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異世界の神様に選ばれました。  作者: 松本 彰
第5章 世界のイロイロ
41/68

38 サクサク行こうかな

4月21日は『異世界の神様に選ばれました』を

投稿始めて、ちょうど一ヶ月になります。


記念して『異世界のその後の『あるある』』を

短編小説として投稿しています。


是非そちらも読んで頂けると嬉しいです。


http://ncode.syosetu.com/n0985dy/







水の聖霊に森の聖霊。

魔王に猫人族の事か………どうしてこうなった⁉


最終的には世界の再建をしないといけない訳だが、どこから手を付ければ良いのか判らないのは今更だがな。


ただ単に問題が有りすぎて、目に付く問題に気が付いただけなのかもしれないがな!


とにかく目に付いた以上やらないとな。

まずは猫人族が先かな?


今は30人で、家族単位にすると必要な家は12軒だそうだ。

ここはもう理世達におまかせである。


里美姉が指示を出して進めていく。


「ここの原っぱだと魔物等から身を隠せないから、あそこの森をちょっと入った所にしましょう。理世君お願いね。」


理世は頷くと、アイテムボックスからこれまたネタ武器だと思っていた、2m超えの大剣を取り出して木を横凪ぎにバッサバッサと斬り倒していく。

斬り倒した木はどんどんアイテムボックスの中に収納している。


えーっ…………木の伐採ってこんなに簡単なのか?


理世は汗一つもかかず、200m四方位の木を切り倒していた。


「こんなもんか?家が増えた時を考えて伐ってみたが。」


「いいんじゃないかな。広場とかも要るだろうし。」


大きすぎるんジャナイデスカ?

とは俺は言えない。


次に里美姉が呪文を唱えると、地面に残った切り株がボコボコと地面から出て来た。


切り株も理世がアイテムボックスの中に収納。


あっと言う間に200m四方の広場が完成だ。


二人とも世間の土建屋さんに謝りなさい!


里美姉は続けて猫人族の村人に「貴方の家の人数は何人?とか部屋はどれ位?」

なんて聞いてから、再び呪文を唱える。


平らになった広場の地面が隆起し始めて、家の基礎と言える土台が現れる。


理世は現れた土台の側でさっき斬り倒した木をアイテムボックスから取り出して、呪文を唱えている。

木の中の水分を蒸発させて、家の木材に出来るようにしているようだ。


出来上がった木材を適当な大きさに斬って、凹凸を付けて木材を組み合わせて組み立てていく。

補強のつもりなのか、鉄の棒を取り出して組み上げた材木に突き刺す。


なんちゅう力業だよ!


「ちょっと秀一、この棒が足りそうにないから創ってくれ!」


初めて俺の出番である。

何本か創って、大丈夫だと言われる頃にはログハウスが殆ど完成していた。


「こんなもんかな?皆の意見を聞いたら、この位の建物で皆の希望が叶えられてると思うけど?」


里美姉がそう言って村人に家を見せる。

あっという間に出来た立派な家に皆は呆然としている。


俺も同じ心境だけどな!

二人とも世間の住宅メーカーに謝れ!


そして、村人が建物を見て大丈夫だというと、里美姉達に丸投げだった俺に役目が回ってくる。


「秀クン!これで良いみたいだから、残り11軒……予備を入れて15軒にしとこうか?複製よろしく!」


俺は言われた通り、左手で情報をとって、どんどん家を創って行く。

ただちょっと、言われただけではアレなので、俺の日本の自宅を隅っこに建てた。

狼人族の村を拠点にしようと思っていたが、水の聖霊とかの問題やニアの事もあったので、俺はここを拠点にすることを決めた!


普段は狼人族の家を通して、異空間の部屋を使う予定だったが、今にも倒れそうな家よりこっちの方が落ち着くしな。


異空間で向こうともすぐに繋がるし問題無いだろう。

所謂、第二の拠点ってやつだね。


里美姉達は俺が創った家を見て、「良いわね!あたし達にも使わせてね!」と言っていた。


俺が家を創っているうちに、理世はベットやテーブル、イスなんかの家具を作っている。


恐らく考えなくても、家が終わったらアレの複製か………。


家を創り終わり、家具も創って理世がアイテムボックスを駆使して各家に搬入。


世間の家具屋さんと引っ越し業者さん、ごめんなさい!


最後に里美姉が呪文を唱えると、整地した200m四方を囲むように高さ3m、厚み50cmの土壁が現れる。


理世が土壁を見て、呪文を唱える。

土壁の強度を上げたようだ。


「こんなもんかな?……そうだ秀クン!中央の広場に噴水創ってくれない?デザインはほら、お風呂場の女神像で!」


なんかもうさっきから言われた通りしかしてないんだが、俺は村の中央に噴水を創る。

イメージは女神像だったが、「創る時に水の聖霊もイメージに混ぜてね。」と言われて、形を少しかえている。


出来上がったら再度、里美姉の呪文詠唱。


地下で湖と噴水を繋げているんだろう。


「水の聖霊居ますか?」


噴水から水が出始めた頃に里美姉が聖霊を呼び掛ける。


『はい。ここに。』


噴水の水の中から聖霊が現れる。


「ここに貴女の拠り所を創りました。秀クンの力を与えられた貴女なら、この村の人達の信仰心を力に換えられるハズです。貴女にこの地の護りをお願いして良いですか?」


「はい。その役目謹んでお受け致します。」


成程、村の水確保と護りの強化。

おまけに水の聖霊の力の回復まで………俺には考えて付かないな。


「凄いな、里美姉は!」


「ふふん、秀クンのお姉ちゃんだからね!」


マエラから猫人族の事を聞いて、救助から村の建設まで一日もかからず、夕方までに完成だよ………。

創造の力も使ったけど、大半を理世と里美姉でやったからそれ程の負担はない。


俺一人だと絶対に無理だ。

本当に二人とも頼りがいがあるぜ!



村が完成した時は猫人族全員土下座だよ。

この世界って土下座が主流なのかなって位だよ。


俺達を神様……(この場合は使徒か)認定した事で、信仰心が集まる。

水の聖霊も『力が体に流れ込むのが判ります』と言って喜んでいた。


夜は皆で宴会だ。

料理は俺が創ったよ。


みんな、安心して暮らせる立派な村を作って貰ったと感謝して、

今までも不安を解消するように、美味しい料理を食べ笑い合っていた。


ニアも本当の両親に会えた事で凄くはしゃいでいた。

その姿は年相応で、やっぱり何処かで無理をしていたんだな、と感じさせられた。


それに今回は、特別ゲストとして、ミーシャちゃんロールド一家と狼人族の村長を迎えている。


猫人族の村の事で狼人族に話をするために戻った所に、ミーシャちゃんに見付かり、大泣きされそうになったのはナイショだ!


………まぁアレだ、狼人族の村長に猫人族の村の事やその対応を頼むってのが、目的だけどな。


決してミーシャちゃんの号泣が怖かった訳じゃないぞ!


特別にミーシャちゃんやロールド夫妻、狼人族の村長の四人はここに来れるための通路をコッソリ創った。


こっちの家の庭の所に小さい小屋を創って、狼人族の俺の家に繋げた。

ぶっちゃけ、拠点がどうのとか、俺が何処に暮らすのか?とか考えるのが面倒だっただけだ。



水の聖霊と猫人族の問題は一先ず解決した。

後は優先すべきは、森の聖霊か。


ロールド達には森の異変の事で、その辺の事は話してある。


問題は消えた森の聖霊をどうするかだよな。


『恐らく力を無くし、その身を宿す種に戻ってるのではないかと思います。』


水の聖霊がそんな事を言っていたが、はっきり言ってこの広い森の中で種一つ見つけるなんて無理だ。


力を無くしてるから、ただの種なんだろ?

どう探せって言うんだ?


ロールド達や猫人族も同じ意見だ。

俺達がうんうんと唸って考えていると、ミーシャちゃんとはしゃいでいたニアが「何を悩んで居るんデスカ?」と聞いてくるので、特別な種をどう探すかで悩んでると素直に告げると。


「特別な種ニアが持ってるデスヨ!」と魔法のポーチから胡桃みたいな物を取り出す。


「これ、いくら叩いても割れないデスヨ!ニアお腹がとっても空いた時に食べれなくて悲しかったデスヨ。」


………いやいや、ニアさんやそう言う事では無くてだね………ん?


「これかもしれんな………」


なんか、本当にもう僅かだけど力を感じる。


皆が一斉にニアの持つ胡桃のような種を見る。


『本当にですね。森の聖霊の力を感じます。』


「ニアこれどうしたんだ?」


「ニアが村のお外をお散歩してたら見つけたんデスヨ!固くて食べれ無かったからパパに砕いて貰おうと思ったデスヨ!」


「パパ出来マスカ?」


いやいや、砕いちゃダメだから!

サイベリアさんもその気にならない!


……っていうか、もしかしなくても、これのせいで猪がニアの村を襲ったとか………


理世達のその可能性に行き着いたのか、俺達は顔を見合わせて無かった事にした。


「しかしどうするかな?種だから水の聖霊みたいに、力の玉を受け取るって事は出来ないだろうし、直接力を注ぐ?」


「ダメだと思うぜ!種だとお前の力を受け入れる事が出来ないだろう。下手すると割れるかもな。」


「お姉ちゃんに任せて!秀クンが創った回復薬だして!『黄色と黒の不思議飲料』と『王公貴族液』の二種類」


俺は何本か里美姉に渡す。

それをレクに吸収させている。


「レクの事聞いたら多分これで、体の属性をこれに変えれるハズだよ。」


俺はレクを鑑定する。

確かにポーション精製のスキルが付いたね。

レクの体マジで不思議で便利だ。


「それでこれを………レクこれは吸収したらダメだよ!」


胡桃のような種をレクの体に入れる。


「これで回復薬がレクを通して徐々に種に取り込まれるハズだよ。」


成程、レクを鉢植え替わりにするのか………。


「どれ位かは判らないけど、発芽するまでレクに面倒を見て貰いましょう。」


これで森の聖霊も解決?


じゃあ、残るは………。


「オマイら本当に非常識にゃね!」


そんな事を言っているマエラを見る。




……………うん、次は人間の国だね!

マエラを見て魔王の事を考えるのを放棄した。





図らずも魔王の目論見通りである。

さすが結果オーライな不思議諜報員である。


お読み頂き有難うございます。

良かったらブックマークを付けて頂けると嬉しいデス。


投稿時間の変更です。

毎日朝の8時頃に投稿していましたが、

これから夜の18時頃の投稿に変更します。


毎日夜の18時頃が基本ですが、

余裕があれば追加で投稿したいと思います。

こちらは不定期です。

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