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異世界の神様に選ばれました。  作者: 松本 彰
第0章 はじまりは放置とツッコミとボケ少々
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2 旅立ち?

朝日が登り、動物達の鳴き声が聞こえ始める。

そんな異世界……………

「コケッツ、コッ、コケッ……」

「ヒヒーン、ブヒー、ゲッゲェ、モー、クワックゥ……」


……ではなく永清高校の飼育棟(頭数が多いため増設中)

往生際が悪く未だに秀一は旅立ってなかった。

絶賛現実逃避継続中である。


「おーい、手の空いてる奴、寝藁交換してくれー」


「豚子(豚)さんが産気づいてる!誰か先生呼んでくれ!」


「亀吉(ミドリ亀)と金キョン(金魚)の世話は私の癒しよ!邪魔しないで!」


「牛丸達を(牛)を放牧地に連れてくぞー」


「………………」


「……しかしアレだな、進学校から聞こえる声じゃ無いよな。」


馬王(道産子馬)に水と飼い葉を与えながら、何時ものツッコミを入れる。

しかし今日は頭の中でエンデフィールの説明が延々と繰り返されていた。


『…しかしてエンデフィールには…現状……魔素が…魔物の…文明……』


(うるせーっ!聞く英会話じゃあるまいし覚えられるかー!)


『少しでも判って頂く為と、ただの嫌がらせです。』


「嫌がらせなんかい!」


あまりにもあんまりな言葉に思わず口に出して突っ込んでしまう。

周りからしたら非常にアレな光景である。


そんな秀一に声をかける二人の男女。

男の方は名前は和久井理世(わくい りせ)、秀一の同級生で中学からの付き合いだ。

身長185センチでがっしりとした体格で良く言えばスポーツマン系、悪く言えば脳筋筋肉マッチョと言った、これまた進学校には居なそうな感じである。

髪は栗毛色のちょっと黒髪を脱色しましたって感じの色。

少し長い髪を後ろでちょっと束ねている。

目の色はハーフでもないのに黒に少しブルーがかった色をしている。

顔は整っているので某ダンスパフォーマーグループに居そうなイケメンである。

爆ぜろ。


女の方は川瀬里美(かわせ さとみ)、秀一の一つ歳上でこちらは幼稚園からのいわゆる幼馴染み。

秀一の初恋のお姉さんでもある。

身長156センチでスリーサイズは……(何か身の危険を感じて自主規制)体型は細身だが胸は同年代に比べてちょっと大きい。

ウエストは引き締まっていてお尻をちょっと引き立ててる。

別にスリーサイズ隠す必要ないじゃんって訴えたくなるような容姿だが命が惜しいので口には出さない。

髪は黒色のセミロングで少しウエーブがかかった髪型で、良く「髪がはねる~っ」と叫んでいる。

目の色は茶系の黒色の美少女。

体を動かす事が大好きで動物好き。

いきものがかりに立候補するというあり得ない行動を取り周りを驚かせ、時に「どうしてそうなる?」と皆が首を傾げるような突発的な行動を取るが性格は明るくサッパリしているので人気がある。

その性格と容姿で学校でも好意を寄せる(テキ)は多い。


「「朝から誰かに虐められてるのか、ハリー(秀一)」」


「誰がハリーだ!ハリーいうな!」


ここで今更ながら主人公、星見秀一(ほしみ しゅういち)


身長153センチと小柄で童顔の為に中学生と良く間違われる(たまに小学生)。

黒目でぱっちりした顔付きはどうしても高校生には見えない。

髪は黒髪で短く、横を刈り上げて、上を立たせている為に付いたあだ名が針ネズミ(ハリー)である。

本人は知らないがその容姿とツッコミ体質の為に皆に弟的存在として人気がある。


……主人公の紹介として今更どうなの?という感じだが、色んなボケに突っ込んでいたので致し方ない(オイ!)


「それでどうした秀一、敵か?」


学校で敵もないが理世は所謂、ファンタジーオタクで良く自分の事を異世界の勇者だと言っている痛い奴だ。

しかも大真面目に体を鍛え上げ、剣道っぽいのとか柔道っぽいのを我流でやっている。

彼いわく「気を抜くと命に関わるからな」と言って毎日鍛練を欠かさない。

顔はいいのに残念系の最先端を歩んでいる。


「秀クンどうしたの?何かあったらお姉ちゃんが相談に乗るよ!」


小さい時から一緒に居るためにいつまでも経っても弟扱いで過保護である。

自分でも自覚があるのか「お姉ちゃんだからね!」が口癖。

一人前の男の扱いはまだまだ遠い……哀れ。


「いやなんでもない、この学校のいきものがかりついて考えてただけだ」


「今更だな、しかし万が一の時には役に立つぞ」


万が一とは何時の事か?役に立つとは非常食的なアレかとかツッコミたいが言うと藪から大蛇が出てきそうでスルーする。


「楽しいじゃない!お姉ちゃんこの学校選んだのいきものがかりになるためだよ」


普通は進学率が高く、多くの有名大学に推薦枠を持ち、将来の選択肢を拡げる為に高い競争倍率を勝ち抜けなければ通えない高校に「動物の世話」を理由に選ぶのはおかしい。


というかそんな学校に、畜産科がある学校よりも充実した設備や動物達がいる方がありえないのだが。


「いやそんな選び方するの里美だけだから」


「家が近いだけっていうのも大概だけどな」


「お姉ちゃんを追って来たって言う方があり得るよね」


言いたい放題だがあまり否定出来ない。


「だから今、猛烈に後悔してる所だ」


「まぁお姉ちゃんラブはどうでもいいが本当にどうしたんだ?なんか感じるオーラ?っていうか纏う雰囲気が違うんだが」


「お姉ちゃんラブって意味不明だし!オーラって何よ⁉」


いきなりオーラやら纏う雰囲気とか言われてもお前何者だよってツッコミたくなる。


「そうよお姉ちゃんラブは重要事項だよ」


「それこそ関係ないし⁉」


思わず否定とも疑問系にも取れるような上擦った返事をしてしまう。


「うんうん、秀クン可愛い!」


「まぁそれはそれで面白いが、何かあればちゃんと言えよ。腹を抱えて笑ってやるから」


「笑うなし!」


何か朝からの事に輪をかいて疲れるが、二人とのやり取りはいつもこんな感じなので諦める。


「さぁ、そろそろスパートかけないと授業に遅れるわ。頑張りましょう!」


そんなこんなで朝のいきものがかりの作業は急ピッチで行われ、どうにか何時もと変わらない時間に終了して各自教室に向かう。


「何かあったのかは知らないけど、悩むより楽しんだ方が勝ちよ。」


そう言って別れ際に里美が秀一にそう言ってから駆け足で走って行く。


「困った時は異世界の勇者である俺を頼れよ!」


同学年だがクラスの違うので、理世とも別れる時にそう言うが台詞があんまりな内容で期待出来ない。

まぁ今回は異世界がらみなので言ってる事が真実ならアレだが、何時もの台詞なので微妙だ。


教室に入って席に着いた時に再びマニュの声が聞こえる。


『そろそろ決心出来ましたかな?本当にあまり余裕がないのですが』


(出来る訳ないだろ!こっちの生活はどうするんだ⁉行ってからの事も、帰る方法とかも知らないし)


『そんな事も判らないのですか?信じられません!説明してませんから当たり前ですねっ。ドンマイ!』


(オイ!)


『あなたは神様ですので、ある程度力が蓄えられれば戻ってこれますし、こちらの生活はこの世界を管理されてる神様のご厚意で、向こうに行ってる間は瞬きをする程度の時間で調整して貰えます。』


(スゲエな!でもこっちに戻ってる間は向こうはどうなるんだ?)


『時間の調整はアレしてコレするそうで、私には判りかねますが神の力が強くなれば理解できるとの事。出来ない間はこちらと時間はリンクされているそうです。』


(向こうに行ってる間は何日過ごしても戻れば時間は行った時と殆ど変わらず、逆にこちらで3日過ごせば向こうも3日過ぎてるってことか。それと戻るのは自分の意思で出来ると。)


『大体その認識でよろしいかと。戻るのはあくまであなた様の力が関係しますので、今の所は頻繁には無理です。』


(しかし良くこちらの神様とやらも力を貸してくれるんだな。)


『こちらの神様は面白い事には目がありませんので。そもそも異世界の話を世に広めて、他の世界に人間を貸し出しする方は居りません。』


(おーい、神様?何してくれてますのん⁉)


『そう言った訳で今回の新たな試みは他の神様達の注目の的なのです。』


(実験台か⁉)


『笑いのネタもしくは宴会の余興ですかね。』


(おーい、行く気が一気に無くなるぞ!)


『こちらの神様によると、人間はお笑いに人生をかけているとの事ですが。』


(誰がやねん!)


『ゴネても寿命が短くなるだけですし神様達(お客さん)が白けるだけかと。』


(あぁーっもう判ったよ!判りましたよ!行けばいいんだろう、行くよ、行きますよ。……それでどうすればいいんだ?)


彼の地(かのち)我、治る地(われおさむるち)エンデフィールへ此の地(このち)より道開かれん。と念じて下さればよろしいかと』


(彼の地、我、治る地エンデフィールへ此の地より道開かれん!)





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


『やれやれやっとですか』


『ちゃんと説明するか、強制転送しなかったのがいけなかったかもしれんのぅ』


『とりあえず様子をみましょう』


『エンデフィールの世界自体がイレギュラーだったからのぅ』


『私達が選んだ人ですから、きっとどうにかしてくれますよ』


『そうじゃの、まずは様子見じゃな』


なにやら色々と思惑があるようだが、神様達の会話を聞く者は誰も居なかった。

お読み頂き有難うございます。

良かったらブックマークを付けて頂けると嬉しいデス。


やっと次から本当に異世界の方に行きます。

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