表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫になりたい女の子  作者: はんぺん
2/3

更衣室

前後に1つずつリュックを背負いながら、トコトコと更衣室に向かう。


教室で長い時間残ってたからか、廊下には誰もいなかった。窓の外からは微かに下校中の生徒の笑い声と運動部の怒鳴り声が聞こえてくる。


「っしょ」

更衣室に入って直ぐにリュックを地面に下ろした。


薄暗い更衣室はあまり人気がなく、トイレで着替える子の方が多い。だが私と花は不人気ゆえの静けさを気に入り、愛用している。ここには沢山のロッカーとベンチが一つだけ、申し訳程度に壁際に置かれていた。


そのベンチに腰掛け、ロッカーについてある番号を見つめながら花を待っていたら、更衣室の扉がバンッ!と開いた。


そこから女の子が1人、片手にコーラとお茶、もう片手を膝に置いて肩で息をしながら現れた。


「お、お待たせ!はいコーラ!150円ねっ!」

「............ん」

そう答えながら、近づいてきた花の手に小銭を押し込んだ。空気が止まる。


あ、反応間違えたかも。


「へぇ〜。冷たいじゃん。リュック持たせたこと怒った?私も飲み物買ってきたんだからいいじゃん。椎菜ファンが見たら幻滅だろうなぁ」

声がワントーン低くなった。素の花だ。怒ってるのか?だが声から怒りは感じない。


「そっちこそ、わがまま毒舌見られたらやばいんじゃん?」

いつからか、気を許したと思っていた友達の感情も読むようになっていた。


「.....お互い様だねっ♡」


語尾にハートがついているのは気のせいかもしれないが、花は甘い声で答えながらポンと私の背中を叩いた。

やはり、今日は機嫌がよさそうだ。


それから私たちはダラダラと着替えながら授業の愚痴や問題について語り、花はバトン部、私は卓球部へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ