表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の神様に選ばれました。  作者: 松本 彰
第6章 求められるモノ
44/68

41 グダグダが止まらない

人間の国まで後三日という距離まで来ての方針転換。


無計画で行き当たりばったりと言われようと、俺も実際にそう思ってるから問題無い。


はっきり言って何処から手を付けて良いかも判らないのだから、逆に言えば何処からでも手を出せると開き直るしかない。


人間の国でどうこうするより、こっちの方がやる気が出る事が大きい。



まずは、人間の国の近くで、豹人族みたいな目に遭っている他の獣人達の救済。

その人達を説得して、湖の所まで避難というか移住して貰う。


説得には、猫人族のサイベリア&ニアの親子に豹人族のアナトリア。

狼人族のロールド&ミーシャの親子と狼人族の村長に助力を頼む。


要は俺達よりも獣人達に説得に回って貰った方が早いと思ったのだ。

獣人の親子に村長、近くに住んでいた豹人族と説得に回るには充分すぎる人材だと思っていたが、効果は抜群というか……。


最近の人間の動向は獣人達にとって恐怖以外の何物でもなく、住む場所を提供してくれるのであれば喜んで!という感じだったそうだ。


移住が決意出来ればあとは早い。

俺達が転移魔法で連れて来て、住む場所は猫人族の時と変わらない。

理世が開拓して俺が家を創り里美姉が防壁と結界。

種族で住む所は分けて中心に水の聖霊の噴水を置けば完成!


出来上がる頃には俺達は神の御遣い認定と水の聖霊の加護があると全員が認識するので、信仰心が集まる。


集まる端から村作りで消費すると言った、正に自転車操業の最新トレンドを突っ走ってる感覚だった。


種族も、犬、狐、蜥蜴、馬、羊、兎………etcと動物園か⁉と言いたくなる……人だけど。


多い種族で400人位居るので、狼人族達の村々とこちらの猫人族を中心とした村々を合わせると数千人規模になるため、村と言うより、町と言うか街だな。


それ位人が増えた。


食料問題は、理世が開墾の傍ら魔物を狩って、水の聖霊の管理する魚。

あとは俺が小麦粉と塩を創り出して渡している。


流石にこの人数に出来た食べ物を与えるとキリがないので、素材で渡す事にした。


パンは普通にどの獣人達も作っているので小麦粉を渡せば問題無い。


湖の回りの開けた所に畑を創ったので、あとは皆で自給自足出来るように頑張って貰うしかないが、軌道に乗るまでの援助はやるつもりだ。



最近では獣人の移住の説得に協力してくれていたロールドが自分達の家も何とかしてくれと言い出した。


「なぁ御遣い様よ、俺らの家も作ってくれないか?新しい奴等が立派な家に住んでるのに俺らがアレじゃあ……」


確かに今にも壊れそうな家だもんな。

ロールド達が一番最初に、しかも今も一番信仰心と言う名の力を俺に与えてくれている。

そういう意味では家を創るのは構わないが………。


「そうだな創っても構わないが、どうせならお前達もこっちに移住して貰った方がいいかな。」


「今の場所じゃ駄目なのか?」


森の魔素の清浄化と言う意味では今のままの方がいいが、防衛の面ではバラけているより、一ヶ所に集まっていた方が安全だ。


「正直な話、あの国(・・・)の近くの獣人達は皆ここに集めたからな、獲物が居なくなればこっちの方まで来る可能性がある。」


「もしもの為にここに移住した方が安全ってわけだ。」


一応対策として、ここと国の中間付近に踊るキノコを繁殖させている。


繁殖と言うか毒胞子ばら蒔いただけだけどな。


胞子をばら蒔けば繁殖すると言うのは、以前ゴブリンの巣のあった所で踊るキノコが異常繁殖していたので気付いた。


すでにその地域は俺の力の範囲内だったので毒を出すことはなく、大変おいしい狩場となった。

今では柵で囲って養殖?繁殖させて食料不足の改善に役立っている。



ここと国の中間付近、あの辺は俺の力の範囲外なので踊るキノコは毒胞子をばら蒔く。


普通の人間や獣人達には毒を持ったキノコは脅威みたいなので、防壁替わりにはなるだろうと考えたのだ。


でも俺が言うのもなんだが、人間がそれだけで諦める訳がないとも思ってる。

人間の欲望が尽きる事は無いしな。


そう言った面で一ヶ所に集めたいのと、どうせならここまでやったんだし、獣人達の国みたいな感じで創って行こうと思ったのだ。


ムツ○ロウさんとかサ○ァリパークのノリでは無いよ?

ちゃんとした国だよ?

おっきい○物園とか思ってないからね⁉


『そう言えば信仰心の称号が変わっております。』


【信仰心】

密猟者の動物愛護精神


(極悪人シリーズから抜けたけど質が悪くなった⁉)


しかも獣人達動物扱いだよね⁉

物凄く人聞きが悪いし意味不明だ。


『そこは悩むだけ無駄ですね。』


(お前が言うな!)


俺がマニュとそう言うグダグダな会話をしてる間に考えが纏まったようだ。



「判った!村長や他の村の者にも話してみるぜ。縄張りだなんだって言っても安全に暮らせるのが一番だし、ここなら怪我や病気の面も安心だしな。」


レクに森の聖霊を押しつ……げふんげふん……任せる為に行った回復薬の吸収で、回復薬を体で作れるようになったレク。


実はレクの中で全て混ざって、HP・MP完全回復と病気や怪我に部位欠損まで、オマケに毒耐性まで合わさった万能薬に変化していた。


俺達もビックリだ!

お陰で獣人達の間でレクは『神様のペット』とされ、レク様と呼ばれて崇められている。


何かおかしい………。

役割と言ったらそれまでだが、俺達が馬車馬のような自転車操業精神で村を創っている間、レクは『ぷよんぷよん』と村を徘徊するだけだ……解せぬ。


流石にスライムを神獣扱いは出来なかったみたいだけどな。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


落ち着いて来た所で理世達に人間の国に行く話をする。


本当に気が進まないが行かないと話が進まない。


「そろそろあの国(・・・)に行こうと思うんだが?」


「それも良いが、いい加減『あの国』とか『人間の国』とか煩わしいからちゃんとした国名で言わないか?」


「それが誰に聞いても知らないんだ……マニュでさえ………」


「なにそれ⁉神様達も知りたく無いほどの国なの?」


『見なかった事にしております。』


(おい!クソ神はともかく、ナビのお前までもか!)


「…………クソ神達も見なかった事にしたいらしい。」


「「………………………………」」


デスヨネー!

俺さえも何も言えないよ。


「じゃあもう、ゲス国とか大きい国だからDIE国?デス国?」


「合わせてゲスDIE国でいいんじゃねぇ?」


「合わせる意味がわからんが、俺が肯定するとキケンな臭いがするから止めておく。」


『少しは学習なさいましたな……チッ』


そこ!舌打ちしない!


「判ったそれじゃ『例の国』にしとこう。」


まぁ国名を知った所で印象も扱いも変わらないからいいか。

それとアレだな、恐らくアレが必要になるハズだ。


(マニュ!俺の事は神託で伝えたと言ったな?それは俺でも出来るのか?)


『不可能ではありませんが、最初は補助具があった方がよろしいかと。』


(補助具か、具体的にはどんなヤツだ?)


『こんな事もあろうかと準備しておりました。』


目の前に光が集まり形を創っていく。


「…………拡声器?」


『持ち運びに便利なハンドマイクタイプ「神託クン!『カクセイ』」でございます。』


(アホかー!)


変な所にばかり力を入れやがって!


『ご両親が泣いているぞ!』


今どきそんな犯人説得するドラマもねぇーよ!


『我々は未払いの残業代と不等な有給買い上げ金額の是正を要求する!』


それは笑えんから止めようか。


『そんなに反対ばかりなさるから先に進まないのですよ。』


それは俺じゃ無くて、どこぞの国の政治家に言おうか。


「それを用意するって事はデモだね⁉ヘ○ト活動家だね。」


「いや全然違うし!」


「正義は我に有りだな!」


「言ってる事は判るけど俺達悪者っぽい⁉」


「どっちが正しいかなんて、歴史が証明してくれるよ!」


「そんな言葉で纏めないで!」


もう嫌だ、拡声器一つでここまでボケるか。


「「ナイス!ツッコミだ(ね)!」」


「うるさいわ!」


「コレくらいの軽いノリでやらなきゃ、正直やってられないと思うよ。」


「それを用意するんだ全面対決も選択肢にあるんだろう?」


「………否定はしない。」


「「いいんじゃないか⁉」」





さぁ今度こそ本当に覚悟が出来た!

行ってみようか!

お読み頂き有難うございます。

良かったらブックマークを付けて頂けると嬉しいデス。


毎日夕方の18時頃が基本ですが、

余裕があれば追加で投稿したいと思います。

こちらは不定期です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ