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異世界の神様に選ばれました。  作者: 松本 彰
第4章 日本もとってもファンタジー⁉
34/68

31 あれ?何か違わないか?

里美姉による魔法の講義が始まる。


「まずニアちゃん。秀クンから擬態の指輪を貰ってるけど左手の薬指?」


「あい!」


左手を見せて『くねくね』と恥ずかしがっている。


「魔法関係ないから!ニアもボケに乗らない!」


きっとニアは判っていない!恐らく母親の仕込みだろう……多分。


「冗談はこれ位にして、この指輪は使った事がある?」


「ないデス!」


「それじゃあ、これから始めようか。魔力を込めるだけって言っても魔法を知らない人は魔力の操作も判らないから。」


そうなんだ。知らなかったぜ。


里美姉はこっちを見てやっぱりって顔をしてた。

見透かされてるようだ。


ニアは「う~んう~ん」と指輪を付けた手に力を入れて唸っていた。


「ニアちゃんはね、鳩尾の辺り……ココね。ここに魔力が蓄えてあるの。」


里美姉はニアの鳩尾に手を宛てて語りかけている。


「心臓が『どっきんどっきん』って言ってるでしょ?その音に合わせてこう………」


心臓の音に合わせて、鳩尾に宛てた手をクルッ、クルッと円を描くように回し、お腹を撫でていた。


そしてね、この回転が段々大きく早くなっていってね、その動きに合わせてエイヤって手の所に持っていくと良いよ。


それで手に移動した魔力を指輪の中に入れるようにお願いすると。


「う~んう~ん、えいっ!入れ!」


指輪が『ポワッ』と光り、その光が段々大きくなってニアを包み込んで行く。


光が治まると、猫ミミが無くなって顔の横に人間の耳があった。

しっぽも無くなっている。


「出来たみたいね。」


ニアは『てけてけ』と水辺まで駆けて行き、水に映る自分の姿を見て「出来たデスヨ!」と叫んでいた。


それから、逆に指輪からお腹に戻るように考えると元の姿に戻った。


それを何度も繰り返して慣れて来た頃、ニアは魔力不足になった。


「ううっ、何かくらくらするデスヨ……。」


「ああ、ごめんなさい!魔力が枯渇寸前みたいね。回復薬を持って来るわね。」


「俺が持ってるから大丈夫だぞ。」


俺は『元気ハツラツゥ~!』なMP回復薬を取り出した。


「…………何それ?」


「いわゆる俺的マジックポーションだな。」


「私が試してみるよ……なる程、初級並位はあるね……味はこっちがいいかな。」


「へぇ、そうなのか?てっきりネタアイテムだと思った。」


さっきから黙って見ていた理世が会話に加わってくる。


「じゃあさ、里美の持ってる奴で一番いい奴を秀一に飲ませてみろよ。」


「いいけど、味が結構、クるわよ。」


「大丈夫!飲むのは秀一だ。」


「勝手な事言うな!」


「ニアちゃんの為だよ!がんばっ!」


「くっそー!」


そう言われると辛い。

俺は里美姉からポーションを受け取り飲み干す。


…………一瞬綺麗な花園が見えたぜ!


一瞬、気が遠くなった後にカッと体が熱くなり一瞬で熱が冷める。

転移とかで減った今日一日分のMPが完全に回復してた。


「凄いな……色々な意味で!」


「これを飲むとMPが完全に回復するんだよ。でも味が凄いでしょ?普通はマシな中級ポーションを飲んでるかな?こっちは緊急対策用なんだ。」


「そんなの飲ませるなよ!」


「それで秀一イケそうか?」


俺はさっき体験したイメージ(花園は除く)を今までの俺の回復薬と合わせる。


左手が光り出し、いつもの『元気ハツラツゥ~!』なMP回復薬が出て来た。


「どうだ?」


とりあえず3本創り、二人に飲ませる。大丈夫なようなら残り1本はニア用だ。


「うん……凄いね!完璧だよ!」


「本当に便利な能力だな。コレなら怖いものは何も無い!って感じだ。」


成功したようだ。

ニアに渡して飲ませる。


「凄いデス!治りマシタ!」


少し休憩を挟んで再開する。

魔力の操作がなんとなくではあるが覚えたので、これからが本番だ。

本番のハズなんだが………


「それじゃあねニアちゃん、この写真を良く見て!」


取り出したのはいつの間に用意したのか、いつ着せたのか?そしていつ写したのか?ニアが色々な服を着た写真だった。


「魔法とその写真に何の関係が?」


「大有りだよ!秀クン!」


1枚目は、最初に俺が創った「花柄のワンピース」

2枚目は、これも俺が創った「ニァおえかねつぐ」の鎧

3枚目は、俺の学校の女子の制服(ブレザー)

4枚目は、純白のお姫様仕様のドレス

5枚目は、某有名アニメの魔法少女の衣装


「ニアちゃん覚えた?それではじゃじゃん、変身ブレスレット!」


「おーい!何でやねん!」


「冗談のようでもとっても便利なんだよ!いつ魔物とかが現れても対応出来るし!」


「言いたい事は判らんでもないが、最もな理由を言ってるが、余計な衣装の方が多いぞ⁉」


「可愛ければ全ての事は許されるんだよ⁉」


と二人で言い合っていたが……肝心のニアは大興奮で止まりそうもないな。


「里美お姉ちゃん凄いデス!お姫様デスヨ!魔法少女デスヨ!」


やっぱりそっちが気になる訳ね……。


「やり方はさっきと同じ感じでね。ブレスレットをはめた手を胸元に持ってきて……手はグーだよ!そこで『変身(チェンジ)!フォーム』、それからバッって手を上にあげてね、上げる時は手はパーね。『ナンバー○○』って言うんだよ。判った?」


「あい!」


変身(チェンジ)!フォーム、ナンバーフォー!」


里美姉の指導の元、変身の振り付け付きで叫ぶ。

ブレスレットから光が溢れ、ニアの体を包んでいく。

光が消えると純白のドレスに頭にティアラを着けたお姫様なニアが立っていた。

変身の時間は僅かに1秒程だった。


「うきゃーーっあ!」


変な叫び声をあげてニアの興奮は最高潮だ。


「里美お姉ちゃん、ありがとう!ありがとう!」


興奮し過ぎて何時もの語尾の片言言葉が無くなっている。


「しかしアレだな。武装を替える時は便利かもな。最初に防具で、後は刀とか槍とかを入れておけば、戦闘中でも使い分けられそうだ。」


「流石理世!戦闘オタクよね!」


「そう言う使い道ならアリかもな。里美姉、コレって何種類入れる事が出来るんだ?」


「10種類は大丈夫だよ。理世じゃ無いけど、盾とか入れとくと咄嗟の時は便利だよね。」


「確かにこの時間で出せるなら、避けられそうも無い攻撃の時に身を守れそうだ。」


「別に声に出す必要は無いんだよな⁉」


「大有りだよだよ!夢の結晶だよ⁉魂の叫びは必須だよ!」


「………大丈夫そうだな。」


里美姉の言い方に心の中で言えば大丈夫そうだと確信して、理世も納得のようなので、早速俺の力で同じ物を創ろう。


俺達がそうやって話している間も変身を繰り返したニアは懲りずに魔力を枯渇させ気絶した。


気絶しながらもその顔は満面の笑みだった。


「ありゃ?コレじゃ今日はもうお仕舞いかなぁ?」


「里美姉、ニアを喜ばせ過ぎだ。」


「そうだね反省するよ。後悔はしないけど!」


仕方が無いので、残りは里美姉の作ったポーション各種とかを貰って俺のポーションのレベルアップに時間を費やした。


今までのHP回復とMP回復はそれぞれ1本で全快するようになった。


それとは別に1本で両方回復する薬。

昔は24時間で今は世間の風当たりが強くて3~4時間しか戦えなくなった。『黄色と黒の不思議飲料』をイメージした。


怪我の回復薬はアメリカで日本を代表するような野球選手やグラサンがトレードマークの人が宣伝していた『王公貴族液』にした。

これは部位欠損も治す優れものだ。


試しに理世が平気な顔で腕を切り落としたのはドン引きしたが………


飲んだら一瞬で生えてきた!

………地面に落ちたままの切り落とした腕は気持ち悪かった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


一応翌日に改めて魔法を習って、ニアは空間転移と飛行の魔法。

火と水の魔法を取りあえず使えるようになっている。


これは旅をする時の移動と水場が無い時の飲み水確保。

たき火とかをする時の為と言う事で最初に習った。


異空間部屋があると言った俺の意見は、使えない場所があった場合に致命的だから覚えろと言われた。


他の魔法はまた今度と言う事になっている。

覚えたことを反復して練習しないと、上手くならないし、咄嗟に使えるようにならないと意味が無いらしい。


確かに一理あるけどね。



そんな感じで何か、斜め上を横滑りさせて急降下した方向性から始まった魔法講座は一応形になった。


お読み頂き有難うございます。

良かったらブックマークを付けて頂けると嬉しいデス。


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