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異世界の神様に選ばれました。  作者: 松本 彰
第3章 あなたは神を信じますか?
29/68

26 神の名は。

本日2話目になります。


サブタイトルに深い意味はありません。

ちょっとノリでやってしまいました。

こうしてようやく近辺の村々の調整が取れるようになり、俺は人々の感謝と言う名の信仰心を集める事に成功した。


俺達は蝙蝠人族を皮切りに各村を回り、病気や怪我の治療や近辺の魔物を間引いて食料の確保をして、地道に力を蓄えた。


移動する時に最初は蝙蝠人に抱えて貰っていたが、飛ぶ時に翼を使って飛ぶのでは無く、翼から発生する魔力によって 飛んでいる事が判った。


(翼要らなくね?でも有った方が飛ぶイメージし易いか?)と思った俺は蝙蝠人に触ってデータを取ると共に飛んでいる時の感覚をイメージして飛行魔法を創る事が出来た。


飛行(ウォラーレ)』という言葉で背中に半透明の鳥のような翼が現れて、そこから浮遊するための魔力が発生し飛行する事が出来るようになっている。

翼の形は天使っぽいが飛べそうな気がしたので、イメージの元になっている。

ウォラーレはラテン語で飛ぶという意味だ。

素直に英語でフライでいいじゃんと思うかもしれないが、俺がそう言う気分だったので仕方がない。(なにが?)


自由に飛べるようになって、雷魔法の時と同じようにニアが「教えて欲しいデス!」と言っていたが、具体的な教え方が判らないのでこちらも保留している。


『ぷぅ~』とむくれていたニアだったが、抱いて一緒に飛んでやると機嫌を直し「こっちの方がいいのデス!」とはしゃいでいた。


全ての村を一通り駆け巡ってどうにか普通に暮らせるレベルまで回復させた。


感謝される事で信仰心を集めた現在、俺の信仰心の表示は。


【信仰心】

仏門に帰依する極悪人


(………なんで極悪人に固執するんだよ!)


『しかし仏門に入ってるので結構な信仰心ですよ。』


(判りづらいわ!いい加減極悪人から離れろ!)


『判りました、神々に掛け合いましょう………「ゴキブリ並ではどうかの?」との事です。』


(なんでそうなる!)


『人々があなた様を見る度に「ぎゃーっ!神様よ!」と驚いて逃げる位?』


(極悪人シリーズの方がまだマシだ!)


『大丈夫です。しばらくすると、帰って来た極悪人になりますから!』


(帰ってくんな!)


もういい加減学習しろ俺!

コイツと話すのは時間の無駄だ、ど阿呆虎と同じレベルだ。


『ちょっとーそれェ、チョー酷くないんじゃない?』


(ウザイわ!)


脱線しまくったが、この信仰心の力を使って実験してみようと思っていたモノを実行する事にした。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


俺は雷魔法で殲滅したゴブリンの巣の所に、近隣の村の人々を出来る限り集めた。


ここは最初に雷魔法に驚いて、近隣の村人が集まった場所だ。

つまり村々のちょうど中央に位置する感じになっている。


「みんなに集まって貰ったのは他でもない。これから先の事を話す為だ。」


みんなは何事かと耳を傾けている。


「今は俺達が森の中を駆け巡って危険な魔物を狩っている。お陰で今はこうしてこんな所まで村から出てこれる様にはなっている。しかし何時までも俺達はここに留まれない!」


ザワリとみんなが動揺する。


「元々俺は神の使徒としてここに来ている。その役目を果たすべく、この地を神の御力で満たして清浄な地に変えようと思っている。」


「そんな事、本当に出来るのか?」と口々に囁いている。


「神に祈り、この地の平穏を願え!神の御力を!」


俺はそれっぽく演出して、左手に力を集中しイメージする。

形は岩の上に座る男。男は神様っぽくゼウス神みたいに……周りにニアやミーシャ達、子供が遊んでいる……平和の象徴のような光景。

込める力は飛行魔法を使う時に発生する浮力……空気を跳ね返して進む圧力。

像の周りから跳ね返すイメージ。

像を俺の水晶の代替えに見立て魔力の供給は人々の祈り、魔素を変換して結界を創る。


光の粒が俺の目の前に集まってイメージした形を創る。


中央に岩から男まで全長6m位の、岩に座る男。その周りを色んな種族の子供達が遊んでいる。下は10m位の円形状の石盤で固定している。


この石像の周囲100mに漂う余分な魔素を吸収して正常な魔素の量に保つようにした。


魔素が正常になれば変な魔物が産まれなくなり、強い魔物も魔素に惹かれるから魔素が弱くなった土地に近付いて来る事は少なくなるだろう。


その動力源になる魔力はみんなの信仰心。


俺の水晶に見立てているから魔素を変換出来るようにしている。


勿論単体では不可能なので俺の水晶とリンクさせている。石像は補助的役割と判りやすく祈りの対象を作る事により信仰心を集めやすくするためだ。

水晶とのリンクは異空間部屋の出入り口に設置したマップ機能でやったことが有ったので大丈夫だった。



あとは………再び力を集中して、この石像のミニチュアサイズを複数創り出す。

これは各村に置いて貰う為で、態々ここに来なくても大丈夫な様に中継機のような役割でイメージしている。


村から半径30m程の効果を持ち村を単体でカバーする。

そこで集められた力をここのメインの石像に集中させて広域を護るという二段構えだ。


「この小さい石像をそれぞれ持ち帰りこれに祈って下さい。それぞれの祈りがここの石像に届き皆を護るでしょう。」


これって宗教の教会とかの始まりと一緒だよな……新興宗教みたい。


「私が居なくても神様が直接お護り下さいます!」


「何を祈ればいいんだ?」


「なんでも構いません。村の平和、安全、子供の成長、日々の暮らし。神に感謝し祈る事が重要なのです。」


みんな納得したようだ。

終わったかな?と思ったら最後にロールドが聞いてきた。


「祈るのはいいが、神の名は?」


(………考えて無かった!この世界はエンデフィールだからそれで良くね?エンデフィール神!)


『その名前は商標権が登録されています。』


(商標権ってなんやねん!商標権ゴロか⁉トロールなのか?)


『この世界を創られた神様が持ってらっしゃいますので正当な権利かと。』


(もうこの世界には居ないからいいじゃん)


『そう言って簡単に使って訴えられた方が何人いらっしゃった事か……反則金高いですよ。』


(判ったよ、判りましたよ。考えますよ。お前も考えろ!)


『そのままホシミ神で良いのでは。』


(嫌だよ!俺の名前出したら一発じゃん。)


『それでは捻りを加えて、ホシミ…ホシーミ…欲しいme…ギブミー神でどうでしょう!』


(捻り曲がってるし、2月に居そうで嫌だよ!)


『お供えはチョコレート一択でいいと思うのですが……贅沢ですね。』


(五月蝿いわ!お前に考えさせたのが間違いだった。)


どうしようか?神、神、神様って言えばやっぱりギリシャ神話とか思い浮かべるよな……もうレクの名前を付けた感じでいいか!

ギリシャ語で星は「アステリ」「アステール」だったかな。

見るは「ヴレポ」だけど最後のポは嫌だからホにするか。


(よし!「アステールヴレホ」に決めた!)


『やはりセンスに欠けてますな。もっとウイットにとんだ……』


(五月蝿いわ!)


「どうした?」


余りに長々と考えていたのでロールドが聞いて来た。

ちょっと誤魔化そう。


「いやなんでもない神様に『真名』を伝えて良いものか聞いていただけだ。名乗っていい名前を聞いたから問題ない。」


「それでは?」


「ああっ、神の名は『アステールヴレホ』。この世界を管理し調和をもたらす神様。アステールヴレホ神だ!」


『あっ、やってしまいましたね………一度ステータスを確認された方がよろしいかと。』


(なんだと⁉ステータス!)


………JOBの所の創造神 (なんちゃって)の下にアステールヴレホ管理神(偽名)ってなってるぞ!

あと称号に調和をもたらす者ってのが増えてる!


『良かったですな、役職が増えて。』


(なんだその役職ってのは?)


『あなた様も既に感じていらっしゃると思いますが、神様の仕事は多岐に渡り創造神だけで世界を維持管理するのは普通不可能です。ですので、力の有るモノや力を与えたモノに役割の一部を委譲し管理させる方法を取ります。』


(神話とかで色々な神様が出て来るっていうアレか?)


『そう考えて貰った方が簡単ですな。』


(うわーっ、そんな事出来るのかよ⁉早く教えろよ!)


『元々委譲出来るような力はありませんでしたし、確かその世界は神々との関係上、魔王様に押し……げふんげふん!……兼務して頂いてましたので、魔王様大喜び!ですな。』


(折角、やらなくて良かった事までこっちに責任が戻って来たって事か⁉最悪だな!)


『見方を代えるとそちらの世界での、あなた様の自由度が上がりますので、結果的には良かったのでは。……ドンマイ!』


(クソー!最後のが本音だな⁉)


もう済んだ事を考えるのは止めよう……くっそー。



一応これで魔素の回収、循環が上手く行くようなら、こんな感じのを大規模化して世界中の魔素の循環出来るモノを創れば世界は安定するハズだ。


まぁそれをやるための力が無いんだけどな。


ホンの少しだけど、ちょっとは頑張れたかな?


『世界規模で考えますと小さくて見えませんな。あなた様の身長のように。』


(ちっちゃい言うな!)





これを創るのに力を使ったからちょっと休憩だな。


最後の最後に、人間の姿を知っているニアが石像の男を見て、「おひげの生えた秀一お兄ちゃんデス!」とボソッと言ったので落ち込んだのはちょっと秘密だ。

お読み頂き有難うございます。

良かったらブックマークを付けて頂けると嬉しいデス。


今回で第3章は最後になります。

次からの新章は日本に戻る話になります。


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