私、実は転生者
私がこの世界に産まれてもう、七年が経った。
この世界にとわざわざ言っているのは恐らく私が他の世界からの転生者だからだ。
特に便利な記憶などもある訳では無い。現代兵器や化学兵器を熟知していた訳でもない。
私は高校生の頃、通っていた学校の校舎が手抜き工事だったらしく、校舎が崩れ死んでしまった。
死んでしまってからある程度の時間はあの世界に残っていたので色々と知ってはいる。
所謂魂のような状態で誰にも認識されることなくただ漂い、事故の原因などを知っただけだった。
死んだのが授業中、居眠りしていた中いつの間にか死んでいたため何故死んだのかなどを知るのが心残りだったのか、それを知った時私はどこかも分からない真っ白なところに居た。
周りには光の玉の様な物がたくさん浮いていて、その時、自分の体を見てみると自分も同じ様な玉になっていたのであれが魂だったのだろう。
長い間そこに居た気がする。ある時突然上の方(球体だったため方向などよく分からないので横からだったかもしれないが)から大きな手の様なものが私を掴んできた。
そして掴みあげられてほかの光の玉たちが見えなくなった時、私の口が
「おぎゃーおぎゃー」
と自分の意思に関わらず叫んでいた。
体も何も言うことを聞かず誰かに操られているような気持ち悪い感覚だった。
それから恐らく2年間ほどは自分の意思で体を動かすことは出来なかった。
だが、何となくこうなった理由を推測してみると、予想は着いた。
転生というものをしたのだとしたら赤ちゃんの時期に不審なことをして、転生者だと、転生という概念をあまり私を転生させた存在は知られたくないのだろう知られたくないのだろう。それと、違う世界から来た私に言語を覚えさせるためなのだろう。
そんな気がした。
二年ほどがたった頃、私は私の親が話している言語を元の世界の外国語とは違い簡単に覚えて喋ることができるようになった。
その頃からは自分の体をある程度動かせたので、父の書庫などに入り込み、読むようになっていた。まだ、不審に思われる可能性もあったのである程度ぐちゃぐちゃに崩したあと無作為に読むようにはしていたが。
そんなことをしながら、自分の家を探索していた。書庫の中や全ての階の廊下にも執事っぽい人やメイドの人が常に居たため、軽率なことは出来なかった。だが、幼い内は特に干渉してくることも無く、ただ、話しかけても反応してくれることは無かった。
最上階の4階の最奥の扉だけは通してくれなかったのでなにか大事なものでも保管しているのだろうか。
まぁ、成長すればいつかは教えてもらえるだろうからそこに無理に入るのはやめておこう。
そういえば、私が生まれた時に隣にもう一人生まれていた気がするのだが、その子はどこに行ったのだろう。
育てている部屋が違うのだろうか。私と違って転生者でもないだろうから、まだ色々なところに行くこともないのだろう。
というか、家族の姿をほとんど見ることがない。乳母達だけしか日常的に見ることはなく、家族の姿見るのは、1ヶ月に1度母と父が馬車に乗ってどこかに向かう時だけだ。どこに行っているのだろうか。