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エルフとガイノイドの百合劇場  作者: B・T
モミジガサ編
269/343

つかの間の休息 前編

 月が昇り、町中を照らし始めた夜の事。

 町は重々しい空気と共に、何時も以上に静寂に包まれていた。

 傷で倒れた者、仲間を失った者達が、沈んだ空気を作り出している。

 防衛のために全ての戦力を導入したので、負傷兵は多い。

 だが、夜襲を警戒し、使役している魔物達の協力を得ながら、夜警の力は衰えさせていない。

 アラクネの部下である子蜘蛛達や、町の開拓の際に仲間にした狼たちが、倒れた兵士の穴を埋めている。

 そんな町から少し離れた場所。

 爆撃で開けてしまった森の一角に、ルシーラは人を集めていた。


「フム、この辺りが良さそうだ」


 丁度良い所を見つけたルシーラは、焼けた木々を魔法で吹き飛ばし、整地する。

 この場に集まったのは、ルシーラが選抜した面々。

 リリィ達は勿論、シルフィやレリア達、更には、アラクネ達も招待している。

 とにかく、リリィ達と関係の深い人物たちを、可能な限り集めた。

 イベリスとエーラ達も呼びたかったが、向こうは船の建造で忙しいらしい。


「……さて、紳士淑女の皆さんに、話すとしよう」

「……それで?話したい事とは?」


 ずっと前からはぐらかされていたリリィとしては、早い所聞いておきたい。

 そして、カルミアも忙しい所を引っ張り出されてきたので、ちょっとイライラしながら催促する。


「できれば早くしてくれよ、今のアタシはヒマじゃねぇんだよ」

「よかろう……これより、余が考えたこの物事の推測を聞かせる……推測と言っても、僅かであるが、真実に片足を入れている筈だ」


 カルミアの催促を受けたルシーラは、魔法を使用するべく、手を振り上げる。

 彼女の呼んだメンバーを、せり上げた岩で包み込む。

 岩で作り上げたドームの中で、ルシーラは別の魔法を使用。

 光魔法を応用し、城の謁見の間のような場所を、岩肌に映しだした。

 ルシーラの作った非常に滑らかな岩肌と、彼女の光魔法の精度によって、まるでバーチャル映像を見ている気分に成ってしまう。


「す、すげぇ、まるでVR空間だ」

「ええ、魔法を応用する事で、こんな事を……」


 驚く彼女達だが、更に驚愕する事も起こる。

 よく見れば、平面の映像だけでなく、椅子や調度品も、ホログラムのように映写されている。

 完全に城の謁見の間に放り出されているようだ。


「……ルシーラ、貴女一体何処でこんな技術を?」

「フム、シルフィ達に、どうが、なる物を見せられてな、方法を応用すれば、このような事もできるかと思ってな」

「(映像見ただけで)」

「(こんなバーチャル空間作り出したの!?)」


 手に腰を当てながら解説するルシーラを、アラクネやカルミアのような科学者は驚愕する。

 動画を見ただけで、更に数段上の技術を思いついたのだ。

 いや、仮に思いついたとしても、実現するのは難しい。

 魔法で行ったとは言え、これは異常すぎる。


「……とりあえず、ここは何処ですか?」

「ここは余の居城、今は朽ち果てた、旧魔王城、と言った所か」

「……これが、魔王の城……何だろう、何か身に覚えが」

「ッ、そうか、やはり……」


 映し出されているのが魔王城と聞いたキレンは、何故だか懐かしさを覚えていた。

 彼女は勇者の末裔ではあるが、この城で魔王を倒し、歴史に名を残したのは、キレンの先祖だ。

 それに、キレン自身、この魔王城へと足を踏み入れた記憶はない。

 それなのに、既視感や身に覚えを感じている彼女をみて、ルシーラは確信のような物を得た。

 話を続けるべく、ルシーラは魔王城の映像を動かし、目的の場所へと移動して行く。


「何処へ向かっているの?」

「この城の地下、宝物庫や、我が軍の実験室を設けた場所だ、そこに伝えたい事が有る」


 高速で移動しているかのように、映像が動いていき、徐々に城の地下へと向かっていく。

 慣れていない人なら、確実に酔うような移動であるが、それは数秒で終わる。

 移動した先は、棺のような物が中央に置かれた、なんとも不気味な部屋。

 部屋の壁や天井と言った全てに植物のツタのようなガラが掘られ、棺の上には、薬品のような物が入った器がぶら下がっている。

 内装だけでも不気味なのだが、薄暗いので、余計に不気味さが際立っている。

 リリィはパッと見た限りの感想を、思わずつぶやく。


「……まるで、マッドサイエンティストの人体実験場ですね」

「ま、そんなところだ」

「……あれ?リリィ、あの人って」

「え?」


 天井の容器と、その下の棺。

 この組み合わせは、まるでベッドと点滴のように、リリィには思えた。

 ルシーラが意見を肯定された後で、リリィはシルフィの指さす方を向く。

 そこには、二つの人影が有り、その内の一つは、リリィも見た事のある人物だった。


「あ、あれって」


 停止しているが、長く黒い髪をなびかせた女性と、その横にはローブを被った人物が居る。

 禍々しい鎧を着た黒髪の人物は、ルシーラ本人だ。

 マリーとリンクした際に、その姿を見た事が有るので、間違いない。

 だが、ローブの方は見た事が無い。

 顔を覗こうにも、陰で目元が隠れており、誰なのか判別ができない。


「……そうだ、まだ現役だった余……だが、問題はこの女だ……いや、今となってはコイツが女だったのか、男だったのか、それさえ曖昧だ」

「どういう事です?」

「この映像は、余の記憶を映写している……見ての通り、ぼやけて見えぬ……それに、声も覚えていないのだ」


 とても曖昧なルシーラの発言に、リリィは首を傾げたが、理由を聞いて良く解った。

 ローブの人物が、ルシーラと一緒に居る所を見ると、重要な人物という事がわかる。

 となれば、顔を合わせる機会は多かったはずだ。

 それなのに、テレビのモザイクのように、顔が隠れてしまっている。


「……この人物は、一体」

「余の参謀、そして、研究員を兼任しておった……だが、コイツの裏切りで、魔王軍は滅ぼされた……キレンよ、何か思う事は有るか?」

「いや、そんな事言われても……ッ」


 ローブの人物について話し終えた後で、キレンに話を振る。

 質問を受けたキレンは、頭痛を覚えた。

 頭の奥で眠っていた何かが、扉を突き破るように、キレンの頭を襲う。


「……僕は、いや、俺?……」

「ッ、今か」


 キレンの一人称が変わった瞬間、ルシーラは魔法を彼女にかける。

 すると今度は、キレンの頭の中が映し出される。

 その映像は、とても認識できるものではない。

 絵と絵を混ぜ込んだかのように、様々なシーンが同時に映る。

 その現象が一分程続くと、同じ場所に戻って来る。

 だが、今度は様子が違った。


 ――――――


 血と薬品の臭いがまじりあい、鼻を突くような異臭が漂う中、青年はローブの人物の後に続く。

 案内されたのは、棺の中。


「こっち」


 ローブの人物は、棺に手を指しながら、男とも女とも取れない声を発した。

 ただでさえ気味の悪い人物だというのに、ノイズのかかった声のせいで、気味の悪さが増している。

 青年が棺の中に寝転んだことを確認すると、ローブの人物は、コンソールのような物をいじり、蓋を閉めていく。

 その作業を行いながら、ローブの人物は警告のような物を唱える。


「……これは、貴方が望んだこと、私を恨まないでね……この呪いは、貴方の子孫にまで影響を及ぼす物だから」


 言い終えると同時に、棺の蓋が閉じる。

 棺の中に、天上の薬品が流し込まれ、棺の中がいっぱいになるまで注がれる。

 長さだけでも、二メートルは有る大きな棺は、薬品で満たされ、青年はその中に閉じ込められた。

 やはり息ができないのか、青年は棺の中でもがき出す。

 苦しむ青年を置いて、ローブの人物は部屋を後にする。


「……苦しいようだけど、その苦しみの果てに、貴方が望む物がある……でも、耐え切れなければ、貴方もその液体と一体化するのみ」


 ――――――


 ドームに映し出されたキレンの記憶は、青年が棺を出るまで続いた。

 時間にして、三日以上閉じ込められた青年は、棺を破壊して脱出する。

 その際、満たされていた薬品は、青年の身体に付着する物以外、無くなっていた。

 茶色から白へと変わった髪をたくし上げた青年は、自分の両腕に視線を移す。

 何かを掴み取った、あるいは、何かを得た事を察したようにほほ笑む。

 そして、大きく呼吸し、外の空気を吸い込んだ青年が雄叫びを上げたところで、映像は終了した。


「……はぁ、はぁ……今のは、僕の、記憶?」

「厳密にいえば、貴様の先祖の記憶だ……」

「何故彼女に先祖の記憶が?」

「あの薬品の影響だ、あれのせいで、そいつの一族の身体は、いや、血が呪われた」


 憤りの籠った表情で、ルシーラはキレンの一族に何が起きたのかを簡潔に説明した。

 身体ではなく、血が呪われた。

 よくわからないルシーラの発言だったが、キレンだけは納得できたようだった。


「……僕の身体が、呪われている、か」

「どういう事だ?」

「……あの薬品は、投与され、負荷に耐えきった者に、強靭な肉体と精神を与える……その効果は、そいつの子孫にも及ぶものだ」

「字面だけ聞いたら祝福に聞こえるのですが」


 リリィの発言に、ルシーラは首を横に振った。

 いい物のように聞こえるが、デメリットも存在する。


「その分、寿命は大きく減る、生きれて精々三十年かそこらだ……それに、当時の勇者の奴は、たった数人のパーティで、余の魔王軍を壊滅させた、そんな奴を人間どもが野放しにすると思うか?」


 デメリットに関する事を、ベラベラと話したルシーラだが、聞いていた面々は恐る恐るキレンの方を向く。

 何しろ、寿命が三十年しかないとカミングアウトされたのだ。

 今の彼女は、大体二十代前半と言った所。

 余命が十年以内と知れば、誰だってショックを受ける。

 だが、キレンは全てを諦めたような表情で、笑みを浮かべていた。


「……僕の父も、確かに三十歳くらいで死んだ、それに、僕の家は、この大陸の三国が合同で監視していたし、僕に無茶な魔物討伐の仕事を押し付けて、自由を抑制していた……あいつ等にとっての勇者像を押し付けられる生活に辟易して、僕はダンジョンに身を隠したのさ」

「……み、身内がごめんなさい、多分それやってたの私のおじいちゃんね」


 キレンの言葉に、レリアは心当たりが有った。

 今は亡きレリアの祖父が、勇者がどうのと言っていた記憶が有る。

 彼女が失踪した事に関する文句が、彼女の脳裏をよぎった。


「良いよ……けどムカつく、あのクソジジイ」

「……ご、ごめんなさい」


 相当嫌っているのか、キレンはかなり不機嫌な表情を浮かべた。

 自分の祖父をクソジジィ呼びした事なんて、気にならないレベルの罪悪感が、レリアを襲い、深々と頭を下げてしまう。

 と言うようなやり取りを横目に、リリィは本題へ戻そうとする。


「それで?貴女が言いたい事は、それだけですか?」

「ウム、勇者の件について、もう一つあるが、本題へ戻ろう……この戦いの黒幕について、余の考えを聞いて欲しい」

「黒幕?」


 ルシーラの言っている意味が解らなかった。

 この戦いの黒幕は、紛れもなく連邦政府その物。

 その事はルシーラにも伝えているので、黒幕については解り切っている筈だ。

 それなのに、真剣な表情で黒幕を語ろうとしている。


「え、えっと、連邦の人たちが、黒幕、だよね?」

「ええ、そうです」

「いや、余の考えでは、奴らは踊らされている人形だ……本人たちも気付かぬうちに、余の考える黒幕の手足となってしまっておるのだろうと考えている」

「……どういう事だ?」


 カルミアの発言の後で、ルシーラはドームの映像を切る。

 代わりに薄暗く明かりを灯し、ドームの中央に、先ほどのローブの人物を映し出す。

 色あせた茶色いローブを被った人物の立体映像。

 しかも、相変わらず顔がぼやけてよく見えていない。


「余の考える黒幕はコイツだ……イリスの姫の側近の着る鎧、そして余の扱う武具は、こ奴が作った物……そして、同じ事を言った者が、もう一人おる、そうであろう?イリスの姫よ」

「……ええ、ルドベキア、アイツが、この鎧を作ったと言っていたわ」


 二人の言葉で、ドーム内がざわついた。

 中でも、一番驚いていたのは、シルフィとスノウ。

 自分たちの住んでいた里の長が、この戦いの黒幕だと聞かされたのだ。

 信じられない事だが、そう思える材料はいくつかある。

 里の奥にあったコンピューターの存在や、自分の里を滅ぼした経緯。

 結びつける要因はいくつも有る。


「……そんな、確かに十年くらい里開ける事も有ったし、私の記憶いじったり、里の地下が異空間になってたりしてたけど……まさか、そんな……」

「おい!何故そんなに材料をそろえておいて気付かぬ!?気付く要素いくつも有るではないか!」

「あ、いや、流石に私達の世界の出身だし、関係ないかと……」

「……はぁ、そうであったな……伝えておくのを忘れていた……リリィよ、海中で遮られた話、覚えておるか?」

「海中……」


 ため息交じりに発せられた言葉に、リリィは記憶を探る。

 ライラックへ乗艦する直前、マリーに遮られてしまった話。

 あの時、ルシーラは異世界と言う言葉に反応を見せていた。


「……そう言えば、異世界がどうたら、とか言っていましたね……まさか、コイツもそうだと言いたいのですか?」

「ああ、奴は異世界かた来たと、自ら言っておった……お主たちの世界におらんかったか?異様なまでに突出した技術を持つ者を、そして、科学技術を発展させてきたお主たちに、だれが魔法の技術を与えたのか」


 この話を聞いていたリリィの世界の住民達は、一斉に一人の人物を思い出した。

 マリーとスノウと同じく、金色の髪を持ったエルフ。

 ヴィルへルミネ。

 元ナーダの研究者で、エーテルに関する技術は、彼女がもたらした物だ。

 それだけではない、惑星間移動や、転移に関する技術も、彼女の研究を解析した結果だ。

 だが、この仮説にカルミアは反論する。


「なら、ジャックが殺したアイツは誰だ?DNA鑑定によれば、アイツはヴィルへルミネ本人だった、お前の言うルドベキアとヴィルへルミネは別人としか考えられない」


 そう、ヴィルへルミネはジャックの手で殺されている。

 彼女の手によって、首を切られ、頭部を破壊され、身体は完全に焼かれている。

 生きていた、何てことは無いように、入念にその命を奪い切った。

 生きている筈が無いが、リリィはルシーラの考えに賛成していた。


「……ですが、あの人の性格を考えてみてください」

「性格?」

「あの人は、クラウス以上のクズですよ、自身の完全なクローンを作りだして、影武者にしていても、おかしくありません」

「……そうだな、あのクソなら、やりかねない」


 リリィの言葉で、カルミアは思い出した。

 ヴィルへルミネは、クラウス以上に人格が破綻した人物。

 彼女の実験で、何人もの人間が死んだ。

 思いつく限りの人体実験の末に、今の技術を作り出したのだ。


「だが、奴はどうやってこの世界とアタシらの世界を行き来した?アタシらでも空間転移に関する技術を確立したのは、最近の事だぞ?」

「……それなんですよね」

「……それ、二十四年前からあるわよね?」

「え?」


 リリィとカルミアの疑問に答えたのは、アラクネだった。

 二十年程前、アラクネは元の世界からこの世界へと移動した。

 その手段を、リリィとシルフィは思い出す。


「……そう言えば、アラクネさんがここに来たのは、トラックにはねられてとか何とか」

「……そうです、二十四年前に彼女の研究所の一つが、大尉たちに潰されました……まさか、その時に接収された物が……曹長!」

「……ああ、ジャックがここに来るときに使ったのも、そいつの言うトラックを改修した物だ……解析する時間が無くて、倉庫でホコリをかぶせていたようだが……」


 思いつきではあったが、七美も肯定してくれた。

 ジャックがここに来る際に使用した転移装置と、アラクネが転移した装置。

 この二つは同じ物。

 これを使用する事で、二人はこの世界へと転移した。

 何でトラックにしたのかは置いておき、真実に近づいている気がした。

 調べる事が出来れば、ルシーラの仮説は立証できる。


「その転移装置は、今どこに?」

「……さぁな、ベース224に保管されいたようだが、今となってはどうなっているか」

「ッ……ストレンジャーズの人たちが逃げ込むとすれば、その基地ですよね、襲撃を受けていたとすれば……」

「ああ、破壊されている可能性も有る……」

「……お父さんがここに来たのは?」

「え?」

「お父さんが、ここに来た時の物は?」


 証拠が消失している可能性に落胆するリリィ達だったが、シルフィの発言に顔色を変える。

 考えてもみれば、シルフィの親であるジェニーも、転移した存在だ。

 しかも、彼女もヴィルへルミネの研究所を襲撃している。

 研究データの奪取の任務を受けた彼女は、研究所での事故で、この世界へ転移した。

 アラクネの時と毛色は違うが、確かにこの世界へ転移した事に変わりは無い。

 状況証拠だけであるが、二つの世界を行き来できる技術は、ヴィルへルミネは持っていた事に成る。


「……もしも、彼女がそのトラック以外の方法を用意していたとしたら」

「……そう言う事、なのだろう……ルドベキアと、ヴィルへルミネという者は、同一人物である可能性が高くなったな」


 リリィの言葉に、ルシーラは続いた。

 この話をまとめると、ヴィルへルミネの作ったと思われる転移装置で、みんなこの世界へと移動した。

 その内二回は、故意ではなく事故でこの世界へと渡った。

 しかも、空間転移と言う現実味の無い技術を、三度も成功させた。

 偶然とは思えない。


「……リリィよ」

「何です?」

「仮に、こ奴が黒幕だとしたら、連邦との戦いの最後、お主にとっての魔王が立ちふさがるだろう」

「魔王?」

「ああ、奴が求めるのは、勇者と魔王だとすればな……この世界は、奴の用意した、チェスの盤上、そして我々は、そのコマでしかない……奴は、互いの陣営のクイーン同士をぶつけるように、手を打つだろう」

「……解りました、覚悟はしておきますが、何故私なのです?」

「……なに、そんな気がするのだ」


 首を傾げるリリィに、ルシーラはそう言った。

 だが、ちゃんとした理由もある。

 リリィのデュアル・ドライヴと言う、特別な力。

 そして、進化の途中であるシルフィが、彼女のそばに居る。

 ルシーラの側近だった、ローブの人物の好きそうな組み合わせなのだ。


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