子供舐めるな
3XXX年。6月3日。Energy総本部。霜田「おーい、笠木はいないのか?」
笠木「何ですか?出かける準備してるので、部屋から出れないんですけど。」
霜田「そうか。間に合うのか?」
笠木「そりゃもちろん。準備って言っても、後は彼らの情報を記載してる資料を荷物に入れるだけですから」
霜田「そうか。じゃあ、彼らの引き取り任務頼むぞ。」
笠木「ええ、任してください。」「うし、準備完了。じゃ、行ってきます。」
霜田「気をつけてな」
笠木「大丈夫ですよ。」
霜田「・・・少し、心配だな」
女性職員「笠木さんに任したのに信用してないんですか?」
霜田「信用はしてる。」
女性職員「なら別に大丈夫じゃないですか。」
霜田「だといいがな。あの資料に書かれていたことあれが本当なら一人厄介なのがいる。」
女性職員「厄介なの?」
霜田「ああ。まあ、ここで話しても変わらない。笠木にすべてを任したんだ。信じるとするか。」
女性職員「ええ。信じましょう。」
都内から約60キロ離れた孤島。笠木「さて、子供たちはどこかな?」
笠木は孤島を歩いて子供達を捜し始めた。すると、程なくして泣いている子供数人を見つけた。
笠木「(泣いてる。)話には聞いちゃいたが、そんなに酷いことをされてきたってのか。よし、いっちょ笑わせてやるか」
そう意気込むと、子供達のそばに寄り呼びかけと同時に変顔を見せた。気づいた子供が駆け寄ったとき、笠木は気づいた。子供たちが泣いている理由を、同い年の子が二人と大人一人が死んでいた。駆け寄った子供たちは死んだ彼らを囲むように座り大声で泣いていたのだ。
笠木に駆け寄った子供達は、「助けて。助けて。」という子もいれば、「あの二人を生き返らせて」と意見が全く違っていた。ただ共通していたのは、泣いていることと大人のほうは触れないことだけだった。
笠木ははじめこそあたふたしたものの、一呼吸おき落ち着いてから、子供たちに話し始めた。
笠木「分かった。助ける。ただ死んじゃった人は生き返すことはできない。ゴメンな。それと、君たちのお友達みんな助けるから、居場所教えてくれない?もう一つあの大人は、死んじゃった子が殺ったのかな?」
子供「助けてくれるなら、私たちが集まる場所に案内する。でも、みんながそこにたどり着くかはわからない。それと、大人をやったのは私たちの中でも一番強いトモって子だよ。」
笠木「トモ?」
子供「うん。トモは風切の使い手。普段から大人の人に怪我させてた。
笠木「へーー。トモねぇ。」
笠木「わかった。じゃあ、合流場所行ってみようか?」
子供「うん。」
子供達と一緒に、合流場所に着いた笠木は唖然とした。そこには、大人が十数名と子供一人が睨み合っていたのだ。
ただ、睨みつけてる子供の後ろに怯えてる子供が数名がいた。
だが、笠木が唖然とした理由はそこではない。なぜなら、にらみ合ったる中間に大人の死体が3っつ転がっているのだから。
笠木は思った。笠木「(睨んでる彼が独りで殺ったのか?だとしたら凄いことだ。)」
両者に声をかけようと近づき出したとたん、大人の一人がウッと苦しそうな声を出した。笠木が声の方向に目をやった時、別の子供が背中に剣を突き刺していた。
それを見て不敵に笑った子供が、いきなり大人に襲いかかり子供二人で、大人十数名を撃退していた。
笠木は呆気にとられていた。
睨んでいる子・背中から襲いかかった子「ガキだからって舐めるな。」
笠木「何だ今の?目の前で起こったのは何だったんだ?子供が大人に対して背後から襲った、そこは理解できる。そして、それが合図と言わんばかりに飛び出した睨んでいた子。そこも理解はできる。綿密に決めておけばなんて事はない。ただ、子供二人で大人をこうもあっさり殺せるのか?あの二人は明らかに核が違うって感じだ。それよりも、ここから脱出が先決だな。」
笠木「いやー。いいもの見せてもらったよ。君たち凄いね。」
睨んでいた子「あんた誰?」
笠木「君たちをこの研究所のある島から、助けに来た。」
次回、子供達本島へ