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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

流血の体験 ~ピーター入院してきました~

作者: ピーター

 ポタリポタリと血が垂れる。

 窓ガラスについて水滴が寄り集まって、流れ星のように落ちる時に僅かな滴を残すが、血の跡はそのようにキレイではない。

 通り過ぎた所には赤い筋を残し、それはやがて黒や茶を帯びた不透明な赤へと変わっていく。



 バシャリバシャリと血が垂れる。

 雨水がたまった水たまりではなく、赤ワインをぶちこぼして巻きあがった泥と混雑したかのような血がたまる。

 黒や茶を帯びた不透明な赤いゼリーが、穢れた水たまりの中にチラリチラリと見えている。



 周辺には鉄を削り、腐りかけた生肉と混ぜたような臭いが鼻の中に塗り広げられて、鍋の焦げのようにこびりついていく。

 流れ出た血をふき取って、換気をしたところで、こびりついた生臭い血の臭いは取れる事はなく、常に自分から腐りかけた生肉の臭いが出ているのではないかと不安になっていく。



 パチャパチャと音が聞こえる。

 これは自分の体から流れ出る血が、自分の血で出来た血だまりに落ちる音。

 視界の端にメガネのフレームが映るかのように、黒い靄がかかってくる。パチャパチャという音が遠くなるにつれて、黒い靄は濃くなっていく。



 視界は色を失い、世界は平行を失う、音は遠く静かになっていく。思考も鈍り、意識がどこかに旅立とうとするのを、眠りそうな子供を起こすかのように引き戻そうとする。

 なぜか臭いだけは残り、鉄を混ぜた腐りかけの生肉のような臭いだけは妙に繊細に意識に刻まれていく。



◇◇◇



 な~んて語れる。流血に縁のある筆者ピーターです。

 そんな血を巡る縁なんて、いらないんですけどね。

 小学校の頃から、鼻の血管や粘膜が弱かったりして何度も鼻血を噴いたりなどしていることに加えて。元がおっちょこちょいなのかなんなのか、細かい怪我なども多くやってきました。



 実際、ピーターの手を見てみるとあちこちに色んな傷跡が残っています。

 鼻の中は繰り返された出血の影響もあるのか、鼻毛が少なくとっても鼻の奥が見えやすい状態です。

 あ、事故とか犯罪に巻き込まれたってことじゃないですからね。

 


 今回のピーターですが、急遽入院をしてまいりました。

 しかも、原因不明の大量出血が理由。この大量の血液は大腸から出ていたようでして、おトイレに行って踏ん張る度に大量の血液がお尻からブシャ―っと出ておりました。

 それこそ冒頭の文章のごとくです。



 しかもこれが1~2時間おき。大量の血液がだっばだばで出ておりました。

 本来はすぐに貧血ダウンするはずですが、ピーターはぽっちゃりさんで血液が人より多いんです。

 さらに以前にめちゃくちゃ運動していた効果もあって、造血能力や血液の運搬能力が高く、貧血も起こさず過ごせておりました。



 何気に医療面の知識があるもので「こりゃ大腸っぽいな、でも止まるだろうから、明日通院でいいでしょ」と思って、出血がはじまった当初は平然としてたんです。

 ですが、血が止まらない。病院でも大量の出血が続いていて、最終的は視界が狭まるという明らかな貧血症状を体験するにまで至りました。



 一応、今は出血もなく元気なんですが、やっぱりちょっと心配になりますよね。

 自分のための振り返りと、注意するポイントの再確認で文章にしておこうと思ってポチポチと打っている今日このごろです。

 以下に詳細をかいていきますので、興味がある方は見てみてください。

 興味が無い方、ここまでで大枠は話したので、遠慮なく戻るボタン押しちゃってください。



◇◇◇



 はじまりは突然でした。夕飯終わって。

「あ、トイレいこ」

 なんて、いつものようにトイレに座ったんです。


「おや? 下痢しちゃったかな?」

 なんて感覚を覚えて、お尻を拭いたんですが、なんか変。

 お風呂に手を入れたみたいに温かい。


 トイレットペーパーを見てみると、真っ赤っか。

 これほど赤いのは、学校で補充用の赤のインクをこぼした時くらいしか知りません。

 トイレのお水も真っ赤っか。わぁ。びっくり。

 ピーターのお尻が大出血してます。わぁ、どうしよう。


 まずは冷静になっておトイレの水をじっくり観察。

 赤ワインを注いだかのような少し暗めの赤色と痛みが無い事から大腸の出血と当たりを付けます。

 たしか、大腸出血は止まりやすかったはず。


 明るい美しい赤なら肛門周辺~大腸の一番お尻側あたりの出血。

 暗めの赤なら大腸あたりの出血。

 どす黒いと言える黒なら小腸あたりの出血。

 なんて思い出しながら、ネットで再確認して症状と照らし合わせます。

 うんうん間違ってないぞ。


 おトイレに行っては大量の血液がお尻からジャー。

 またトイレに行って血液ジャー。トイレで血液ジャバ―。

 ちょっと待って、止まらないんだけど!?

 夜中に何度も何度もトイレに行っては大量の血液がお尻からバチャバチャと落ちてます。


 お尻からというのが情けない、それでも出血に変わりありません。

 ジャーと出る出血は明け方になっても止まりません。

 まだ、貧血症状は出ていないというのが、ピーターのすごいとこ。

 だけど、この出血量はさすがに危険。


 まずは、肛門・胃腸の診察をできる内科さんへレッツゴー。

 出血がひどいので、問診おわるや否や先生に呼ばれます。

「はい、お尻見せてね」

 麻酔と軟膏がお尻にブシっと押し込まれます。

 プライドぽっきり折れました。

「あ、これダメだ、貧血検査して大きな病院の紹介状かくね」

 先生はやくね? 貧血数値は基準値内の下限、ピーターとしてはだいぶ低い。


 お腹キュルキュルは出血した血を腸が送り出してる事が分かりました。

 と言う事はまだまだお腹の中で血が出ている事が確定です。


 紹介状を手にして大きな病院へレッツゴー。

 貧血症状は出てないから、自分の愛車でブーンと行きます。

 待ち時間なげー、書類書いて出して、書類書いて出して。

 待っているうちに、フラフラフラリ。ついに貧血症状です。

 視野は狭くなるとは知ってましたが、本当に周辺視野部分が黒い霧に覆われるように欠けてくるんですねいい勉強になりました。


 ベッドに移されたらフラフラは楽に。

 確か足を上げると血液が戻ってきて、状態は回復したはず。

 よっこいしょっと、両足を持ち上げると、視野の隅に見えてた黒い霧がサーっと晴れて行く。

 おお、本当に晴れた!

 じゃあ、逆に頭をあげてみる。視野の隅に黒い霧がサーっと現れる。

 おお、面白い! 『点滴するから動かないでください!』

 あ、すみません。

 

 造影剤使用のCTと内視鏡をやることになりました。

 とりあえずは点滴の治療はずっとです。

 点滴ささったまま色々やる事になりました。

「じゃ、点滴台につけますから、これ押して検査室に行ってください」

 はーい……遠くね? 病院の反対側なんだけど……

「いってらっしゃーい」

 はい、行ってきます。なんか送り出し爽やか。


 まずはCT、久しぶりだなぁと思いながら機械の中へ。

「造影剤いれますね」

「はーい」

「体、暖かくなりますよ、熱いくらいに感じます」

「はーい」

 あ、なんかピリピリ。ちょっと気持ち悪い。

 ん? まって、反応ちがう!? うぷ!!

 オエエェエ!!

「ストーップ!! ストップ!」

 ピーター、造影剤にアレルギー出るみたい。

 お腹からっぽだったから吐かなくて済んだけど。

 まじかぁ……


「CTダメでした、つぎ内視鏡です」

 そうですよね。

「まず、お浣腸します」

 まじか!? プライドぽっきり折れました

「で、流さないでみせて下さい」

 まじか!? プライドぽっきり折れました

 看護師さんが、淡々とこなしてくれたのが救いです。


「じゃ、内視鏡します。これお尻に入れますからね」

 結構でかくね!? プライドぽっきり折れました

 入れられた瞬間に腸が痙攣!

 お腹の中がビクビクして、足をつった時のように痛い!

 しかもそれが何か所も痛い!

 つった筋肉の中を何かが動きまわる感触!

 痛い! キモチワルイ! 生理的に不快!!

「あー、また痙攣、薬効くまで我慢してくださいね」

 ギャー!! 体が動いて先生をシュート!!

 ほんとすみません、ワザとじゃないんです!


「腸の奥はキレイでしたが、大腸血まみれです」

 うん、みてました。

「なので、大腸出血は間違いないですが……」

 ですが?

「どこから出血かわかりません」

 たしかに止まっちゃってましたね。

 貧血になりすぎて、出る血がなくなったのか……

「おそらく、その通りですね」

 あってんのかい!?

 そういえば、お腹のキュルキュル音は無くなってる。

 確かに止血はできてるみたいで一安心。


「で、入院していきます? 絶食と止血剤点滴ですけど」

 帰ったらどうなります?

「ゼリーとか食べて療養です」

 あ、それなら帰って……

「もし出血したら貧血で、血だまりの中で救急車ですね」

 入院します!! お願いします!!


 そんなわけで入院しました。

 大腸出血ですが、胃袋などは普通に動いているので、当然お腹は空いてます。

「じゃ、絶食で点滴しますね」

 点滴をチラリとみると200カロリーと書いてある。ふむふむ、これとこれっと……

 1日480キロカロリーは接種できるんだ、な……

 お腹すいたよぉぉ!!

 喰ってないから貧血なおらんし、点滴で血が薄まるから貧血悪化!

 でも食べると出血でさらに貧血の恐れあり、耐えろ俺!!


 2日間の絶食を耐え、おかゆ食からスタート。

 絶食後のおかゆはすごい美味しい!!

 味ないんよ、ただのおかゆ、これが!

 う、うまいんじゃぁ~


 幸いな事に再度の大出血はなく、完治の扱いで帰ることになりました。

 勤務調整して下さった職場の方々には感謝しかありません。

 ピーターが抱えてた仕事は当然そのままですから、退院後に出勤した時にまとめて対応。


「あ、ピーターさん、なんか久しぶりですね」

 実は入院してまして……

「え~、そうなんですか! いつも事務所に居ないから分かんないです」

「そうそう、ピーターいないのが当たり前よね」

「居ないから、入院しても分かんないんだよ」

 ちょっと! ひどくない!? 少しはいたわって!!


 ひたすら消化しやすい柔らかい物で食事を継続。

 時にはお昼もゼリー飲料だけで済ませて腸の負担を軽減。

 そのおかげか、今はバッチリ元気です!

 みなさんも健康大事にしてください。


 入院費用高かったからなぁ……

 いいですか「健康だと『安い!』」医療費はかからんに越した事ないです。

 病気と怪我が無い健康だと、病院関係費用が安く済みますよ。

 健康とりくみは節約になると身を持って知りました。

 健康大事!!

みんなも、健康大事・命大事です。


妹からナイショでこっそり提供してもらった生理用品が助けになりました。

不意にお尻からブラッディが噴き出しても受け止めてくれる安心感!

ホントに助かった!


お尻に課題を抱えている方や大腸~直腸の出血がある方、心強い味方になってくれます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ひどかったですね~。 私も直腸のポリープで一週間ほど入院しましたが、お尻から血が出るとショックがひどかったです。 ( >Д<;)
[良い点]  どうも。短期の入院で済みまして御の字ですね。  突然の体調不良は、どうにもなりませんものね。  快方に向かわれているみたいで、良かったです。  健康の素晴らしさを再認識しますね。 …
[良い点] バッチリ元気になったところ [気になる点] 入院費用 (スルーしてください) [一言] 健康大事ですね。 原因が分かったならよかったのでしょうけど……。 ご自愛ください。
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