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異世界の神様に選ばれました。  作者: 松本 彰
第7章 日本ドタバタ劇場
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58 あくまでも可能性

 昨日は最後に異世界ネットワークの回し者に水を差されたが、今日のメインは異空間で海水浴だから邪魔は入らないので安心だ。


朝ご飯は昨日購入した料理で済ませてから、お昼と夜の分を新たに購入しに市場に出掛けた。


今日はもう自宅に戻るのだが、異空間から直接家に帰れるのでギリギリまで遊べる。


折角なのでゆっくりして貰うため家事も休みだ。

その為に晩ご飯まで買い込む事になった。


因みにお金は親父のお小遣いから出ている。


「親孝行するんじゃなかったのか!」


なんて親父が叫んでいたけど、知らないな~!


市場で買い物をして料理をして貰ってる間に、昨日の事で何か問題が起こってないかを確認する。


「異世界ネットワークがらみだから、そこら辺の隠蔽はしてるハズだから大丈夫だよ!」


なんて里美姉が気軽に言っていたが……なんか目茶苦茶騒ぎになってるやん!


新聞やテレビのニュースで、原因不明の集団失神! 顔に不気味なアザが……。

なんて事を言っていた。


「ちょっと待って! 判る人に聞いてみるから!」


携帯を取り出して何処かにかける。

どうやら相手は昨日の先輩クンって人らしい。


襲って来た張本人に聞きますか。


話によると昨日の事は、幹部一人の独断での指示らしく、異世界ネットワークはフォローが出来なかったらしい。


その幹部も気絶していて何も出来なかった為に、誰も指示する人が居なかったそうだ。


その為に気絶した人達の回収とかされずに放置されていたので、見つけた人が警察と救急車を呼んだ為に大騒ぎになったそうだ。


先輩クンはぴこぴこハンマーで叩きはしたが、気絶まではさせていないので、あれからすぐに離れたから騒ぎに巻き込まれる事は無かったそうだ。


今、異世界ネットワークの連中は、必死に火消しに駆け回ってるらしい。


その幹部がキチンとしていればここまで騒ぎにならなかったのに! ネットワークからの正式な依頼じゃ無いって知ってたら断っていたぞバカ野郎! と叫んでいたそうだ。


でもあなた昨日は『金!』って言ってたよね?


異世界ネットワークがどれだけ被害を受けたかは分からないが、自業自得なので俺は知らん!



騒ぎになってはいたが俺達の事は漏れていないようなので気にせずに料理を購入して、異空間のコテージに戻った。


食事が終われば早速海水浴を楽しむぜ!




景色変更して沖縄の浜辺にしてはいたが、コテージから眺めていただけで、実際に浜辺に行くのは初めてだ。


各自部屋で水着に着替えて集合した。


両親は流石に泳がないから普段着だからアレだけど。

なんだみんなスクール水着か……。


ニアの水着も母さんが用意していたようだ。

キチンと正面に『にあ』と書かれたゼッケンはお約束だな。


しかしスク水……一部の人にはご褒美です! って俺が知るか!

なんて一人でボケツッコミをしつつ準備体操。


いきなり泳ぐなんてコトはしないよ?


ニアは初めての海水浴体験で浜辺の波がとても不思議なようだ。


「このお水動いてるデスヨ⁉ 足の下の砂を取って行くデスヨ⁉」


なんて言いながら俺にしがみついて来た。

俺は大丈夫となだめながら一緒に海に入ってやる。


まずはニアの腰の所に海面が来る位置まで連れて行ってから泳がせようとしたが、ニアは泳いだ事が無い事が判明する。


「ニアは泳いだ事は無いデスヨ。川は『ごぉ~っ』って流れてるから入れないデスヨ。湖は聖霊さんが住んでるから入っちゃダメなんデスヨ。」


確かに川の流れは速かったから俺でも無理だわ。

湖も獣人達は水の聖霊が守護してくれてるから畏れ多いのか。


仕方ない……俺は浮き輪をイメージして創り出した。


ニアに浮き輪を付けさせて引っ張ってやる。

ニアは大喜びだ。


「でも本当に凄いわね。これが部屋の中なんて信じられないわ。」


俺がニアと遊んでると波打ち際まで来ていた母さんがそう言って周りを見渡していた。


見渡す限り広がる海と砂浜だけど、そう見せてるだけで実際は20m画で区切ってるからちょっとアレだけどな。


「見せてるだけで限界はあるよ。」


俺はニアの浮き輪を引っ張りながら右に歩いて行く。

ある程度進んだら、ぐるっと回るように左側から母さんの居る所に戻る。

昔の異空間の廊下みたいに無限ループしている。


「あら本当に見かけだけなのね。」


設定を替えれば広さとかはどうとでもなるが、無駄に広くしても力を消費するだけだしな。


「じゃあ、海に居る魚なんかも見せかけなのかしら?」


「海とか砂浜は再現出来るけど生き物は無理だから居ないぞ。」


俺が母さんにそう答えると、母さんはニアの方を見て首を傾げた。


「おかしいわね? ニアちゃんの所に魚がみえるんだけど……」


母さんの言葉に俺がニアを見てみると、魚が逃げもせずに浮き輪をつついていた。


おかしいな何故居るんだ? この魚実体化してるぞ⁉

俺がそんな風に考えてると泳いでいた里美姉達も近寄って来た。


「秀クン、海の中凄いよ! 魚が一杯だよ!」


「もう生命の創造も出来るようになったんだな!」


はい⁉ 知らないんですけど!


俺が不思議がってると、気付いて無かったのかと二人は言って俺に説明してくれた。


考えて見れば簡単な事で、力が殆ど無いと言っても一つの世界を持つ神であり、創造神な訳だから命の創造も可能なわけだ。


「今までは力が無くて無理だったのが出来るようになり、この海岸を創る時に無意識に魚を写し取って再現したんだろう。」


「理世君のいう通りだね。秀クンも輪廻転生システムが使えるようになったって事だね!……あっ!」


「どうしたんだ⁉ 里美姉?」


いきなり声をあげた里美姉に訪ねた。


「もしかしたらニアちゃんを人質に取られてるかも!」


俺がどういう事かと聞いてみると、転生や転移ってのは異世界に行くと共に魂がそちらの世界に移る事らしい。


つまり、エンデフィールの世界で回ってる魂の循環。

輪廻転生の輪から地球の輪廻転生の輪にニアの魂が移ってるって事だ。


そして転生や転移をした者は、役目を終えた時や死後に神様から選択するように言われ、元の世界に戻る選択をすれば魂は元の世界の輪廻転生の輪に入るそうだ。


「でもそれはあくまでも神様次第なんだよ、現に理世君は選択する事無く元の世界じゃ無く日本に転生させられてるし!」


そう言えば理世は、全然別の世界から異世界転移で勇者になって、その後に転生で日本に生まれた珍しい存在だったな。


そう考えると神様の気分次第でやりたい放題って事か⁉


「それって命を握られてるって事か? でもおかしくないか?」


俺が疑問に思ったのが命って寿命とかを差す訳だろ?


その世界の生き物の命を全て握っているなら、魔王とか現れて勇者が倒すとかやらないで、邪魔な存在はさっさと消せば良いんじゃないか?


「秀クン根本的な事が間違ってるよ。 魔王とか勇者って世界の存亡をかけた戦いに見せかけた神様達の娯楽だよ。」


はぁ⁉ なんじゃそりゃ!


「勇者だと言ってる俺が言うのもアレだが、お前が今苦労している信仰心集めのネタだったり、平穏になって暇になった神のお遊びなのは否定しないな。」


理世が元の世界の神を駄女神って言ってる理由はそこにあるそうだ


そりゃ命を遊びのネタに使われたら堪ったもんじゃないよな。


って言うか俺にも当てはまるのか!

元は俺の意思を無視して神にした挙げ句、一年の寿命とか言いやがったしな!


確かに神様の気分次第って訳だな。


「でもそうすると神様ってのは勝手に他の世界から転生とか転移で魂を引っ張って来れるのか?」


「神様同士が話してお互いが了承しないと出来ないハズだよ。」


「出来るのであれば俺はさっさとお前の輪廻転生の輪に入れて貰ってるぜ。」


あれ? でもそう言う事なら、理世はエンデフィールに出入り出来るんだから、俺の管轄になってないか?

それにニアも俺が転移を許した事は無いし!


「よく思い出せ、俺達はアイツらの力を借りてお前の世界に行けるようになったんだぞ。お前の力だけで転移した訳じゃ無いから魂の移動はされていない。」


「ニアちゃんの事もマニュを通して日本に行けるように相談したんでしょ? それが転移に了承した事になって魂も移動したんだよ。」


俺がニアの心配をしてどうにかならないかって聞いたのは間違い無いがそんな事になるとは思っていなかった。


勝手に俺の知らない所でマニュとクソ神がニアを異世界転移させたのはそんな意図があったとは!


「あくまでもその可能性があるだけで、決まった訳じゃ無いけどね。理事長達が疑問に思っていた事を考えるとその可能性が高いかなって。」


異世界転移をするための大義名分が必要っていうアレか……。


「俺が前に言っただろうアイツらの都合の良いように誘導されてるって。」


しかし今の所はアイツらの思惑通りに行動しているから問題は無いだろうと理世達は思っているようだ。


あの時は残り二年って所だったから、俺が諦めて日本で過ごすかもしてないと思って保険のつもりだったのかもしれないな。


あくまでコレも推論にしかすぎないが、マニュとかに聞いても欲しい答えは帰って来ないだろうしな!





クソっ! 楽しいバカンスのつもりが、余計な火種を知る結果になったぜ!


お読み頂き有難うございます。

良かったらブックマークを付けて頂けると嬉しいデス。


段々、話の設定の整合性がズレていってるような……

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