気合十分
あけましておめでとうございます。そして、お久しぶりです。
長らくお待たせしてしまって申し訳ありませんm(_ _)m
大学受験のため2ヶ月ほど連載を休止しておりました。
受験に向けての休止期間でしたが、自分が小説を書くにあたってのことを見直すことができた良い充電期間にもなりました。
年も開けたということで、心機一転頑張っていきたいと思います!!
あっ、ちなみに大学は合格しました٭❀*
1時間目。
校内アナウンスの指示に従い体育館に集められた全校児童。
楽しい楽しいお楽しみ会のプロローグのような役割として、体育館で児童全員にお楽しみ会のルール説明とそれに伴う諸注意を校長先生が執り行っていた。
普通ならこれから行われる行事にウキウキ気分の児童たちは、今か今かと目をキラキラさせているのだろうが、今この場はそのような明るい雰囲気の場所ではなかった。
「えー、その時私はですね。えー、同級生で幼馴染の智子さんと――」
25分間。
これは、俺たち児童が校長先生の無駄話に付き合わされている時間である。
最初の3分間はただただ事務的な注意事項等々を述べていたのだが、それがどう転じてか校長先生の思い出話に切り替わり、25分経過した今現在は話が転がりすぎて校長先生の初恋話になっている。
その何の得もない非生産的な話に、児童全員がげんなりとし、中には退屈から眠りこける者まで出てきた次第だ。
俺も例に漏れず無駄話に嫌気を指しており、校長の「えー」という感嘆詞でノイローゼを引き起こしてしまいそうだ。
先ほどまで全く乗り気ではなかったお楽しみ会だが、今ではそれが待ち遠しくて仕方ない。というか誰かあの校長を止めてくれ!
しかしその願いも虚しく、学校内最高権力を誇る校長を止められるものは誰もおらず、校長の気が済むまで話は続いた。
「えー、以上で話を終わります」
ようやく告げられた締めの言葉を聞いた頃には、児童全員がげんなりしていた。
あれだけ行事を楽しみにしていた児童をこんなに盛り下がらせることが出来るなんて、校長はある意味天才かもしれない。
見事に盛り下がったところで校長は降壇して、進行の先生がマイクを握る。
「そ、それじゃあこれからお楽しみ会の優勝賞品を紹介したいと思います!」
何とか凍りついた場の空気を取り戻そうと、明るいトーンで児童が食いつきそうな話題を振る。
もしかしたら、プログラムにはないことを教師らの急遽アドリブで割り込ませたのだろうか。
その効果もあってか、盛り下がっていた児童らも耳をピクリと動かして反応した。
優勝という甘美な響きと、賞品という魅惑に満ちた単語。
これに反応しない小学生などいない。
校長のせいで冷めきった空気も、児童の期待と高揚で再熱する。
もしこれが本当にアドリブなら、教師らは実にいい仕事をした。
俺も実際、優勝賞品というのは少々気になる。
まあ所詮小学生の催し物だし、賞品もきっと子供向けのものなのだろう。
適度な期待だけを胸に、高を括って俺もその賞品発表を待つ。
「なんと優勝賞品は、…………中学進学に向けての教材一式です! これさえあれば、中学生活も安心ですよ!」
「「「……」」」
再び沈黙が訪れる。
またしても盛り下がった。当然のリアクションである。
所詮は学校の催し物の景品だ。勉強に絡んだ品であるのは至極真っ当である。
だがしかし、オモチャやゲームが大好きで勉強などに微塵も興味のない児童らにとって、その賞品は考え得る中で最もいらないモノだった。
キャラ物の文房具セット、とかならまだしも、教材テキストでしかも中学生のものとなると、全く以て彼らは興味を示すことができない。
校長の長話を取り返すはずが、追い討ちをかける結果になってしまったのだ。
そのため、児童全員のテンションは下がる。
……ただ1人を除いては。
「(ほ、……欲しいッ!! なにあれめっちゃ欲しいんだが!!)」
中身が28歳の児童もどき。つまり俺だ。
現在中学生の勉強に注力している俺にとって、それは喉から手が出るほど欲しいものだ。
夏休みに買ったテキストが埋まってきており、新しいテキストの購入を検討していた時に、見計らったように出てきた賞品。
しかも国数理英社と五教科全て揃っているし、厚さも申し分ない。
あれ一式あれば一年間は勉強テキストに困らないぞ!
周囲と反比例し、俺だけ熱く盛り上がっていた。
乗り気でなかった自分が嘘のように、今では活力に満ち満ちている。
「(子供騙し上等! こちとら体は小学一年生なのだ! 教師らの術中に嵌ってお楽しみ会を全力で取り組んでやろうじゃないか!!)」
メラメラとやる気に燃え上がり、お楽しみ会へ意気込んでいた。
1年ほど前に書いた短編を上げます。
もし良かったら見てください!




