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異世界の神様に選ばれました。  作者: 松本 彰
第7章 日本ドタバタ劇場
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59 神々の事情

 異空間での空間投影が思わぬ展開となり、これ以上遊ぶ気になれずに家に戻る事になった。


着替えをして異空間から家に帰るために扉を開けると、真っ白い空間に繋がった。


これってもしかしなくてもアレだよな?

クソ神の居る空間だよな?

今回は俺だけじゃなく全員かよ……俺達の会話を聞いていたのか?

でも結界を張ってるから聞こえるハズは……そう言えば日本の家は結界を張ったけどここは何もしてないな!


俺がそう思ってる間にクソ神が語りかけてきた。


『お久しぶりですね、みなさん。』


『何やら検討違いな話が聞こえて来たからのぅ。少し空間に干渉してここに来てもらったのじゃ。』


俺達はともかく、両親まで巻き込むつもりか⁉


『秀一よ、お前の考えとる事は判るが、儂が日本でニアの事を頼んだのはこの二人じゃからな。一緒に話した方が良いと思っての。』


ああっ、そう言えば母さん達も会ったって言ってたな……サイン色紙を押し付けられたし。


「それでアーステル様? 私達に話す気になったんですか?」


俺がそんな事を考えてるうちに里美姉がクソ神に質問していた。


『全ては言えん……がニアに関しては秀一の願いを聞いただけじゃ他意は無い。』


『もし信じられないのなら、この場で私達はニアちゃんのエンデフィールへの召還を許可するわ。』


『そうじゃの認めよう……これで後は秀一が望めばニアは帰れる。』


『今すぐ戻すとニアちゃんは日本に来れなくなっちゃうから、秀一さんの好きなタイミングですれば良いわ。』


俺が言い出す前にアッサリとニアを開放したな。

俺達の考えすぎだったって事か?


『秀一に関してもすまんと思っておる。しかし儂の治める地球で適任なのはお前さんしかおらんかったんじゃ。』


『秀一さん達が思ってるように里美さんと理世の関係もあったしね。』


やはり俺が選ばれたのは理世達の存在も関係している訳ね。


『儂らが秀一に望んで居るのはエンデフィールの世界再建のみじゃ。』


『後は私達の管轄ですもの。』


つまりは何かクソ神の方で問題が起こっているが、それを解決する為にまずエンデフィールの再建が必要って事か?


「それって秀一に任せる事か? 何の問題かは知らんがあんたらも干渉するなら秀一にさせる必要は無いよな⁉」


『儂らが動けば今回の犯人と動機が判らなくなる可能性があるんじゃ。』


『今回の事は特例中の特例ですから。』


今回の犯人って言ってるけどきっと出来るハズの無かったエンデフィールが出来た原因の事か?


「その割りには何度も私達と接触してますよね? 素直に言った方が楽になりませんか?」


里美姉……なんか刑事ドラマの尋問みたいになってるよ。


『それは秀一の行動が儂らの考えの斜め上にズレ捲るせいじゃ』


『本当に狙っていたとはいえ、ここまでとは思いませんでしたわ。』


ん? なんだ⁉ 俺が予想外の行動を取るのは判ってたが、思ってた以上に変な行動をしてるって言いたいのか⁉


『これでもギリギリなんじゃ、儂らはただエンデフィールを再建する事のみを考えるようにと言いたいだけじゃ!』


『あなた達は色々と疑ってますけど本当にそれだけですわ。』


「それでは今まで通りに秀クンの考えるままに行動すれば問題無いと?」


「俺達が好きに暴れ捲っても文句は言わないと?」


理世がどさくさに紛れて変な事を言ってるよ。


『……好きにするがええじゃろ。』


『エンデフィールの世界は秀一さんと繋がってる事を忘れないでね。』


なんか投げやりな事を言ってるけど、俺の命に関わるから程々にしとけって釘をさしてるよ。

そこはもう変な事はするなとキッパリ言おうよ!


「あと、異世界ネットワークの事はどうなってるの?」


『地上世界の事は儂は干渉しておらん。』


『今、貴女達に話した以外にニアちゃんの事は何も言ってないわ。』


「そうですか判りました。」


『くれぐれも頼むぞ!』



そう言って俺達は元の世界に戻された。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


家に戻って来て母さん達は「私達はニアちゃんの事だけで後は関係無いみたいね。」と言ってニアを連れてリビングへ移動して行った。



あまり聞き出せ無かったがおぼろ気ながら今回の事が判ってきたぞ。


「つまり、出来るハズの無かったエンデフィールを創った犯人探しか。」


俺がそう言うと二人も納得した。


「それで犯人が何故エンデフィールを創ったのか判らないから世界の崩壊は防ぎたいと?」


「そうなんじゃないかな? 崩壊しかけて転移出来ないから神様とかいう究極的な裏技を使って秀クンを送り込んだんだと思うし。」


エンデフィールの崩壊を止める為に、神自身が関わると犯人が手を出しづらくなるから人間を使いたかった。でも人間を送り込む力がエンデフィールに無くて、世界を管理する神に仕立て上げたって事だよな。


人間が神にって言っても神様の事を知ってる訳じゃ無いから、と言うか同列には絶対思わないだろう。


「もしかしたら秀クンが神様になる事が犯人を揺さぶる行為になると考えたのかもよ。」


「なんにせよ、犯人の目的がエンデフィールにあるなら、俺達が今まで通りにやってたら、何かちょっかいをかけて来るって事だろ。」


確かに聞いても俺達が何か変わった行動をしなければいけないって訳ではないな。

そっちの問題はあのクソ神達がやるって言ってる事だし。

本当にアイツらが対処出来るかは大いに疑問だが。


「とりあえず私達に話すのも予定外みたいだしこの位にしようか。」


「そうだな珍しくあの空間も結界を張ってたみたいだし、本当に誰にも聞かせたくなかったんだろう。」


えっ? わざわざ結界が張ってあったのか?


「秀一も結界の有る無し位は瞬時に判るようにならないとな。」


「そうね、今の所は関係無いだろうけど、罠系の結界に引っ掛かったら目も当てられないよね。」


二人にダメ出しを喰らってしまった。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


翌日も俺は何も無かったような感じで学校に登校する。

ニアが一緒なのはもうすでに普通になっている。


「ニア、秀一お兄ちゃんの迷惑になったデスカ?」


一緒に手を繋いで歩いていたらニアがそんな質問を言ってきた。

まぁ昨日の俺達の会話を聞いていたらそう思うか。


「迷惑なんてなってないぞ。ニアと一緒に居たいと思ったのは俺のワガママだしな。」


「ニアも一緒に居たかったデスヨ!」


俺の言葉を聞いてニアも安心したようだ。


……だからニアさんや嬉しいからって足に抱き付くのは止めようか。

歩きづらいから!



学校に行って、いきものがかりをしていると案の定、理事長が近付いてきた。


「お前らまた派手にやりやがったな。」


「さて何を言ってるのかサッパリですが?」


判りきった事だろうけど、すっとぼけておこう。


「今回はこの前来て喚いてたあの馬鹿が原因だから、こちらは何も言えんが頼むぞ……。」


そう言って俺達から離れていったが、急に振り返ってから追加の情報を教えてくれた。


「異世界ネットワークはお前達の存在を認めた……渋々だけどな。それと晶人(先輩クン)が泣いてたぞ『この顔で仕事なんてどんな羞恥プレイだよ!』ってな!」


別に異世界ネットワークとやらに認めて貰う必要性は感じないんだけどな。

もう日本でも好き勝手するって決めてるし。

グダグダ言われるのも面倒だしな。


まぁこれ以上ちょっかいをかけて来ないようになって、何かあった時に本当にちゃんとフォローしてくれるなら少しは考えてやろうかな。

今の所は俺の中の評価は地の底だからな!


先輩クンは自業自得だしな! がんばれー!



後日里美姉から聞いたら先輩クンは上司の魔王様から『阿呆』と一言いわれて、普段以上(・・・・)に営業で表に出されたと言っていた……憐れ。





そう言えばニアの事でウヤムヤになったけど、生命の創造の事を検証しなくちゃな!

お読み頂き有難うございます。

良かったらブックマークを付けて頂けると嬉しいデス。


次は予定では幕間が一話入ります。

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