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プロローグ
小さな頃から仲の良い兄妹だねと言われてきた。
いつも二人で遊んで、
喧嘩して、
仲直りして、
そうやって過ごしてきた。
少しずつ歳を重ねていくたびに、
自分のとある気持ちに気が付き始める。
それはいけない事だ。
それは許されない事だ。
きっと誰にも理解されることは無い。
吐き出すことの出来ないその気持ちは次第に大きくなり、
胸を締め付ける。
これから一生、
自分の気持ちに嘘をついて、
誤魔化して生きていくのだと、
そう思っていた。