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怒りが全てを物語る

父方のおじいちゃんです。

 俺はもう一人のおじいちゃんも好きだ。


 こっちのおじいちゃんは、母方のおじいちゃんと違ってあまりおしゃべりはしない。


 職人肌っていうのかな?

 親父に聞いたらおじいちゃんはあまり怒らないんだけど怒ったら茶碗とかほうきとかが飛んできてたらしい。

 昔ならよくある事なんだろうね。


 親父ですらあまり怒られないんだから、当然俺も怒りの片鱗すら拝んだことはない。


 寡黙なおじいちゃんだったけどおじいちゃんは元々大工をやっていたこともあり、よくいろんなものを作ってくれた。

 覚えてるのはその辺の木材とかで作った貯金箱。

 言ってしまえば、見た目はただの木の箱なんだけど手先が器用なおじいちゃんがカッコよくて印象に残ってる。


 ——ある日、弟が俺にちょっかいをかけてきた。

 頭に来た俺は弟をぶっ叩いてやろうと追いかけた。


「やめろ」


 おじいちゃんが一言俺に注意をしたが、俺は構わず弟をぶっ叩く。


 それを見たおじいちゃんの顔は豹変した——。


 普段は細めで優しく笑う目をカッと見開き、眉間に皺を寄せこちらをまっすぐ睨みつける。


 鬼の形相とはまさにこの通り。

 俺は蛇に睨まれたカエルと化したのをよく覚えている。


 親父に聞くとこっちのおじいちゃんは年齢の関係とかで徴兵はされなかったらしい。


 空襲も少なく大した被害は出なかったらしいけど、一応の戦争は体験したおじいちゃんはそれから争いを誰よりも嫌ってたんだって。


 今思うとおじいちゃんの怒りは、争いの馬鹿らしさを物語っていたんだなと思います。

読んでくれてありがとうございます。

第二弾のおじいちゃんシリーズ投稿は、終戦記念日になりました。

争いダメ、ゼッタイ。

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