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異世界から帰って余裕をぶっこいていた男

作者: 盾島幹雄

ミッドの方で書いた続編に行き詰まり、短編でざっくり書いてやろうと思い投稿。


バツイチ35歳しがない職人工、良く分からない内に、異世界を約10日間程、夢旅行した。


気がつけば日本の病院と言う、夢オチだった。


異世界では、自殺しようとしていた15歳の少年の身体を乗っ取り、少年の身体で多少無双してきただけだ。約10日間程、モンスターが蔓延る山の中を彷徨うだけの体験だった。


少年から大人に変る多感な時代を、大人な俺が、他人に成り代わりやるだけやったと思う。


大きい獲物を狩る快感、生死を分けるようなヒリついた緊張を、忘れられないでいた。


 夢が覚めた後は、最悪の現実が待っていた訳だが、リハビリや検査を含め、20日間程度入院した後、職場復帰を果たしたが自殺未遂扱いをされて、自分の過去が明るみになっていた。


親のコネで就職した職場だったが、4ヶ月後、自主退社した。



 夢オチだと思っていたが、身体が若返った事実、夢の中程ではないが、超現象を起こせる事実に打ち震えたのだが、喜びと同時に、もう一度、あの世界に飛ばされるかも知れない恐怖に苛まれた。


 毎朝、ランニングを初め、少しでも能力を高めようと自分を鍛え上げる事しか、内から来る恐怖に立ち向かえなくなっていた。


 勤めていた会社の機械で許可なく剣を自作、超精密に計算された、剣を作製してしまった。


 約1億円以上の機械を何台も無許可で使えば、いくら曽祖父が起こした会社の子孫でも、従兄弟の社長に、辞めてって言われるのは、分かる。


 仕方が無い。


 日本刀のように軽くて斬れるのは出来なかったけど、耐久力のある納得できる物は作れた。

形状は、日本刀に近い、だけど、日本刀とは呼びたくないし、別物だ。

片刃で反りのある重量が5キロの、重い両手剣。

 

 完全完璧に銃刀法違反。


 全長100cmで70cmの刃渡り、剣先から、ツカ頭まで、ミクロン単位での精密加工。


熱間鍛造と、冷間鍛造の組み合わせて形成された日本刀を模した作りなのだが、持ち手まで一体成型の億単位の機械が無いと砥げないバカ仕様。軟鉄は、99純鉄、芯鋼には、タングステンベースの超合金。


まさに、電子制御の傑物。


重心は、ツバ上に設定し、操作性は良い。もちろん、異常な身体能力があってこそだけど。


 剣を握る部分の芯は、剣と一体型。


普通の刀は、刃とツカは、分かれているのだが、コイツは一体型。


 パリィをするだけでアウトになると思われる駄作だが、魔力で覆う事を考えると、コレが正解だと思われた。


 鞘は、硬質アルミで裏と表に機械で削って、溶接した。特殊な加工をしてあり、特殊な工具が無いと抜けないようにしてある。


 この強力な鞘があるので、持ち歩かなければ、銃刀法違反では無い。


 仕事の合間合間、夜作業で、主に機械作業だと言うのに3ヶ月も掛かった。


異世界と現実世界のギャップに苦しむ、ストレスを解消してくれて、作業が楽しくて仕方が無かった。


 帰還後、平均睡眠時間は、1時間半。後、夜目が利くので、真っ暗の中で作業も出来た。


 防犯装置に見つけれるようなヘマはしてなかったのだけどね。


 社長は、始末書でいいよって言ってくれたが、自分から辞めたんだ。


 

買える物は全て買う。


コンパウンドボー、威力があるが、嵩張る


拳銃が欲しいのだが、日本では、そうそう買えないから保留。


 俺は、またあの世界に戻るのだろうと予想し、色々、対策していた、それが楽しかった。


金は、持っていた、余ったら金は、金の板に変える。


 元々剣道をしていた事もあり、道場にも通った。古武道、総合格闘技のジムにも通ったのだが、異常な身体能力を隠すのに苦労した。






 あれ?

 あれ?




 って思ったのは、45歳になった時だった。


 そう10年経ったが、異世界には行けなかった。


 俺には、確かに魔力がある。


 収納魔法も使える。


 身体能力もある、そして今も鍛えている。


 猟師としての修行もしている。


 武術の研鑽もしている。


 うん、この世界には、魔物は居ない。


 冒険者ギルドもない。


 貯金ももうない。


 幾ら歳の割りには異常に若い身体だとは、言っても、今更、格闘技界デビューは出来ないと思う。


 一生を中二病で終わらすのか、、、、


  現在、とび職をしながら全国のマタギさんの間で飛び回っているような生活。


 

 そんな時に、親父が、亡くなった。


 会った事のない黒肌の義母と、兄弟の写真と、メッセージ。


 それが日本人家族なら他の感情が起こるかもしれないが、ナイジェリア人で、ナイジェリアから送られて来たら、へぇ~親父もやるね~ってしか思えなかった。


 一度、ナイジェリアにおいでって言われてもね。なんて言えばいいかわからない。


 遺産相続の権利は、放棄するよ、って思っていたら、後日、公式証書の遺言があったらしく弁護士がやってきた。


十五年も前から、ナイジェリア人だった親父、日本の銀行にある貯金、三百万円が手に入った。


 俺の結婚式費用らしい、ウン億と動かしていた割にはササヤカな遺産相続だが、無いと思っていたので嬉しかった。


 それだけではなかった、関西のとある田舎に俺の知らない家があった、その弁護士と行った。


 あばら家やん。屋根に花が咲いている。


 よく言えば古民家?いや、山小屋。


 住めるように修繕するのは、苦労しそうだ。


 弁護士は、中身を見ないまま、鍵を置いて帰ってしまった。



 無駄かもしれない、格闘術などの研鑽は、もうやめた。


 猟友会にも、あまり顔を出さなくなった。



 時間があれば、家いじり。


 家を自力で修繕していくのは、楽しかった。


 古いステレオコンポからは、LPの高音質の音が流れている。有名な70年代の女性シンガーの声が響く。


 田舎は、足が無いと生活できないので、軽トラを買い、雪に耐えれる強度の屋根付きのガレージを作った。


 異世界に戻るって思っていたが、ないのかも?


 あ~どこかで抽選みたいなのがあって落選したのかも。



 田舎って言うのは、仕事は幾らでもある。大きな現金収入にはならないが。



 高齢化社会が進んだ日本、もうオワコンじゃね。


 日本の大半の人が自覚している。


 逆に世界は、人口増加で、水不足、食料不足。


 日本は、人口減少、若者不足、特に男性の人口が減少。


 男の子を跡継ぎに、って言う古い考え方が無くなったからとも言えるが、神様の悪戯なのか、世界中で、男子が生まれる確立が減っているようだ。


  美男子が増えてる。


 女性化してるとも言える。


 


  田舎は天国さ。


 いいぞぉ~無垢な女の子から、都会に疲れて住み着いた30代の巨乳。東南アジアからやってくる、20代の女性。超絶テクニックの40代の後家さんとかね。


 おっさん達も、猪の解体から、稲の育て方まで、教えてくれる。


 水は美味いし、飯も美味い。


 だが、そんな天国は、長く続かない。


 いつのまにか、大規模な戦争が始まっていて、俺のような稀人は、集められているらしい。


 異世界に行き方は様々みたいだ、転生、留学、乗っ取りなどなど、やはり、俺だけが異世界に行けた訳じゃなくて、結構いてるらしい。


 あと、俺の製作した剣のデータは、しっかりと会社に残っていたらしく、あの会社の主力商品らしい。


 異世界留学希望者が増え、異世界帰国者が作った剣って事で盛り上がっているらしい。


 90のお爺さんが、思いっきり若返ったりしている。


 異世界に行く時の準備するものに入っているらしい。


 未だにどうやって行くのかは、分からないらしいが、サバイバル塾、剣道、空手などの格闘技、ダンス、歌、乗馬などのスクールには、子供から老人まで大盛況で、農業関係のスクール、工場関係のスクールも人気が高いらしい。


 世界は、ノーガードの打ち合いになる事になった。


 核爆弾のような魔法を、テレポートして来てぶっ放し、即、離脱なんて事もありえる。


 科学技術も影響を受け、科学の常識が揺らぎ、破壊され、再生されている途中だ。


 異世界経験者は、世界中に居て、世界中で事件を起こしている。


 俺は、広範囲魔法攻撃みたいな物は使えないし、どうみても、モブキャラ。


 がっつり、魔王や、ドラゴンを倒したような勇者と、約10日間行っただけの俺と比べないで欲しい。


 そういえば、異世界に行った時に神託の儀で、≪15年後に備えよ≫って言う啓示があったな~。


 まさか、こっちの世界の事だとは、思わなかったよ。


 やべーわ、もうないって思っていたのにな。


  なげーーよ。15年って。。


 老人ばっか、弱そうな男性が多い国、宗教感がなく、神の存在を認めにくい国民、飲める淡水が豊富、経済的にも邪魔、アメリカの弱体化もあり。そりゃ攻めてくるよね。


 勝機が無い訳じゃないだろうけど。


 これから、俺、どうなるんだろう。


 今までが余裕だっただけにな。


 


 昼過ぎ、黒塗りの車が俺のあばら家の前に止まった。


 分かり易いよな、逃げる訳には、行かないよ。


 だってさ、村総出で、見送りに来るんだもの。。昭和かよ。


 なんだよ、敬礼なんてしねーよ。


  すんのかよ。。 流れだよ。


  

  村のみんなは、車が見えなくなるまで、手を振っていた。


 俺は、車が動き出すと同時に注射を打たれ、朦朧としながら、其れを見ていた。


  


今度こそ、プロットどおりに、、、


終着点は、書いた。


ここにたどり着くはず・・

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