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異世界の神様に選ばれました。  作者: 松本 彰
第7章 日本ドタバタ劇場
60/68

57 やはり来ますか?

 週末になってサクッと沖縄にやってまいりました。


まずは良さげなロケーションを目玉クンで探してからコテージの景色変更。

美ら海(ちゅらうみ)が広がる白い砂浜が素敵な浜辺にしてみました。


もしかしてこれをすれば態々沖縄に行かなくても良くね?

なんて思わなくも無いがツッコミは受付けません!


ちゃんと観光地も巡るので問題無し!

米軍基地巡りとか米軍飛行場とか埋め立て地とかとかとか……は冗談として。


一番の目玉はホエールウォッチングだし、首里城や市場で食材を買って料理してもらったりとか美ら海水族館なんかも捨てがたいぜ。

転移を使えば移動時間も必要無いし。

屋久島の原生林とかも良くね?


えっ! そんなのエンデフィールで腐るほど見れるじゃん?


それはそれ、これはこれだよ⁉

俺の親はエンデフィールに行けないしな。

親孝行だよ⁉


なんてテンションアゲアゲでやって来ております。


海水浴に関してだけは、コテージの前がプライベートビーチ化してるからそっちを使うけどね。

ニアが擬装せずに本当の姿で遊ぶ事も出来るしな。


まずはお腹を空かせる為に首里城辺りの観光から。

もちろん建物のちょっと触っても問題無さそうな所をちょこっと触って情報収集。

細部は目玉クンがあるから態々写真を写す必要はない。

まぁ、みんなで写真撮影はするけどな。


こんな派手な造りの建物を獣人達の街に創ったら凄いと思わないか?

森の緑に湖の青、その中に赤と金色のド派手な建物は目立つと思うんだ。

正式に街から国になる時に創ろうかと思っている。


人族と対等に交流するためにはこう言ったハッタリ要素も必要だと思うんだよな。




終わったら早速市場で大量に食材を購入して料理を頼む。

作って貰った端から魔法の鞄にコッソリ収納。


今日と明日の分を纏めて作って貰う予定だ。

余っても魔法の鞄に入れておけば出来立てだからな。


後でレシピを集めるのも忘れない。

そうすれば料理のレパートリーが増えるしな!

何時でも再現出来るこの能力は便利過ぎるぜ!


人海戦術で料理を集めたら、コテージに戻って海を見ながらバルコニーで食事をする。


ラフテー等の豚肉料理に魚介類の唐揚げやバター焼き。マース煮などなど、結構大味なやつもあるがご愛嬌だ。


ゴーヤチャンプルーなんかは流石に食いしん坊のニアでもダメだった。

口に入れた途端に『うきゅうぅぅ~!』と叫びながら転がり回っていた。

でもちゃんと口に入れた分は出さずに食べたのはエライぞ。


食べ終わったらホエールウォッチングだ。

色々な場所でやっているが、生憎と長い期間の所でも12月下旬から4月上旬まで、残念ながら今はやってない。


しかし目玉クンを使えば大丈夫!

いる場所を探し出して教えてくれる。


俺は乗り込む船をイメージして、魔力で無理矢理操作出来るヤツを創る。


えっ? それをするならわざわざ沖縄で無くてもいいだろう?


旅行の気分を味わいたいんだからいいんだよ!


念のため船に里美姉の魔法で結界を張って貰ったから間近で見ても大丈夫!


大きいクジラが、海面にザバッっと飛び跳ねるように頭を出すブリーチングや潜る時に尾ひれを動かすフリークアップやダウン。

海面に尾ひれを叩きつけるテールスラップなんかを見るとニアの興奮度はマックスだ。


一度陸に戻ったら転移で屋久島へ。

屋久島の原生林を見たらニアが「ニアの住んでる森の深い所はこんな感じデスヨ!」と母さん達に言っていた。


日も暮れ始めたので今日はここまでだ。

結構駆け足で観光したが楽しめたのでヨシとしよう。


母さん達は先にコテージの方に行って貰って、露天風呂を楽しんで貰う事にした。

ニアも一緒にと母さんが誘っていたが、何かを感じ取ったのか俺達と一緒に居ると断っていた。


母さん達が異空間に入った所で、さっきから気にしないようにしていたマップを見る。

まさかこっちでマップが自動展開するとは思わなかった。


「これってやっぱり異世界ネットワークがらみだよな?」


「うーん、それ以外は思い浮かばないかな?」


「まぁ最初だし、警告程度の脅しのつもりじゃないか?」


近付いて来る赤い光点は20程だ。

目玉クンと連動するようになった新たなマップは光点を指し示すと画像が現れるようになっている。


「あれ? この人先輩クンじゃないか!」


里美姉が一人知り合いを見つけたようだ。


「ほらほら秀クン。前に勇者を名乗った商人の話をしたじゃない? この人だよ。」


そんな人の話を確かに聞いたね。

いきものががりのOBだな。


「ここで派手な魔法を使う訳にはいかないぞ! どうする?」


理世がそんな事を聞いてくる。

確かに一般人も見てるかもしれないのに、魔法なんて使う訳にはいかないよな。

それは向こうも同じハズ。


争ってるように見えないようにして戦うには……そうだ!


俺は良いコトを思い付いたので実行に移す。


イメージを集中させて創り出したのは。


「ぴこぴこハンマー?」


人と人が戦う玩具の定番だな。

ハリセンでも良かったがこちらの方が周りに遊んでるというイメージをさせ易いと思ってコレにした。


「ぴこぴこハンマーの柄の所から魔力を流して叩いてくれ!」


俺がそう言ってみんなの分を配る。


試しに理世が魔力を込めて自分の手を叩いた。


「うわーっ、真っ青なアザっぽい色が付いた!」


あーあっ、やっちゃったね。


「何もしなければ一週間もすれば消えるぞ。」


「一週間もアザっぽいのが付いたままかよ!」


「もちろん誤爆対策もしてる。ぴこぴこハンマーを色の付いた所にあてて、魔力を抜いたら一緒に色も消えるから、ハンマーを持ってる限りは大丈夫!」


「つまり、見える所を叩いて恥ずかしい思いをして貰おうってコトだね!」


俺の意図が判ったようだ。

向こうは何処までやるのかは判らないがこちらに手を出せばどうなるかを判って貰おう。


こちらが本気になればこの程度の遊びじゃ済まないぞ! という警告替わりでもある。


ぴこぴこハンマーの使い方も教えたしそろそろ始めようか!


ニアはステータスとかマップを見る力を持ってないから俺と一緒に行動する。


今度ニアにも使えるようにしないとな。


俺とニア。里美姉と理世、三方向に別れてそれぞれ相手をする。


俺の方はニアと一緒なので一番多い集団の9人が相手だ。


目玉クンで確認する限り頭の悪いヤンキーっぽいけど、異世界関係者には全く見えない。

表示されたステータスのMPが高く無ければ判らないだろうと思える位バカっぽい。


「おいテメーか⁉ なんか一人で粋がってやりたい放題してるって野郎はよぅ!」


……訂正。バカっぽいじゃなくバカだ。

ちょっと挑発してどうなるかを見ようか。


「だったらどうした? お前達みたいなバカ程迷惑はかけてないぞ? あっ! お前達みたいなのと同列に扱ったらバカの人に悪いな!」


「なにぃ⁉ 俺達がバカ以下って言うのか! あんまりチョーシくれてっと痛い目を見るぞ!」


「いやいやお前達に比べられるバカ以下の人にも悪いだろう。ゴミ扱いもゴミが可哀想だから、『存在自体が残念』がお前達にはお似合いかな。」


それを聞いた、存在自体が残念なヤツらは一斉に俺達に殴りかかってきた。


俺はともかくニアにも容赦無しかよ!

本当に存在自体が残念だな!


魔物相手に比べると止まって見えるような動きだ。

俺は攻撃してきたヤツの目の所にぴこぴこハンマーを叩き込む。


連撃で左右両目を一瞬で叩いてやった。

反射的に目を瞑るから目自体に影響はない。


綺麗なパンダ顔の出来上がりだ。


ニアなんかは容赦なく何度も顔を叩くから顔が真っ青だ。


コレ位ならニア一人でも問題無いと思う程の残念な相手だ、全員に漏れなく青アザの落書きをプレゼントしてやる。


ヤンキー達は自分達の顔を見合わせて怒り狂ってるみたいだ。


顔が真っ赤になってるかもしれんが青アザのせいで良く判らんな。


ヤンキーの中の一人が何やら呪文を唱え始める。


おいおい魔法なんて使っていいのか?

お前らの組織はそう言った力の規制が厳しいんだろ?


俺の行為を糾弾する為に来て自分達が使ってたら本末転倒じゃね?


まぁ俺には関係無いけどな!


神の鉄槌(ケラヴノス)!』


もう使い慣れた雷魔法をヤンキー達に行使する。

力を抑えているがみんな気絶している。


穏便に済まそうと思ったのに、最初に魔法を使おうとしたのはコイツらだ。

後のコトなど知らん!


俺の方は片付いた、理世達の方はどんなかな?


目玉クンで状況を確認する。

理世の方は6人か……瞬殺だったみたいだね。

ぴこぴこハンマーで殴っているのに、気絶するってどんな力で殴ってるんだよ!


里美姉の方は5人。

残ってるのは1人だね。


なんか話し込んでるみたいなのでこの人が先輩クンって人だろう。


「センパイどうしてここに居るんですか? それになんで私達を相手にしてるのか判ってます?」


ああっ、ついでに尋問もしてるのか。


「俺だって気は進まないんだよ! みんな安月給が悪いんだ!」


お金で雇われたって事か……。


「上司の魔王様はどうしたんです? センパイとコンビ組んでましたよね?」


おう……魔王様も居るのか。

そう言えば会議室でそんな事を言ってたな。


「あの人は『割りが合わん!』と言って不参加だよ!」


もしかして魔王様は今の状況が判ってる?


他にも色々と聞いているが隠す事無く喋っている。

本当に大丈夫か?


内容として今回の事はあの時一番に突っ掛かって来たヤツの命令で動いてるようだ。

組織としてでは無く個人的に金で集めたみたいだな。


聞くだけ聞いたので終わりにするみたいだ。


「見逃してはくれんよな?」


「はい! しっかりと反省して下さいね!」


スパーンとぴこぴこハンマーで顔を叩いて恥ずかしい青アザのマークを付ける。


先輩クンはポケットからハンドミラーを出して確認する。


「うわーっヒデ~! 明日からの営業どうしよう……洗って落ちるのかコレ⁉」


「落ちません! 一週間らしいですよ。」


「あああああっ……本当に割りに合わねぇ……。」


先輩クンはその場に崩れ落ちた。


もう戦う意思は無いみたいだし放置するみたいだ。


さて、みんな片付いたみたいだしコテージに戻って晩ご飯にしよう。





その前に『神の鉄槌(ケラヴノス)!』

目玉クンを通して今回の首謀者に神の鉄槌を下してやった。

お読み頂き有難うございます。

良かったらブックマークを付けて頂けると嬉しいデス。

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