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猫になりたい女の子  作者: はんぺん
3/3

部活

「しゃああああああああ!」

体育館に入った途端、怒鳴り声が聞こえてきた。


うちの学校は卓球女子が少ないため、卓球部は男女合同である。今現在の部員数18人、うち女子2人。


だが、少女漫画でよくある逆ハーレム状態ではない事は理解してほしい。部活としては強い方だが、恋愛からは一番遠い。みーーんな卓球バカ。


「おはよー今日どの台使う?」

ラケットのフィルムを剥がしながら、ステージ上に座っている優に話しかける。


体育館で部活しているため、バレー部と共有で使っている。ステージ側半分が卓球部スペースで、もう半分がバレー部スペース。


そして優は卓球部のもう一人の女の子。身長が高く、黒髪のショートヘア、すっと通った鼻筋に切長の目をもつただのイケメン。卓球部のビジュ担当だ。


「一番向こうの台。ボールに気をつけよう。」

バレー部に一番近い台ではバレー部のボールも卓球の球もよくお互いの領域に入ってしまう。一応ネットは張ってあるが、ないようなもんだ。

危ないから俺らがその台使おう、という考えはうちの卓球男子達にはないようである。


「分かった。カット練習したいからしばらく付き合ってもらうかも。」

「了解」

ステージから身軽に降り、軽い足取りで台に向かう優の後を小走りでついていく。


スタイルいいなぁ…


そう考えながら進んでいたらどこからか悲鳴が聞こえてきた。


あ、そういえば今日は女子バレー部が使ってるんだっけ……


ベシィーーン!!!ベン!!!!


破裂音とともにおでこが熱くなった。そして間隔を空けずに手のひらも熱くなる。どうやらボールが当たったようだ。


「すみませーん!大丈夫ですか!?」

女バレの一人が走ってきた。耳に刺すような高い声と共に。私はというとボールがおでこに当たり、その衝撃で後ろに片手ついてお尻が浮いた状態。下手くそなブリッジ状態だ。


うわぁやらかした。


自分の受け身の姿勢に恥ずかしくなり、顔が赤くなる。みんなの目線が、、ここにっ、、、、


「大丈夫!?歩ける?保健室まで連れてこうか?」


多くの目線と羞恥心のせいで固まった私に声をかけてくれた。優、流石、ボケーっと口開けて驚いてるうちの卓球男子より100倍イケメンだわ。


「大丈夫!冷やしてすぐ戻るから、サーブしてて。」

おでこに当たったボールを走った女バレの子に渡しながら優に笑いかけた。


おでこを守りながらバレー部の横を通り抜け、体育館を出た。保健室まで少し遠いけどすぐ戻ろう。


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