1話 人狩逝かれました
こちらの作品は過去に出したムーンのアトリエhttp://nk.syosetu.com/n2475en/ から分離し、作品ごとに分けたものです。マイペースに連載していきますのでお願いいたします。
「おい、なんで死んだんだよ。!!」
静寂な葬式の会場で、青年は叫んでいた。
「今日発売するアニ狩アニマルハンターをやる約束をしてたじゃないか!幼稚園から一緒に馬鹿やってたじゃないか...俺より先に逝くなんて。」
青年は涙組ながらとんでもない話を続ける。
「お前は女性を縛ろうとする妄想をよく話していたよな。俺は全く賛同できないけどな。」
「六連君むつら、やめないか!」
そう言われると始めて周りを見たとき静寂な空間で冷ややかな目で見られていることに気づいた。
俺はいたたまれなくて急ぎ足で葬式会場を後にした。
「明人を忘れないためにアニ狩をあいつの分を含め買いにいくか。」
俺はこの時動揺しすぎて、正常な判断が出来ていなかったのかもしれない。
「店がしまっちまう、早く逝かないと。」
俺はヘルメットをする時間も惜しむほどバイクで急いでいた。
ヘルメットなんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのですよ。
「70キロか、もうちょいだせるか?見えた!間に合え~!!」
※まだ余裕で間に合います。
その時、逆走してくる痛車とそれを追いかける赤いランプが見えてきた。
「嘘だといってよ!?痛車!」
案の定止まれるはずもなく俺は衝突した。
その車はアニソンを爆音でならしていた。
薄れゆく意識の中俺は呟いていた。
「だから....止まるんじゃ...」
そして意識を失った。
「力尽きました。」
「うん?誰か死んだな...」
本棚がたくさんある審判の間で明人を転生させたガブリエルは呟いていた。
「どれどれ本はこれか、こいつ死ぬ前に違反し過ぎてるな。特典はランダムでいいだろ。この前の明人と同じ世界の出身で知り合いか。一緒の世界ににしておくか。運がよけりゃ会えるだろ。頑張れよ!」
「特典がランダムになりました。異世界に転生されます。」
「ニャ、ニャニャ...ニャー(ううん...ここはどこだ暗いぞ?)」
目の前が真っ暗の中、目覚めた俺は息苦しく感じ、もがきはじめる。
「ニャニャニャ、ニャー!!(土の臭いがする。俺は埋められてるのか?俺はまだ死んでない!!)」
そう叫びながら、無我夢中に足掻いていると俺は土の中から出てきた。
「ニャー!(出れた!)」
土からでると息苦しさが解消され新鮮な森の空気を吸い込んでいた。
「ニャニャニャーニャーにゃあ...(空気ウマー!!都会がいかによどんでいたか、よくわかるぜ。たがここはどこだ?俺は死んだはずじゃ...)」
さっきからにゃあにゃあうるせーな誰だよ?それより木がすごくでかいぞ。木が巨人の世界?進撃はしてこないよな?
木の間から差し込む木漏れ日に合わせて手をかざすと黒々とした丸っこい手が見えた。
「にゃあ?ニャ?にぇあ?ニャー!!(えっ手が丸い?猫の手?孫の手?俺の手!!)」
目を覚ますと俺は猫になっていたみたいだ。体?毛並みは黒色で尻尾はオレンジ色で炎のように燃えてるように見えた。
今の俺はなんなんだ?猫なのか?
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名前:六連むつら 慶紀けいき
種族:猫?
スキル:地中移動、鑑定、二足歩行
状態 普通
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何か情報が頭に流れてくる。スキルとかあるな?ファンタジーそのものだなこれ。
異世界転生だとは思うが、ハード過ぎやしないだろうか。
猫?でスキルがさっき土に潜ってたせいか地中移動と鑑定、二足歩行の3つだけて非戦闘スキル過ぎて戦えないだろ!!
「ニャ、ニャにゃ~(どこの採取専門のお手伝い猫だよ...泣けてくる。)」
俺はそんなことをぼやきながらふとある存在を思い出す。
明人はこっちに来ているのかね~?死んだはずなのに猫として生きているのだから、明人もこっちにいるかもな。明人を目標で探してみるか。
「にゃにゃー!(さていきますか!)」
大きく声をあげた猫?は明人を探す旅へと走り出した。
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