祖母の死に場所
独り暮らしの85歳の祖母が倒れた。雅号を持つ画家で、我が強く、誰の言うことも聞かない気の強い祖母は、病院から施設へと説得して移しても、「こんなところに閉じ込めるなら死ぬ」と昼夜問わず娘と息子に電話をかけ続ける。
孫の達也は、父対祖母の終わりなき戦いを見つめながら、幼いころからの祖母に対する苦い思い出を思い出す。愛された記憶よりも、出来のいい姉と比較され差別された日々。だが祖母の生は、「死」では終わらなかった……
孫の達也は、父対祖母の終わりなき戦いを見つめながら、幼いころからの祖母に対する苦い思い出を思い出す。愛された記憶よりも、出来のいい姉と比較され差別された日々。だが祖母の生は、「死」では終わらなかった……