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異世界の神様に選ばれました。  作者: 松本 彰
第6章 求められるモノ
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42 判っちゃ居たけど

どうにか勢いをつけて『例の国』に向かう秀一達。


ニアは今回はお留守番だ。

連れて行くには『例の国』は残念すぎるし危険だ。


あと見せたく無いモノもあるかもしれないしな。



一番最後に来た地点から再び飛行魔法で飛び立たった所で警告アラートが久し振りに鳴りマップが自動展開する。


「「何コレ?いきなり出て来たけど⁉」」


「なんか懐かしいと言うか忘れてたな。自分がマップでチェックしてるなら出ないけど、近くに敵性反応があったら出るようにしてたんだっけ?」


「へーそれは便利かもしれんな」


「ステータスも一緒に出て来て見れるんだ。」


最近はマップを見てから魔物を狩っていたので存在を忘れていた。

夜は村に戻っていたしな。


「えーっと確か設定は、自分から半径1kmの範囲を自動で検索して敵の確認。明らかに敵意を持ってこちらを目指して近付いて来ているモノ。」


それと、自分から半径50m以内に居るモノ。距離は関係無くこちらに害意を向けるモノ。だったかな?」


「この場合は最初のに当てはまったのかな?」


「多分そうだろう。空を飛んでるから鳥人族と間違われたんじゃないか?」


「こっちに向かってるの人間だもんね。」


ステータスを見ると種族が人間になってるし、JOBが奴隷狩りって出てるから間違いはないだろう。

とりあえず、下に降りてから歩きで移動することにした。


もし遭遇しても良いように装備はありふれた感じの革鎧にしている。

理世が持っていたヤツを日本に戻った時に情報を得た物だ。

勿論、素材は全然違う物にしているので見た目だけだ。


奴隷狩りが職種だなんて最悪だな!と思いつつ遭遇しないようにマップを見ながら移動する。


向こうは何か判る手段でもあるのか、的確にこちらに近付いて来ている。

振り切って逃げてもいいが、獲物と間違われて攻撃されるのは避けたい。



そう思いながら移動していると理世が俺に話しかけてくる。


「そう言えばこの世界のお金ってどうなっているんだ?」


「………全然、お金を使う場面なんて無いから考えた事も無かったな。」


「確かに森の中や獣人達だと必要ないよね。」


「でも何でいきなりお金の話になるんだ?」


「こういう奴等は人間相手だとすぐに盗賊にJOBチェンジするよな~と考えたら思い付いた。」


「ああ、命が惜しかったら有り金全部出せ!的なやつね。」


よくあるお約束だよな。

でも、今から『例の国』にも行くんだし、お金の事は知っていた方がいいな。


(マニュこの世界の通貨について教えてくれ!)


『そうですな、お金に関しましては日本通貨に置き換えた方が判りやすいでしょうな。』


マニュがこの世界で使われている通貨を日本通貨に例えてくれた。


石貨=1円

銅貨=10円

鉄貨=100円

銀貨=1000円

大銀貨=1万円

金貨=10万円

大金貨=100万円

金版=1千万円


普通の硬貨の大きさが大体100円玉ぐらいで、大が付く硬貨が500円玉の大きさらしい。

金版は10cm×15cm厚みが2mm程の純金の板だそうだ。


『金貨は中に含まれてる金の含有量がありますので純金である板がこの大きさになります。』


俺は理世達にマニュから聞いた通りの事を伝える。


「結構判りやすいな、秀一俺が教えた純金とか純銀は作れるか?」


「そうだな、やってみよう」


俺は理世に見せて貰って情報を得た純金をイメージする。


「秀一!余りでかくするなよ!」


イメージの途中で理世に言われて修正する。

確かに余り大き過ぎると持て余しそうだ。

小さく小さく………アレかな……。


イメージして出来上がった物を理世達に見せる。

全部で100個ほど創った。


「金の珈○豆………」


「なんかそれが一番イメージが強くてな!」


「………まあいい、この大きさの純金なら金貨2~3枚位いけるか?」


『この世界で一番信用度のある国の金貨で2枚。『例の国』の金貨で5枚でしょうか。』


差が凄いな!

それだけ金の含有量が少ない粗悪品なんだろう。


俺がまた理世達に伝える……本当に皆で話す時は出て来させた方が早いな。


「判った。この辺じゃ金貨5枚……50万って事だな。」


この大きさで50万❗スゲーな!

今の創ったので、5000万円か⁉

日本の金の取引額と比べてしまうぜ。


『この辺じゃ金版は作られておりませんので金版だと2枚程、2000万円ですか。』


「金版だと純金だからな……ちなみに一番信用度のある金貨を出してる国は?」


『フーリス王国と魔王国です。』


フーリス王国ってのは知らないが魔王様スゲー!


「魔王国ってのは以外だが、それだけ人間の国が駄目っていうだけだろう。」


話を聞いた理世のツッコミが容赦ない。


「フーリス王国ってマトモな部類?」


里美姉の質問も何気に容赦ないね。


人間(・・)らしくない人間(・・)の国ですな。』


「秀クン『例の国』止めてフーリス王国にしない?」


「気持ちは判るけど、ここをどうにかしないと獣人達が困るよ。」


「そっか!それがあったんだよね。」


どうにか『例の国』を回避したいのは俺でも判る。

本音を言えば全力で近付きたくない。



そうこう言い合ってる内に敵意を向けている奴等が近付いて来た。

全員で12人か。


「なんだぁ?この餓鬼らは⁉獣人じゃねぇのか?」


「最近は獣人達も見ねぇし、コイツらでもいいんじゃねぇか?」


「バカ野郎!餓鬼でも人間は違法だろうが!」


「知らねえのか?裏だよ裏!獣人が捕れねぇんで裏で取引されてんだよ!」


俺達を見て好き勝手に話してる。

有り金全部じゃなく、丸ごと全部みたいだ。

獣人じゃなくても取引出来るらしい………腐ってる。


「へっへっへっ!オマエらそう言う事………」


「秀一いいか?」


「程々にね。」


バカ野郎達の台詞を全部聞く事無く、理世が動く。

複数の猪相手に無双出来る理世にコイツらが歯に立つ訳がない。

一瞬で無力化して気絶させる。


「理世クン、始末しなかったんだ。」


里美姉も何か物騒な事を言っている。


「さっきの金の話じゃ無いが身ぐるみ剥いで有り金を全部貰おう。」


おおっ、金を出せ!は俺達がやるみたいだ。


「それに『例の国』の事をコイツらに聞いた方がいいだろ?」


「それもそうね。」


俺達は手分けして現金と、武器や防具など金目の物を全部剥ぎ取りロープで縛り上げていく。


お金は大銀貨12枚と銀貨34枚、鉄貨46枚に銅貨8枚、石貨21枚の合計15万8701円か……12人分、合わせてで多いのか少ないのか……微妙だな。


全員を縛り上げてから適当に一人を目覚めさせる。


「クっ、お前ら俺達にこんなマネをしてタダで済むと思うなよ!」


「御託はいいから、お前らが何者で何故俺達を狙ったんだ?」


そこは聞かなくても判ってるけど一応ね。


「俺達はガリ国の第十補給部隊の者だぞ!貴様らは任務妨害の重罪者だ!」


えー………何度見てもステータスは奴隷狩りになってて国の兵隊なんて事は一文字も表示されてないよ?


……もしかしなくても奴隷狩りが補給部隊のお仕事?

それに『例の国』はガリ国って言うんだ……ガリって狩りの意味か?マンマだねぇー。


俺達の事はやはり飛んでる所を見られたみたいで、鳥人族と思って近付いたら俺達だったそうだ。

鳥人族じゃ無くてもいいと思ったって言うのはさっきのやり取りで判る。


俺達の位置は気配を読むのが上手いヤツがいるらしい。

その力を別の事に役立てられないもんかな……。



他にも、国に入るために一人辺り銀貨1枚だとか。


国の貴族制度や他の国との関係や立場なんかも聞いていく。


貴族制と言っても元が獣人狩りで始まった村だ。

貴族は元々最初にいた連中がなっているそうだ。


国と国との関係は、他の国には嫌われているが、奴隷の出荷元として他の国にも当てにされていて切っても切れない関係。


立場もそう言った点で国としての発言権は強いらしい。


奴隷狩りという事で蔑まれてはいるそうだが………。


聞くたびにうんざりするような内容に呆れるしかない。



俺達は尋問していた者を再び気絶させて、キノコの毒胞子を振り撒いてから出発する。


俺達の手で殺すのも嫌だったので、とりあえず足止めの為の処置だ。

こんな森でこういう事をすればどうなるかはなんて判りきっているが、上手くすれば助かるし、駄目なら森に還るだけだ。


運命は『神のみぞ知る』なんて俺らしいだろ?

今まで好き勝手に獣人達を苦しめてた報いだ。





罪悪感は無く、ウンザリした脱力感を増幅させながら俺達はガリ国へ入国した。

お読み頂き有難うございます。

良かったらブックマークを付けて頂けると嬉しいデス。


毎日夕方の18時頃が基本ですが、

余裕があれば追加で投稿したいと思います。

こちらは不定期です。

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