人類を導くだ!」
「そうやって、自分の地位や立場に溺れ、驕るやつが、一番の戦争の火種だ!」
「貴様だって、シルフィの世界を戦場にして、管理される立場を強要しておいて!」
なんとも身勝手な言葉の数々に、リリィとジャックは怒りをぶつけあう。
究極系を謳っておきながら、やろうとしていた事は、過去に人間達が行ってきた事。
従わない者達は、力でねじ伏せ、正しさを無理矢理強要する。
そんなやり方を、より強固な方法で行おうとしているに過ぎない。
「何が起ころうと、人は一方的に支配される事を拒み、やがて戦いを始める!」
『家畜を管理する事と同じだ!何が悪い!?』
「その思い上がりだ!そうやって、お前達みたいに、地位と力を持った人間は、何時も調子に乗って、過激な事しか考えない!!」
「解り合う事を最初から放棄し、自分の考えが絶対だと押し付ける、反発を受けて当然だ!!」
今回もそうだ。
相手に理解してもらう事を放棄し、一方的に支配しようとする。
だからこそ、少佐達も反発する事を決めた。
どうせ理解されないと諦め、見下したが故の結果だ。
「押し付ければ反発する、それを知っておきながら、何時も同じ事をする!」
「話し合えば良かったというのに、ささいな誤解から、勝手な先入観に捕らわれる!」
刃を交えながらも、リリィとジャックの考えは一致していた。
過去から学ぶ、当然の事だというのに、何時も疎かにする人類。
そんな彼らには、嫌気が刺していた。
だが、最後の考えだけは、すれ違っていた。
「だからこそ!」
「人類は!」
「滅びなければ!」
「進まなければ!」
二人共、桜我流剣術の奥義、火之迦具土の型を取る。
ジャックは両手を合わせ、赤黒い巨大な炎の刀を作り出す。
リリィも、ガーベラのみを構え、白金の炎で刀身を燃やす。
「ならないんだよ!」
「いけないんだよ!」
烈火の如く勢いで、二人は間合いを詰め、同じ技を繰りだす。
「ウヲオオオ!!」
「ハアアアア!!」
ぶつかり合った二人の刃。
互いの炎の色が混ざり合い、二人を中心に火球が出来上がり、爆散。
そして、折れたガーベラを握るリリィと、腹部から血を流すジャックがすれ違いながら火球から出る。
「チ!」
「惜しかったな!!」
振り返りざまに、ジャックは刃をリリィへと向ける。
使い物にならないガーベラを惜しみながら捨てたリリィは、小太刀を引き抜き、その攻撃を防ぐ。
「ズッ!!」
「(外れた!)」
小太刀に阻まれたジャックのブレードは、リリィの右目を焼く。
骨格の方は頑丈だが、内部のセンサーはそうでも無い。
高出力のエーテル刃を押し付けられ、リリィの右目は完全に焼け落ちる。
その中であっても、リリィは果敢に蹴りを入れる。
「フン!」
「ガハ!」
間合いを取る事に成功したリリィは、間髪入れずにジャックへ向かう。
「まだだ、たかがメインカメラを半分やられただけだ!」
「どうかな!?」
だが、間合いを詰める前に、ジャックのブレードがリリィの首に迫る。
まだ無事な左目が、それを認識する。
小太刀では、まだジャックにダメージを与えられる距離に無い。
相打ちを覚悟で肉薄するリリィの耳に、声が入る。
「リリィ!コイツを、使え!!」
「ッ!?」
半分近く減ったリリィの視界に映ったのは、ボロボロのマリーが、先日の剣を投げる姿。
それを見たリリィは、ジャックの攻撃を、小太刀と左腕全体で防ぎ止める。
台座ごと回転しながら接近する剣に手を伸ばし、しっかりと握り締める。
「くらえ!」
「させるかぁ!!」
剣を手に取ったリリィは、ジャックへと振り下ろした。
その瞬間、剣は台座から易々と抜け、真の姿があらわとなる。
驚く暇もなく、剣はジャックのブレードと接触。
刃を構成するエーテルは、剣によってかき消され、義肢が破壊される。
「バカな!」
目を見開くジャックに、立て続けに二の太刀が打ち込まれ、腹部が切り裂かれる。
斬られた腹部と腕の金属片や鮮血の散る中、リリィは小太刀を向ける。
白金の炎を宿した刃が、ジャックの胸を貫く。
「ガハッ!!また、負けるのか、俺がッ!」
「これで、終わりだぁぁ!!」
両肩のバインダーも、背部のスラスターも。全てを最大出力で吹かし、初速から最高速度が叩き出される。
勢いよくジャックの胸を貫きながら、二人はゼウスの内部へと入り込む。




