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異世界の神様に選ばれました。  作者: 松本 彰
第1章 世界の最底辺からこんにちは
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4 神様の戦い

初めての戦闘です。

戦う相手は…………(笑)

貰った防具や武器を身に付けて、完璧に神様というよりも駆け出しの冒険者のようになってしまった秀一は改めて思う。


「これって結局、異世界召喚とどう違うんだ?」


エンデフィールに異世界召喚や転生をさせる力が無いという割には、今ここに居る俺ってどうよ?と思う事は多分間違って無いと思う。


自分のすべき事は聞いたが、どうにも良い様に使われているだけのようで(実際にその通りなのだが)判ってはいるが納得出来る物ではない。


(そこんとこどうなんですかねーぇ?マニュ)


『異世界召喚や転生等はエンデフィールの力を使って行使しますが、行使の際に莫大な力が必要になります。あなた様は殆ど力を使用しておりません。外部の力がメインですね。』


(もうちょっと判り安く説明してくれ)


『例えばこの世界を会社と考えれば、あなた様は社長で倒産寸前の会社を経営しています。

従業員はやる気が無くただ居るだけ、起死回生の策で外部から優秀な社員を引き抜きたいが、その資金はありません。

社長のあなたは倒産を防ぐために身銭を切って馬車馬のように働くのです!』


(俺に対してブラックだなっ!その身銭ってのはなんだ?)


『あなた様の命?』


(おーいぃ、何してくれてますのん!)


考えたくもない嫌な例え話を聞かされて、ブラックであんまりな現状を知らされる秀一。

おまけにこちらに来る為に勝手に命を使われるなんて悪魔もびっくりである。


『この世界とあなた様は繋がってますので、例え寿命があと60年程あったとしても1年で終わってしまいますし、命を代償にこちらに来て寿命を伸ばす努力をされた方が建設的かと。』


(俺を選んだクソ神共め覚えてろよ!絶対に仕返してやる!)


例えようもない怒りを感じながらも、今すぐにはどうする事も出来ないので、もし万が一にでも神々に会う事があれば仕返しをする事を心に誓う。

そしてこの行き場の無い怒りの矛先は……


(おい、それでこれからどうすればいいんだ?魔物を倒すにしても何処に居るか判らんぞ!)


『そこは野生の勘?捜査は足を使ってナンボ?』


(アホか!良くあるマップ機能っての作れや!)


『そう言った物を創るのは本来あなた様だと思うのですが仕方ありませんね、代行致します。これで益々力が無くなりますよ。』


(こう言ったのは初期投資だ!敵と味方の判別と強さとかは最低でも判るようにしとけよ。)


『創りました。マップと唱えて下さい。』


(マップ!)


頭の中に地図が思い浮かぶ。

自分の現在地は白色の三角形で表示されている。

地図を見る限り上が北を示し東西南北となっている。

今が森の中で北の方に行くと山がある。

北西の方に湖があり、そこから川が流れているようだ。

町や村などはこの近くには見当たらない。


マップのあちらこちらに赤色の丸が見えその下に1とか5とか表示されている。


(この赤い丸が敵って事か?数字はLV?)


『そうです。LVはあくまでも目安ですので相性によってはLVが高くても勝つ事が出来ますし、逆も然りです。あと今は表示されて居ませんが味方は青、不明は白の丸です。他に気になる点がある時はご自分で改善された方がよろしいかと。』


(いきなり言われて出来るなら苦労しない)


『ちゃんとあなた様に情報を写してるはずですが……嫌がらせと共に。』


(そんな訳が……おおーっ、なんかやり方が頭に浮かぶぞ!スゲエな聞く英会話!)


『すでにあなた様の中の水晶とのリンクも完全に終了しましたのでそこからの情報と力を自分の意思で使用する事ができます。』


(急に全部は無理だろうがやってみよう)


『私はナビですので判らない点に関して助言致しますが、あまり過度の干渉は本当は出来かねます。』


なんとなく、意識を左手に向けると何か大きい器のような物が中にあるような感じがして、更にその器の中に集中すると下の方に水のような物を感じる。これが力の源なんだろう。


感覚的にダムの水が干上がって底にちょこっと水溜まりが残ってるような感じだ、本当に残ってないらしい。


「本当に全然残ってないな、この器の大きさからして力は結構あったみたいだけど。」


『そこはこの世界を作られた神様達が有意義にご使用になられました。』


つまり無計画に使いまくった訳だな。

まぁ、これ以上は考えても無駄だな、とりあえず動いてみてから考えよう。


さて、本題に戻るか。

北西の湖の近くの方の赤い点が1の表示があるから、LV1って事だな、複数あるしそっちに行ってみるか。


やっと戦う準備と覚悟ができたらしい。

湖の方に向かって歩き出す。


えっと、マップを見る限りじゃ1時間位か、敵の情報は見れるか?


マップを見て自分の位置から一番近くに表示されている赤い丸に意識を集中させる。


ーーーーーーーーーーーーー

名前 森犬

種族 犬

JOB ーー

LV 1

HP 32/70

MP 0/0


【スキル】

なし


【称号】

自然と共に生きるモノ


【備考】

噛みつき攻撃で稀に状態異常

ーーーーーーーーーーーーー


「ただの野良犬?噛みつきで状態異常って狂犬病か!」


異世界で最初に遭遇する敵は犬らしい。


「まぁいい、野犬でもバカに出来ないからな」


そんな事を考えつつ近付いて行く。

まもなく遭遇する位になって犬の唸り声が聞こえてくる。


「グルルルルルッ」


いつでも攻撃出来る様に左手に片手剣を握りしめ、右手に盾を構えながら近付いて行く。

木々の間から犬の姿が見えてくる。

そこには体長2m(尻尾を入れると2.5m)高さ3m位にはなろうかという犬が居た。


「でかっ!これもう普通の犬じゃないだろう。異世界パネェ!」


そう言ってる間にも森犬は身を屈め、今のも襲いかかりそうな体勢を取っている。


「グルルルッ、ワンッ」


ひと鳴きして秀一に向かって駆け出す。

開いた口の端からヨダレが垂れている。


「うおっ⁉来たっ」


びっくりしている間に迫ってくる森犬に恐怖を感じながらも、

しっかりと 森犬から目を離さず剣を構える。


真っ直ぐに向かってくる森犬が大きく口を開けて襲い掛かろうとするその鼻の先に盾をぶつける様に突き出して、森犬の突進の力を流すように右側に回り込む。


「ギャウンンッ!」


鼻先にぶつけられた盾が痛かったのか、顔を上下に振りながら秀一を睨みつける。


「うおおっ、おっかねぇ!」


最初の攻撃は上手く避けれたもののかなりビビっている。


「グラッッ!」


今度は突進せずにゆっくり近付いて来て、左右に少しずつズレながら顔を伸ばすような感じで口を突き出し噛みつこうとする。


高さでは圧倒的に森犬が高く上から見下ろすような感じの攻撃は力強く、上の方に向けて構える秀一の方が圧倒的に不利だ。


それでも秀一は噛みつきを避けるように森犬の鼻先の正面に盾が来る様に構え噛みつくために顔が伸びきった瞬間を狙って首の所に剣を突き出す。

下から上へ死角を突くように振り上げる剣は森犬も鬱陶しいみたいでかなり意識している。


何度か交互に攻撃を繰り返したのち、やっと秀一の剣が森犬の首に当たる。

致命傷ではないが、痛みに森犬が下がった瞬間に、顔を下げて痛がってる森犬の顔面に剣を振りかぶる。


「ギャウウウンンッ」


切られた顔面から血が吹き出し、ゆっくりと倒れていく


「痛って~ぇ、顔面硬っ!頭蓋骨硬っ!血がブワッてグロッ!」


頭蓋骨で守られた顔面はかなり硬く、切り裂くと言うより頭蓋骨を叩き割り、当たった反動で剣が跳ね返された感じだ。

剣を持った手が痺れている。


顔から血が流れて割られた頭から脳ミソが少し出ている光景はかなりグロかった。


「それでもどうにか倒したぞ!後はこれをどうすりゃいいんだ?魔石なんてここから取りだしたく無いぞ。」


倒した森犬を眺めつつ、水晶に意識を集中させる。


態々解体しなくても、触りながら取り込む様にイメージすればいいのか。

これ以上のグロは勘弁だからラッキーだな!


森犬に手を宛ながら心の中で「収納」と呟く。

森犬の体が光の粒に変わりゆっくりと消えていく。


「おおっ、マニュみてぇ」


『全然違いますから!』


戦闘開始前から聞こえなかったマニュの声が聞こえてくる。


(消える時の感じがマンマじゃん)


『はぁ~、もういいです……どうやら無事に倒せたようですね。水晶の扱い方もどうにかなるようですし、この調子で頑張って下さい。』


(判ったよ、とりあえずやってみるわ。)


どうにかこうにか戦う事が出来て一安心する秀一であるが、

やっぱりこれ神様のやる事じゃねぇよなと改めて思う。

お読み頂き有難うございます。

良かったらブックマークを付けて頂けると嬉しいデス。


とりあえず設定説明が粗方終わった感じかな?

話がスムーズに進むようになったら良いな~~。


癒し成分がそろそろ欲しい。

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