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第三話

<あらすじ>

 なんやかんやで異世界を救うことになった桐ヶ谷水孤は異世界に来て早々森で道に迷ってしまう。その時、運悪く魔物のゴブリンに見つかり森の中を追い掛け回されてしまう。そして追い詰められた水孤をかばう為に死神モドキが犠牲になってしまう。さてさて、これからどうなることでしょう。


<本文>

「おい、嘘だろ?」

 しかし、俺の言葉に答えてくれるものは無かった。


「お、俺のせいで、こいつは死んだのか?」

 俺は腕の中の死神モドキを見ながら言った。


「おい、これからどうすればいいんだよ?いきなりこんな異世界に飛ばしておいて自分は早々に脱落かよ?ふざけんじゃねーぞ」

 俺は知らないうちに流れていた涙を拭いもせずに、ただただ腕の中にある死神モドキの体を見つめていた。と、そんなときに、


「ふわーーーあ。あれ?ゴブリンは?」

 と、シリアスな空気をこれでもかというほどぶち壊す間の抜けた声が聞こえた。その声はなぜか俺の腕の中から聞こえてきた。


「は?」

 思わずそんな声を漏らしながら、俺は腕の中の死神モドキを見た。するとそこにはちゃんと目を開いた死神モドキがいた。


「ええーーーーーーーーーーーーーーー!!!お前死んだんじゃなかったの!?」

「失礼な。勝手に殺さないで下さい」

 と、死神モドキは平然と起き上がった。


「いや、でもお前確かに斬られなかったか?」

 俺はとりあえず復活した、死神モドキリターンズに問いかけた。


「ええ、斬られましたよ。それが何か?」

「それが何か、じゃねーよ!普通斬られたら死ぬだろ!」

 俺は若干の怒りを含めながら言うと、死神モドキが、


「あれ?言ってませんでしたっけ。僕はこの世界で言う、使い魔という奴で、斬られようが、殴られようが、何されようが主人が生きていれば復活するんですよ」

 と、とんでもないことをのたまった。


「・・・え?それって不死身ってこと?」

「はい。そうですが何か?」

「それを先に言えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

 俺は今度は明確に殺意をこめた目を死神モドキに向けて怒鳴った。


「ええーー。だってめんどくさいんですもん」

「うるせーよ!てゆーかめんどくさがってんじゃネーよ!」

 などと、ギャーギャーと一頻り騒いだ後、死神モドキが、立ち上がって歩き出した。


「お、おい。道は分からないんじゃなかったのか?」

「はい、そうでしたが、ココからなら大丈夫です。どうも、追い掛け回されているうちに道にたどり着いたらしいですね」

 と、言いながらずんずんと進んでいく死神モドキの背中を追って、数十分程歩くと道が開けて町が出現した。

 その町はなんと、滝壺にある広い湖の中心に浮かんでいた。


「うわ、すげーな」

 俺は思わず見とれてしまった。


「てゆーかどうやって渡るんだよ?」

「大丈夫ですよ。ココを少し行くと橋がありますから」

 そういいながら歩く死神モドキの背中を追って行きつつ景色を見ていると、やがて確かに橋といえなくも無いものが見えてきた。なぜならそれは、この湖に住んでいるらしい、変な生物の背中だったからである。


「お、おいこれを渡るのか・・・?」

「はい、そうですよ。」

「いやいや、これって大丈夫なのか、安全性的に・・・」

「大丈夫ですよ。今までで、落ちた人は一人もいませんから」

「フォローになってねーよ。つか余計にプレッシャーかかったわ!」

「まあまあ、とりあえず渡りましょう」

 と、死神モドキが歩いていくので俺はいやいやながらその上を渡ってみた。足の裏から伝わってくる感触は、コンクリートとゴムの間くらいの感触で意外と歩きやすかった。俺はだんだん楽しくなりながら歩いていた。少しして、門が近ずいてきた。


「さあ、英雄様、これから長に会ってもらいますよ。いいですね」

「ああ、分かった。その人から話が聞けるんだよな?」

「ええ、そうです。まあ、とりあえず行きましょうか」

 俺は、その長に聞きたいことを考えながら死神モドキの後を追っていった。


 

  

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