33 新たなる展開へ
この回で第4章は終了です。
秀一が準備の為に店を回り、再び神様に呼び出された翌日。
急遽電話で連絡して理世の隠れ家に皆で集まった。
今日も学校は休みで本来なら今頃向こうの世界に転移する予定であったが、神様達との遭遇で少し対応を話し合わなければ、ならなくなった。
秀一達の学校は週休二日制を採っていて、脱ゆとりと言われる風潮何のそので続けている。
元々私立で休みに関しては「ゆとり教育」と言われる前から週休二日制を導入し、自主的な勉強というスタイルを推奨して来た。
強制的に勉強をしても無駄なだけと言うのが学校側の持論である。
要は誰の為に勉強をするのか?何の為に努力をするのか?
それさえも判らない馬鹿は学校には必要ない!と公言している、俺様指導な高校なのだ。
俺は昨日の出来事を包み隠さずに理世達に話した。
「ふーん、何かしらの接触があるかもと思ってはいたが直接とはご苦労な事だ。」
「そうね。何を考えているのか未だに謎だけど、こっちに協力するなんて、胡散臭いよね。」
「それでこれが例の水晶なんだけど、どうする?一応俺の力も入れて完成させているけど。」
「どうするも何も、なぁ?」
「そうね、選択の余地なんてないよね?」
二人は何の事も無いと言うように水晶を手にとって魔力を注ぐ。
魔力を込められた水晶は光り出し、理世達の体に溶け込むように消えて行った。
「あいつらの思惑が何であろうと、向こうに行く事は決定事項なんだから、貰えるもんは貰っとけ!」
「そうそう、力を使わずにラッキー!程度でいいんじゃない?」
非常に軽い言動に秀一の方が呆気にとられてる。
「…………ん?なんかコレ……何か混じってるような……変な感覚があるな。」
「そうだね……何か……こう、違う所?の情報みたいな……」
「ああっ、そう言えば理世の居た世界の神様が自分の力も入れてるの何のと言ってたな。」
「何⁉」
「それでアレだ!理世によろしく!って言っとけと、あとは理世の世界にも行けるって言ってたな。」
「また余計な事を………」
「俺に、名前はエンデフィールって呼べって言ってた。この世界の神様はアーステルって名乗ったぞ。二人の娘ってのが居るらしいんで夫婦神だろうな。」
「あの駄女神結婚したのか?引きこもりの喪女が拗れて、干物女にジョブチェンジしたあとに、干物の化石女になったような奴が!」
「す、凄い言われようだね……」
「これでも遠慮した表現だ!」
相当何かあったみたいだね。
深入りは止めておこう。
「でもエンデフィールって秀クンの世界の名前だよね?」
「関係者だって言いたいだけじゃないかな。」
「今の所、それはいい!秀一、具体的にこれからの予定を打ち合わせておこう。」
「そうだね。これから私達も直ぐにって訳にはいかないからね。秀クンと違って準備出来ていないし。」
「取りあえず、異空間の部屋に繋いで貰えるか?秀一が居る内にそっちからやってしまおう。」
「そうだね。そこが活動拠点になると思うし。」
「判った。」
俺は言われた通り異空間の部屋に繋ぐ。
「まずは入り口だな。開けたらお前の部屋ってのはお前もだけど、俺達も困る。廊下の方に移動させよう。」
皆で廊下に出る。
「この廊下は無設定でループしてるんだよね?じゃあこっちに扉をイメージして異空間の出入口にして貰えるかな?扉と、いつもの黒い空間の出入口を合わせたイメージで出来るハズだから。」
俺は言われた通りにイメージする。
程なく扉が完成して、試しに異世界転移して最初に行った湖に繋いだ。
「大丈夫みたいだね。私達も無事に通れるみたいだし、異世界転移も問題無いね。」
「コレだけはクソ神達に感謝だな。あと俺達にも使えるように、部屋から繋ぐ時に創ってたディスプレイ式の出入口設定の装置をこの扉の所に付けてくれ。」
「それは一度創ってるから簡単だな。」
「あとは無限ループ切っちゃって、向こうの方が無限通路になっちゃってるから、あっちも扉を付けて。」
「向こうを地球世界に繋ぐんだな?」
「そうだな。あちらは向こうの神アーステルだっけ?そいつが時間調整するから、開いたら自動的に入って来た場所に出るハズだから、何処に出るかは考えなくていいだろう。」
「たぶん皆、自分達の家とか隠れ家からっしょ?」
「それで廊下の所に俺達用の扉だな。中は俺らが自分で作るから問題無いぞ。」
「まぁぶっちゃけ今の隠れ家を複製して利用するだけだよね。」
「その方が使い慣れてるからな。」
俺は言われた通りに以下略…………
「こんなもんか?」
「そうだね。部屋の方はちょっと準備が必要だから直ぐにって訳にはいかないからね。」
「あとはアレだな、問題無いとは思うがそれぞれの扉を鍵付きにして勝手に出入り出来ないようにする位か?」
「秀クンの部屋だけなら出入り自由でいいけど、私の部屋は勘弁かな。」
「おーい俺のプライバシーは無いんかい!」
「あって無いようなもんだからいいんじゃねぇか?」
「あるよ!ありまくるよ!」
「そうだ!鍵で思い出した!この廊下に出る異空間の扉の鍵を俺達の分も創ってもらわなくちゃな。」
「ニアちゃんと同じ物で大丈夫だから簡単でしょ。」
「あとは何か見落としが無いか一応確認の為に見て回るか。」
その後見て回って、お風呂場でラッキースケベが発生しないように中から鍵を掛けれるようにした位と………
「おい、秀一!お前の部屋の隅っこに居るのスライムか?」
そう俺が帰っている間、レクの事をすっかり忘れていた。
ニアも日本にいたのでずっと1人(匹)部屋の中に居たみたいだ。
喋れはしないが、いじけて部屋の隅っこに蹲っていた。
俺はニアも呼んできて一緒にレクに謝った。
「「レクご免なさい(デス)!」」
とりあえずレクの事はニアに任せて準備を進める。
(ニアすまんなレクは任せた!美味しいご飯で勘弁してくれ。)
「食事関係は秀クンに頼っていいんだよね?」
「一緒の時は大丈夫だけど、万が一の時があるから、非常食的な物は準備していた方がいいと思うぞ。」
「そっか、じゃあ食料も買わなきゃだね。」
「里美!買わなくても秀一っていう自働製造機があるんだぞ。創って貰ったのを、それぞれ自分のアイテムボックスに保管すれば良いだろ。」
「そうね!理世君頭いい!」
人を自販機のノリで扱うのは止めてくれませんかね?
「じゃあ、こっちの世界に居る間は、日本の方の時間調整は出来てるみたいだけど、一応向こうの関係者には話を通しておくわ。」
「何かあったときフォローして貰えるかもしれんしな。」
「あとは個人的な準備だけみたいね。私達は日本に戻ろうか?」
「そうだな、秀一はどうする?」
「俺はニアを呼びに行った時に自分の部屋からここに繋いだからもう良いだろ。里美姉達は理世の隠れ家から入ってるしな。」
「そうだね。でもこんなにバラバラに出入りして時間調整大丈夫かな?」
「大丈夫だ!あいつらが言い出した事なんだからやらせとけ!」
「それもそっか、こちらの苦労も少しは判らせないとね。」
そうか、バラバラに入ったらその分の調整をしなくちゃいけないんだ。
(ザマー!)
こうして一度、理世達と別れて俺達は異世界に戻る事にした。
今日は異空間の部屋に泊まるけどな。
お読み頂き有難うございます。
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第5章はまた異世界に戻ります。
理世達も含めた事で展開が早めに………なるといいな。(希望)
しかし、異世界転生がアレだとは………(笑)