暗黒色の、月に抱かれて。君が月になったんだ、あ、間違えた、君が、好き、だった。
もう、いやッ!
どうして、こんなにも、声が届かないの?
私は、懸命に、喋っているんだよ。
でも、誰も、私を見てくれやしなかった。
春の夜空の星が綺麗なのだけれど、
見ているだけで踊り出したくなるけれど、
そんなもの何の役にも立ちやしないじゃない。
もう、よみがえらないあの頃の懐かしい情熱。
誰かが傷つく涙を見ても
おびえなくてはならなくなった
今となっては。
夢を、愛しているよ。
今もなお、ね。
なぜ、こんなことになってしまったのだろう。
星は今でも輝いているのに。
もう、いやだ、とか。
生きて、いくのが、辛すぎる、とか。
まるで、寂しさだけベールにまとって
隠した顔は、ハデに崩れた泣き笑いなのさ。
きれいなプリンセスを夢見たこともあった。
かわいい侍女をはべらせた、
私の中ではハーレム状態(?)
ちょっと変わった幸せだけど、
それが届かぬ夢でした。
あー、羨ましいなぁ、そんなプリンセス。
暗黒色の、月に抱かれ、
あたし、めろめろに、なりたい。
新しい月よ、私の夜を、
慰めてくれたりするのかな?
疲れた時は、疲れたって、
言ったっていいんだよって、
元気づけてくれる、君が月ッ!
あ、間違えた、君が、好きッ!