56 気合は必要ですよ
本日2回目の投稿です。
ブックマークをされてる方はお気をつけ下さい。
異世界ネットワークとかの存在を知ってから数日。
特に変わる事無く普通に生活している。
今の所何も言って来ないのでアレだが、きっと理事長が言ってたように揉めていると言うか、内部も組織として結構おかしくなっているのだろう。
その間も俺は好き勝手に力を使わせて貰って、色々と俺の環境を良くするように動いたけどね。
後手に回ると面倒臭くなりそうだしな!
ニアは完全に俺のクラスと言うか学校に馴染んでいる。
今では一緒に登校して、いきものががりの仕事をこなして一緒の教室で勉強……本当にいいのか⁉
ニアも街に遊びに行くより動物達の世話の方が好きみたいなので、放課後は以前のようにいきものががりの仕事をしている。
飼育棟で理事長にも会うが別に変わった事はなく。
「堅苦しいのは苦手だから今まで通りな!」
などと言われた位か……正体を隠してる訳では無いが大っぴらにする気も無いって所だな。
そんな感じで今日も朝のいきものががりの仕事をニアとしていたら、あの日以来会っていなかった理世と里美姉がやって来た。
「おはよー!秀クンお待たせ!」
「なんか色々と面倒だっただろう?」
そう言う風に言って来るって事は向こうから戻って来たんだな。
「少し位は教えておいてくれても良かったんじゃないか?」
俺がそう文句を言ったが、やはり過去と未来が交差する時にヘタな行動は危険だから何も言えなかったそうだ。
あと面倒事になるかもしれないので、ここ数日は意識的に俺から避けていたそうだ。
俺もここ数日は理世達に相談はしなかったしな。
戻って来たのなら色々と話をしよう。
「取りあえず、放課後に異空間の部屋で話をしようぜ。」
俺がそう切り出すと、理世達もここ数日の俺の行動が気になっていたらしく直ぐに了承した。
「秀クンがどうしていたのか向こうに行っても気になってたんだよ。」
「向こうでお前に未来の話をする訳にはいかないからな。」
そうか向こうでは俺と理世達で過去と未来が逆転するんだね。
詳しい話は放課後にするようにして、今はサラッと週末に沖縄に遊びに行く話をした。
「いいね! みんなでバカンス! 今回の目的にも合致してるしね!」
そう言って本格的な計画も放課後という事にして別れた。
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放課後になってサクッと俺は異世界の部屋に転移する。
理世達もやって来たが俺の部屋に入るなり、廊下に新しい扉が二つ追加されている事を聞いてきた。
ふふふん! 俺も色々と思う所があって対策を練ったのだよ。
一つ目はただ単にバカンス用の部屋を創った。
扉を開けると30m画の真っ白い空間があり、中央にコテージ風の建物を創っている。
これを創る為にガイドブックを調べて、わざわざ目玉クンを使って転移して情報を集めたぜ!
真っ白い空間は目玉クンを使って外を投影出来るようにしている。
キチンと体感出来るように投影した物は複製して配置出来るようにしてある。
これは理世や里美姉が滝やら森を隠れ家と一緒に持って来ていたのを参考にイメージした。
「へえっ、何処の景色でも自由に変更出来るんだ! いいね! 今度私も使わせて貰おうかな?」
里美姉もそう言って眺めている。
部屋も複数創ってあるので、みんなで旅行とかする時はこの部屋を使おうと思っている。
お風呂は今ので問題無いが、一応男湯と女湯に別けて露天風呂をコテージの所に創っている。
景色を楽しみながらの風呂も旅行の醍醐味だと思うからな!
因みにこの露天風呂は温泉仕様だ。
温泉地にも行って温泉のデータを取ってきて、俺の創造の力のイメージを、温泉の湯を創り出す事だけにして、水晶に移し込んでみた。
魔力を水晶に込めると温泉のお湯が涌き出したので、追加で魔素を集めて魔力に変えるような機能をイメージしておいた。
お陰で掛け流しの天然(?)温泉の露天風呂が完成だ!
「ちょっと秀クン! この温泉だけでも良いよ! 旅行してなくても使えるように景色変えとこうよ! 何も無い真っ白い空間は落ち着かないから!」
俺は部屋の光景を変化させる事にする。
温泉の目の前を海辺にして、遠くを見れば富士山が見れる場所を目玉クンに指示して投影させる。
投影された景色は自動で複製されて実体化する。
我ながら良いものを創ったと思うぜ!
「いいよいいよ! 私しばらくこっち露天風呂を使うね!」
「良いけど、沖縄に行ったらそっちの景色に変えるからな。」
里美姉に念の為に言っておく。
まぁ目玉クンがある限り何時でも好きな光景を投影出来るんだけどね。
「でも秀クンも遂に世界創造の力を使えるようになったんだね!」
はい? 何の事だ⁉
「世界創造? 身に覚えがないけど……。」
「何を言ってるの? この景色の複製で使ってるでしょ⁉」
そう言われれば、俺が現地に行って情報を仕入れた訳じゃ無いな。
それに目に映る光景をそのまま複製するなんて左手で触れれないのに無理があるだろう。
コテージや温泉の湯辺りは直接情報を仕入れたけどそれ以外は目玉クン頼りだからな。
「言われて見たらそうだね。気付かなかった。」
一応段々神様っぽくなって来たって事か!
一つ目の部屋を一通り説明した後、もう一つの部屋に移動する。
この部屋は前々から考えていた世界を監視する部屋だ。
向こうの世界で創るつもりだったが、異世界ネットワークやらの事があったので、急遽創り出した。
こちらも30m画の空間の壁に、スクリーンが沢山付けられていて、目玉クンからの様々な映像をずっと映している。
全部を見る訳じゃ無く、情報を収集するためにずっと映った光景を記録している部屋だ。
知りたい情報は指示すると何処でも目の前にスクリーンが現れて映るようにしたので、この部屋に来る必要はない。
だからここにはスクリーン以外何も無い。
記録した情報は俺の中の水晶にどんどん蓄積される。
こちらの神じゃ無いのでそんなに集める気は無かったのだが、アイツらが何をしてくるのか判らない以上、情報は必要だ。
俺は目玉クンを大量に創り出して、日本中どころか世界中にばら蒔いている。
もちろん全部ステルスモードにして誰も気付かないように注意している。
魔力を持っている人間はマーカー機能を追加でイメージして創ったので、しっかりとマークしている。
このマーカー機能を使ってみて判ったのだが、異世界関係者は日本に集中していて外国はゼロでは無かったが非常に少なかった。
「ああっ、それは管理面で都合が良いように転生の時は日本になるようにしているハズだ。
外国に居るのは転移者で元の場所に戻ったか、移住や仕事で海外勤務だったり、旅行者とかだな。」
やっぱりクソ神と異世界ネットワークは繋がってるんだな。
マークしている人間は数万人も居るんだから、どんだけ転生や転移しているんだよ! って感じだな。
年間の行方不明者の何割が異世界に行ってるんだ⁉ って話だな。
確かにこれだけ居れば異世界関係の小説やアニメ、マンガになって溢れかえっても納得出来るな。
「因みに世界中に一億以上の目玉クンを創ってばら蒔いたから、世界中の何処でも行けるぜ!」
「うわーっ、ハデにやったね秀クン。」
「売られたケンカは買う前に叩き潰す!」
マーカーを付けたお陰で、異世界ネットワークの本部と思わしき施設や関係者も判っている。
マーカーにはもちろん敵味方判別機能付きだ。
異世界ネットワークの幹部の殆どは赤い光点だから敵対者だな。
最初は白い光点で中立だった人が多かったけど段々赤になった。
まぁ俺が好き勝手に力を使ってるから気に入らないのだろうな。
因みに理事長は白い光点のままだ。
敵でも味方でも無いって立場を維持するようだね。
他の大多数は無関係だから白い光点。
学校内に青色の光点があるけど、いきものががり仲間やニアの可愛さにヤラれた人達だ。
あとは学校以外でも少し青色の光点があるが、俺の知らない人達ばかりだからきっと理世達を通して協力してくれている人達だろう。
「情報も常時入手出来て住む所も安全地帯の異空間。食料も無限に作成出来るから、あの人達に勝ち目は無いよね。」
「本来、神にケンカを売る方が間違ってると思うぞ。」
やっぱり理世達も異世界ネットワークには思う所があるんだね。
理世達も俺のこの力の入れ具合を見てどれ位本気になってるか判ったようだ。
日本は休息の為に利用しようとしか思って無かったしな。
向こうの世界より監視と情報収集を強化するなんて思って無かったよ。
向こうに戻ったら同じように目玉クンをばら蒔いて同じ事をするので、予行練習だと思っとこう。
ここ数日の俺の行動はコレがメインなので見せれば終了だな。
後は週末の打ち合わせのみだ。
俺達は里美姉がいつの間にか用意していた沖縄の観光ガイド本を見ながらワイワイと計画を立てていった。
ニアはどういう所か判らないのであまり口出ししなかったが、食べ物の所では「これ食べたいデスヨ!」とか言って興奮していた。
母さん達は行ければいいという感じだったので俺達にお任せだ。
正式に理世達が戻って来て合流出来たんだし、向こうの世界である程度成果を残せたお祝いで、少し位はハメを外そう!
お読み頂き有難うございます。
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