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異世界の神様に選ばれました。  作者: 松本 彰
第3章 あなたは神を信じますか?
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24 そうは上手くいかないよね

今回で章が終わる予定だったのに何故こうなった?


もうちょっと続きそうです。


翌日、お昼ご飯を食べてゆっくりと昼過ぎになってから、村の近くに異空間部屋の出入り口を繋いで外に出た。


村の方に向かうと何だか村の様子がおかしい。

村の出入り口辺りに人が集まってざわついていた。


「村で何かあったのか?」


もしかして猪辺りが村に突っ込んだとか?

無いとは言えないな……ちょっと急ごう。



村長を含め男達が何人か出入り口の所で何かを話している。

丁度ロールドが居たので聞いてみるか。


「何か騒がしいな、何かあったのか?」


一斉に皆がこちらを向いた。


「おおっ、御遣い様!お帰りになりましたか。」


俺の質問にロールドが答える前に、村長がこちらに近付いて来る。


「一昨日の昼頃にゴブリンの巣の方から、物凄い光と遅れて轟音が聞こえて来ましてな。御遣い様達が向かわれておりましたので何事かと思い、物見を走らせておりました。」


結構離れてるけどここまで届いたんだ⁉

そういえば、雷は光ってからどれ位で音が鳴るかで雷が落ちた場所の距離を測るって聞いた事があるな。

でも確か音の聞こえる範囲は10km位じゃなかったか?


ゴブリンの巣までここから60km位離れてるだろう?

光の届く範囲は30~40km位のハズだから無理すれば……あれ?


こちらの人間の移動距離は一日大体20~30km位でここから二日の距離で約40~60km位だ。

最短の40km位でどうにか光が届くかと言う範囲だ。

レベルアップした俺達で約倍の移動距離だから一日で辿り着く計算をしている。

特に獣人族は運動能力、スタミナに長ける為にもっと距離は遠い場合もある。


あちらの世界の常識が当て嵌まらないって事か?

考えても始まらないか、ここまで届いたって言うんだから。


「狼人族の、そちらの方が話の?」


俺がどうでもいいことで気を取られていると、村長に話しかける人が居た。


「そうじゃそうじゃ!御遣い様、こちら蝙蝠人族の者でしてな。」


「お初にお目にかかります。私は鳥人族が部族の一つ、蝙蝠人族のザンケと申します」


「はぁ、初めまして」


ほうほう、名乗り方ってのはこう言うのが正式なのか。

じゃあ、猫人族は、獣人族が部族の一つって言えばいいんだな。


「俺、私は獣人族が部族の一つ、猫人族の秀一と申します。」


ザンケは蝙蝠人族って言葉の通り蝙蝠の羽を背中の所から生やしている。

ほ乳類か鳥類かは無いんだ……。

身長は160cm程でそんなに高くない。

ガッシリしていると言うより細身で引き締まっている、細マッチョって感じだな。

黒髪で青黒い肌をしている。

なんか見た目、悪魔?デビ○マンって感じだ。

女の人はリ○スっぽかったらいいな……。


「御遣い様、こちらのザンケですが、件のゴブリンの巣における落雷の事で近隣からも皆、物見が出ていたようでしてな、この村から出て居る者から御遣い様の話を聞き、確かめる為に来ておる次第で。」


「様子を見に行った所、ゴブリンの巣は一面焼け焦げて消滅しており、何事かと集まった村々の者達と話していた所にこちらの村の者からあなた様が殲滅に出られて居たと聞きまして。」


「それであなたが確認に?」


「我ら鳥人族の者は空を飛ぶ事で短時間で移動出来ますからな。話を聞き再度ゴブリンの巣で待つ者達に伝える約束をしております。」


ここから二日程の場所だから、少し前に聞いて丁度今来たって所か。


「それでゴブリンの巣はあなた様が?」


「そうですね。私が殲滅しました。」


「………どのような力を使われたのか教えて頂いても?」


「こ、これ!御遣い様のお言葉を信じられぬと言うのか?」


「俺は村々の者の代表として来ている以上、確かな報告をしたいだけだ。」


成る程、言葉だけじゃ信じられんって事ね。

狼人族も俺の『神の癒し(ヒール)』見るまで全然信じてなかったし、当たり前か。

ここで力を見せればコイツが周りの村に伝えてくれるんだから手っ取り早いか。


「では、同じ威力と言う訳には行きませんので最小の力で………神の鉄槌(ケラヴノス)!」


10m程先の木に『ガラガラッドッシャーン!』という音より少し前にに雷光が落ち、光と音が止む頃には木は焼け落ちていた。


「「「……………………………」」」


集まっていた者達は呆然と立ち尽くしていた。


「……………天よりの雷!まさしく神の御業だ!」


いやいや、俺が言うのも何だけど、この世界にも魔法あるっしょ?


『魔法の事は概念の触り程度で詳しくは伝わっておりません。』


(はぁ⁉概念の触りって?レクは普通に使ってるよね⁉)


『あくまでも概念の触りですので、無意識に使っていてもそれが魔法であるかどうかは判ってないですな。』


(なんじゃそりゃ!)


『ですので、魔法を普及させるのであれば、あなた様に新たに創って頂かねばならないですな。』


(じゃあ、俺が適当に名前を付けた雷魔法も?)


『そうです。あなた様が新たに創られた神の鉄槌(ケラヴノス)と言う名の雷魔法になります。』


それで、一昨日の謎が解けた。

同じ魔法でも、なんとなく創った魔法と、ちゃんと名付けて創った魔法の差がMPに出たって事か!


「早速戻って皆に伝えて参ります!改めまして村長と共に挨拶に伺わせて頂きます。」


そう言って勝手に納得して飛び立って行った。


ああっ、マニュと話している間に一人で納得しちゃったよ。


「近隣の村から来るのであれば、迎える準備をせねばな。」


村長がそんな事を言い出した。


「恐らく、一番遠い所から来るとして集まるのは4~5日。遅くとも一週間程度でしょうな。その間は御遣い様には村に留まって貰わなくてはなりませんな。」


そっか、向こうから来るなら待ってるだけで俺は楽だな。


待っている間にミーシャ達、狼人族の子供達と戯れたり、狩や川まで転移して魚釣り等して時間を潰した。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


村長の家の前の広場にに各村の村長と恐らく実務面の責任者らしき者達が集まっていた。

護衛らしき者達も含め結構な人数になるため家に入り切れなかったようだ。


この村の実務面の責任者はロールドだったんだな。


村の代表として村長とロールドが参加して取り纏めをしていた。


「このお方が神の御遣いであられる秀一様じゃ。」


村長の紹介で俺が少し会釈する。

ザワザワと集まった村々の代表達は騒いでいて、ほとんどの人達が口々に信じる事が出来ないと言っていた。


「信じるも信じないもそなた達の自由じゃ!こちらは何も困らんしの。」


いやいや俺は困るぞ!大問題だ!


「狼人の!お前らだけで神の恩恵にあやかるとでも言うのか?」


「信じもせん奴が何を言うか!信じてはないが恩恵だけは寄越せと⁉」


「話によるとお前らだけは喰う物にも困らず、怪我人も治して貰っとるそうじゃないか。不公平だとは思わんのか⁉」


口々に好き勝手な事を言ってるけど、総じて狼人族が美味しい思いをしてるのが許せんって所か。


ってか俺はまだなにも言ってないんですけど!


「そいつは我らの同族、神の御遣いやらお使いやら知らんがそいつをこちらに寄越せ!俺達の為に働かせる!」


あっ、あいつらは最初に行った村の奴らだな。

相変わらずゲスい事しか言わないね。


なんかもうコイツらの事なんてどうでも良くなって来た。

この中じゃ狼人族が唯一マトモだったって事か。

コイツら本当に何をしに集まったんだ?


………手っ取り早く信仰心を集められると思ってたんだけどな~。

等と自分の都合のいいように考えていた事を後悔していると、秀一の前に進み出る一族がいた。


「御遣い様にお目通りが叶いました事、大変嬉しく思います。我ら蝙蝠人族一同を代表致しまして、ご挨拶に罷り越しました。」


蝙蝠人族はザンケが直接俺の力を見ているから信じたのかな?

村長と一緒に今回もザンケが居るし。


「蝙蝠の、貴様も抜け駆けして勝手な事を!」


「黙れ!貴様らここに一体何しに来ておるのだ?御遣い様を蔑ろにして好き勝手な事ばかり、儂らは御遣い様の御力にすがりに来たのではないのか⁉」


ま、マトモだよ!この人凄っごいマトモだよ!蝙蝠人族俺の中の好感度急上昇だよ!


「フン!そこに居る蝙蝠の与太話を信じて来てみれば、こんな貧相な餓鬼じゃねぇか!」


「そうだそうだ!俺達の貴重な時間を使ってまで、こんな落ちぶれた狼人の村に来てみればこんな餓鬼一人!話にもならんわ。」


うわー、今度は口々に俺をディスってるよ。


「それは御遣い様には関係無い事!狼人の村長が言う通り、信じるか信じないかは貴様らの決める事だ!勝手な事しか言えん奴はこの場より去れ!」


「何を!貴様らこそ勝手な事をホザくな!構わんその餓鬼を捕まえろ!捕まえて働かしゃ本当か嘘かすぐに判る!」


あーあっ、なんなんだろうねぇ、言ってる事とやってる事が支離滅裂で阿呆だな。

狼人族と蝙蝠人族が俺寄りでその他は阿呆ばっかりと。

その中のど阿呆は猫人と虎人か。猫科の獣人って阿呆しか居ないのか?


さてこのままだと怪我人が出そうだよな。


これはもうアレしかないか!


神の鉄槌(ケラヴノス)!」


俺は狼人族と蝙蝠人族の俺側の獣人と、対立するその他阿呆獣人達との間に雷魔法を落とす。

威力は落としたので誰も怪我はしてないハズだ。


突然目の前に落ちた雷にみんな硬直している。


「それで、お前ら何なの?」


静まり返った広場に俺の問いかけだけが聞こえる。


「俺がお前らに何か言ったか?俺がここに来いとでも?」


もうコイツらの事を考えるのも馬鹿らしい。

もっと違ういい手を考えた方が良さそうだ。

何も言わないって事はそう言う事だろ?

無駄、無駄!


「う、五月蝿い!お前は俺達の言う事を聞いてればいいんだ!」


猫に虎のど阿呆供が懲りずに来やがった。

もうコイツら話が通じないから人じゃ無くて良いよね?


神の鉄槌(ケラヴノス)!」


今度はコイツらには直撃させる。

威力は落としているから死にはしない。


口から煙を出して倒れたよ。


「それで他に俺の敵は居るのか?」


俺が完全に敵扱いした事で狼人族と蝙蝠人族意外は蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。


「まったく本当にコヤツらはどうしようもない阿呆じゃ!ロールドコヤツらを村の外に捨てて来い!」


村長の命令でロールド達が気絶した猫と虎を捨てに行った。




とりあえず話の判るヤツだけで仕切り直しだ。

やはり楽はさせてくれないらしいな、キッツいわ~。

残りの奴らはどうしよう?

お読み頂き有難うございます。

良かったらブックマークを付けて頂けると嬉しいデス。


次かその次辺りで区切りをつけたいな。


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