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異世界の神様に選ばれました。  作者: 松本 彰
第7章 日本ドタバタ劇場
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60 検証しよう

 俺達は学校が終わってからすぐに、異空間のコテージの方にやって来た。


「やっぱりニセモノじゃなくて本当に生きてるな。」


「種類も沢山居るね~。」


「おいしいデスヨ!」



俺達は検証と言う名の海の幸を堪能していた。


「……なんで検証をしに来て俺が料理しないといけないかな?」


海に入って、色々な魚や貝などを採っていたら「折角だし本物かどうか食ってみよう。」と理世が発言し、

みんなが賛成したからこんな事になってしまった。


「でもアレだね。やっぱり秀クンのイメージが反映してるから、沖縄の海とはちょっと違ってるね。」


魚や貝を捕まえて判ったのだが、沖縄に居るカラフルな魚に混じって普通は居ないと思われる種類の魚が泳いでいた。


イメージとして映し出されてる景色をそのまま具現化するように創ったつもりだが、海のイメージする時に俺が海に居る魚を色々と思い浮かべたせいだろうか、明らかに場違いな魚が泳いでいる。


「この海で、マグロやタラバ蟹、牡蠣にサーモン、ホタテに鰹。この海だけで鮨ネタには困らないな。」


……殆ど俺の食欲に直結しているラインナップなのはご愛敬だ。


刺身から始まって、網焼きをしながら、今俺は寿司を握っている。

食べ始めてからニアが居なくなったと思ったら母さん達を連れてきた。


「おい秀一! お前達だけ旨い物を食ってズルいじゃないか!」


「ご飯は皆で食べるのが楽しいデスヨ!」


「ニアちゃん偉いわ! 気の利かない秀一とは全然違うわね!」


俺は生き物検証に来ていただけだがどうしてこうなった!



みんなが海の幸を満喫して、両親とニアはコテージで寛いでいる。

昨日までのバカンスはなんだったんだ? と思わなくもないが、気にしたら負けだ。



「間違いなく生命創造出来てるね。」


「輪廻転生システムを使いこなしてるみたいだな。」


理世が輪廻転生システムと言ったのでどういう仕組みかを聞いてみたら、俺は神じゃないから詳しい事は判らないが、魂と呼ばれる生命の活動エネルギーの循環システムらしい。


「生き物が生きている時の記憶と分離させたりするんだよ、確か?」


里美姉もあやふやな感じだ。


俺はマニュに聞いてみようかと思ったが、ニアが携帯で検索しているとマニュが言っていた事を思い出し、使ってみる事にした。


「えーっと、輪廻転生システム…っと。」


「何をやってるの秀クン?」


俺はマニュから聞いた事を里美姉達に教えた。


「……マジか⁉」


二人とも驚いているみたいだが、使えるかどうかはまだ判らない。

俺は検索結果を見てみる。


【輪廻転生システム】


生命の活動エネルギー(魂)の循環システム。

魂は一定期間活動すると消耗するために、回収してエネルギー補填(チャージ)する必要があるために考えられたシステム。


ここで回収された魂の器の修復と情報の分離を行う。

情報収集装置の一面を持つ。


活動エネルギー(寿命)と生命活動(記憶)はヒモ付けされているが、魂の器(魂)との関連性はつけられない。


システム管理者のみシステム外補填可。



「なかなか使えるな!」


「神様の情報が判るなんて信じられない!」


二人とも凄く驚いている。

確かにこの検索は使えるな!


検索結果から俺なりに考えると、魂の器(魂)に活動エネルギー(寿命)が入っていて、そこに生き物の生命活動(記憶)が蓄えられる。


活動エネルギー(寿命)が無くなった魂の器(魂)が自動的に回収されて生命活動(記憶)が情報として取り出され、空になった魂の器(魂)は修復されて新たな活動エネルギー(寿命)を入れられて再利用されるんだな。


寿命と記憶がヒモ付けされてるのは、情報収集期間が寿命のある間って事だな。


魂との関連性をつけないって事は、何かの原因で魂の器が壊れかけても、(この場合は死を意味するんだろうな。)新しい魂の器を用意出来れば生き返るって事か?


「たぶんそうなんじゃないか。」


「魂の器なんて秀クンにしか用意出来ないんだから、所謂『神の奇蹟』ってやつじゃないの?」


死者を生き返らす事が出来るのも神の特権っていう事かな。


生命活動(記憶)は情報として別の所で保管されるから、その記憶に新しい魂の器(魂)を与えてあげれば復活するって事だよな。


「これって異世界転生や転移にも関係してくるよね。」


そうか魂の器(魂)に記憶を入れて、新しい肉体を用意したら転生で、前世の記憶を持っているって事になるのか。


「それから考えると転移も転生になるのか?」


「そこまで考えて無かったけど、輪廻転生の輪を考えるとそっちがシックリくるね。」


二人が前に言ってた魂の移動ってやつか。


確かに異世界に転移する時に、そのままの姿で移動するから転移って言ってるけど、魂の移動って考えると異世界の輪廻転生システムから、新しい魂の器を用意されて、そこに記憶を入れる事で、異世界の輪廻転生システムに入るって事になる。


そして肉体が向こうに居る時と変わらない姿だから気付いて無いだけか。


「もしかして、異世界に行ったらチートな力が手に入るってそれが原因か?」


「そうだね。今までと変わらない姿だけど、新しい魂の器とか肉体を創る時に追加してあれば、本人は気付かず『俺TUEEEEE!』って事になってるのかな。」


「結局、異世界の転生も転移も元は同じで、ただ異世界に新しい肉体を用意する時に全く新しくするか、前と同じにするかの違いだな。」


「肉体を用意するのが面倒なら、母親母胎に魂の器を入れれば受胎して産まれるし、若返って見えたっていうのもアレじゃない? 適当に創っただけとか。」


里美姉……クソ神達の事を考えると……なんか納得の出来るよ。



「でもそうすると異世界と地球を行き来する俺達はどうなるんだろう?」


「秀クンは神様だから枠外だと思うけど、今判った事を考えるとちょっと謎だね。」


「俺達は魂の移動での問題だと思ってたからな。輪廻転生ってただ生まれ変わる装置としか思ってなかったしな。それこそ検索すれば出てくるんじゃないか?」


それもそうか、俺は検索で調べてみる。

異世界転移、転生っと。


【異世界転生、転移】


神々の創った生命を移動する事を指す。

基本的に勝手な移動は不可であるが、管理者である神同士の了承があれば可能。


生命活動(記憶)の移動のみで肉体と魂の器の移動は不可。

受ける側は新たな肉体と魂の器を用意する必要があるが、元の肉体に拘る必要はない。


移動により生命活動(記憶)の権利は受け側に譲渡される。



【異世界間の移動に関して】


移動する世界の管理者の了承を持って可とする。


了承をしたそれぞれの世界において魂の器と肉体を用意する事。

肉体と魂の器の整合性は問わない。


生命活動(記憶)の所有権は基本的に受け取り側となる。




「おおよそ私達が知ってた事や、今考えた事と同じだね。」


「そしてやはり俺達はアイツらの力を借りての移動だから秀一の方に権利は移ってないな……クソっ!」


「でもアレだよ理世君。検索の内容からすれば、今の理世君の権利者はアーステルだよ。」


「そうか! 駄女神からは切れてるんだな!」


二人はそんな話をしているけど、エンデフィールも力を貸してる上に、エンデフィールの創った世界の行き来も認めてる時点で違うと思うな……。


「所有権は基本的に(・・・・)だから、エンデフィールも力を貸してる時点で所有権主張してるよ。」


「くたばれ女神っ!」


理世が吠えている……ご愁傷さま。


「ちょっと横路にズレちゃったけど、この魚達を見る限り輪廻転生システムは秀クンでも使えるみたいだね。」


ああっ、本題をすっかり忘れてたぜ。


これも信仰心とかで力を得る事が出来たお陰かな。


このシステムは世界と連動して自動的に廻ってるみたいだからな。それに俺の意思も干渉出来るようになったみたいだ。


「今の所は世界の再建に忙しいから関係は無さそうだがな。」


俺がそう言ったが里美姉達は否定した。


「そんな事は無いよ。この魚達で判るように食料の調達とかには大活躍だよ。」


「例えば作物とかでも創って獣人達に世話をさせれば食料の自給率は改善されるしな。」


そうか! 今までだったら食べ物とか料理されたものしか創れなかったから、動物とか生き物を創れば畜産も可能だな!


「確かに食べて終わりじゃなく、生き物であれば育てて増やせるな。」


「そういう事だな。」


しかも今の俺は目玉クンからの情報で創れるようになってるから一々情報集めに出掛けて左手で触る必要は無くなっている。


今まで情報を集める手段が水晶を取り込んだ左手で直接触る事だけだったからな。


目玉クンという情報収集の道具が水晶と連動しているのは大きいぜ。


向こうに行ったら早速、目玉クンを大量にばら蒔こう!


「それじゃ検証はこの位かな。」


「そろそろ向こうに戻って活動しないとな。」


里美姉と理世が向こうに戻ろうと提案してくる。

確かに少しは気分転換になったし予想外に情報も仕入れ出来た。





さて、向こうに戻って次は何をしようかな。

お読み頂き有難うございます。

良かったらブックマークを付けて頂けると嬉しいデス。

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