ちいちゃん、高熱を出す
ー某月某日ー
チリリリリリリリ……
「ん…目覚ましうるさ……止めなきゃ…」
クラッ
「うっ…頭クラクラする…」
せっかくの祝日なのに……ここまで体調を崩すとは。もともと体は強くないけれど、中学生になってからはあまり熱を出さないようになっていた。
「とりあえず寝ておけば明日にはなおるかな」
ー次の日ー
体調はさらに悪くなっていた。昨日はなかった頭痛ま
で出てきていた。
「お母さんもお父さんも出張なのに…どうしよ…」
♪ピンポーン♪
「だ、誰…」
力を振り絞って玄関まで行く。
「あ、和都…」
和都とは私の彼氏のこと。よく家まで来たと思う。
安心したら、その場で力尽きてしまった。
「ち、ちい!大丈夫!?…うわっ、すごい熱…」
「和都…私、頭クラクラする…ゲホッ…」
「ちい、とりあえず部屋まで行こう。歩ける?」
「支えてて、ゲホッ、くれれば…」
「ちい、よく頑張ったよ。何か食べたいものある?」
「ホントにごめん、お水…んゲホッゲホッ」
「りょーかい」
水を飲んだら急に怠くなってきて、和都にもたれてしまった。
「ちい、横になったら?」
「ううん、ここがゲホッ落ち着くの…」
「無理するなよ」
「わかってるゲホッゲホゲホゲホッ…ふぅ…」
「ちい、一回熱はかろっか」
「うん」
♫ピピピピピピピピ♫
「何度?」
「えーと、39度7分」
「まだ14時だから、夜はもうちょっと熱上がるよね…
」
「たぶん…ゲホ」
「冷えピタある?」
「洗面台の…1番下の棚に入ってるはず…」
「取ってくるから、横になってて」
「うん」
「貼るね」
「ありがとう」
さっきよりちいが辛そうな顔をしているのは気のせいだろうか…
「ちい、辛いとこない?」
「そんなことないって…大丈夫。だけど、さっきから
ずっと頭痛い…クラクラする…んゲホッ……ゲホッ
ゲホ…ゲホッゲホッゲホッ…ゲホ…はぁはぁ…」
「咳ひどいね…」
和都はずっと私の背中をさすっていてくれた。
「ううん…大丈夫。でもその代わり、手…にぎってて
…安心するから…」
にぎってること30分。ちいはそのまま寝てしまった。
「もう帰んなきゃ…母さん帰ってくるし」
ちいには置き手紙だけ残して、帰ることにした。
「ん……あ、もう17時…すごい寝ちゃった…あ、トイ
行きたい」
「あ、置き手紙だ」
‘‘体調どう?寝たらちょっとは良くなったかな?なお
ったら一緒に学校行こうね’’
ー2日後ー
「おはよ!」
「おはよ、体調良くなった?」
「もう、ばっちり!看病してくれて、ありがとう!」
「元気になってよかった!」