14 パワーレベリング
ニアの防具でやってしまいました。
設定を考えた時に思い付いて……(笑)
ようやく俺のレベルアップが終わり。
ニアを護ってやれる位には強くなったと思えるようになったので、
いよいよ、ニアを外に連れて一緒に旅に出る事にした。
まぁ旅と言っても毎晩この部屋に戻るんだけどな。
ここ数日ニアに一人で(レクは居たが。)お留守番をさせて居たので、寂しかったのかとても嬉しがった。
しかし俺が護ると言っても何があるのか判らないのがこの世界だ。
ニア自身も少し位は戦える方がいいし、俺も安心できる。
俺のレベルを上げたのもパワーレベリングが出来るようにと考えたからだ。
その為の準備としてニアにも装備を創ってやろうと思う。
まずはなんと言っても身を守る防具だ!
最初は俺と同じ物で、ペアルックいいかも!と考えたが、世紀末的なアレではニアの教育上悪いと、俺が一方的に思ったので脚下だ。
俺自身はどうなの?とも思ったがそれはいい。
それで考え付いたのが、ニアには俺と同じ刀を創ってあげたので、刀に合わせて甲冑が良いのではないかと思った。
幸い、刀と一緒で甲冑も端午の節句の時に触った事がある。
これはいい案ではないかと、早速イメージして創りはじめる。
ニアに合うようにカッコ可愛い感じにイメージするのも忘れない。
兜は猫ミミが邪魔にならないように三角の出っ張りを付けて………。
甲冑の繋ぎの部分はケプラー、胴等の部分は一枚板ではなく、動き易さと強度を考えてチタンの板を重ね合わせた桶側胴。
名前なんて殆ど覚えていないが、首の所、肩と籠手、腰から足元の所まで細部を細かく動きを阻害しないように………チタン板とケプラーを使い分けて………。
目の前に光りが集まり甲冑が形創られていく。
「…………………やってしまった………。」
イメージしている時にちょっと考えてしまった物………。
兜の形をイメージした時に、つい思い出したニアの言葉………。
………兜の前立の所にある……瑞雲の上にひらがなで『あい!』の文字。
「ニァおえかねつぐ」の兜の爆誕である。
武器はこの前創った刀があるが、ナイフ替わりに脇差。
形は同じで小さくした物、30cm位か。
でも今のニアに、まともに魔物と戦わせる訳にはいかないから、最初は俺が魔物を引き付けて後ろから攻撃するようにしないと………。
後ろからって言ったら、定番は弓だけど扱った事がないから、今すぐには無理だな。
あとは………槍とか……これも触った事が無いけど、こっちは穂先を適当に創って、棒に括りつければ、弓を作るよりマシかな。
一人で倒す訳じゃないから、魔物を傷つけたら最後は俺が倒せばいいしな。
やってみるか、穂先は最初に使った片手剣を小さく……手に持つ所は薄く平べったく剣先か切れなくなった感じで。
素材はこれもチタンで軽く、固く。
棒は掃除に使うモップ……それを棒だけ。
穂先を固定するのはケプラー繊維、平べったい紐のように。
あとは瞬間接着剤、文房具屋さんに売ってるヤツを巨大化してと。
創られた棒の先を刀で切れ込みを入れ、剣をイメージした小さい穂先を切れ込みに差し込む。
ケプラーの紐に瞬間接着剤を付けて、穂先を固定するように棒に巻いていく。
巻いた紐の上から更に瞬間接着剤を付けて駄目押しの固定。
反対側の手に持つ所も滑り止めを兼ねて同じように巻いていく。
(素人にしたら中々のもんじゃね?)
盾は俺と同じでいいか、少し小さくして背中に抱えれば槍の邪魔にはならないだろう。
代わりに俺の方を大きくして足元から隠れるように、戦うより防御力重視で。
こんなもんか?
あとは荷物を入れる鞄がいるか。
邪魔にならないようにウエストポーチ型がいいかな?
ご飯とかお菓子は必須だろうしな。
ニア用の魔法の鞄を創る。
中に入る量はイメージしやすいように、ゲームを参考にした。
入る種類は100種類で、1種類毎に入る数は100個。
全部の個数で1万個だ。
魔物とかを入れさせる予定はないし、各種回復ポーションと食糧が主に入れる物だから問題無いだろう。
異空間の部屋には何処からでも出入り出来るしな。
これで忘れた物は無いな。よし。
ボディーガードはレクに任せよう。
レクは俺のレベルアップで倒した魔物を全て吸収してレベルが凄い事になっている。
試しに踊るキノコの相手をさせたら、麻痺耐性のあるレクは突進して行って倒した。
『ぷにぷに』ボディを固くさせる事が出来るようになったみたいで攻撃力が上がってる。
ステータスはこんなだ。
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名前 レークライム(レク) 年齢 1
種族 スライム
性別 雌
JOB 神の使徒
LV 23
HP 430/430
MP 220/220
STR 150 DEF 80(160000) AGI 200
EVA 200 INT 50 DEX 50
MAT 100 MDF 80(200000) LUK 100
【スキル】
消化吸収
白金の防御
麻痺毒耐性
麻痺毒攻撃
渾身の牙突
水魔法
【称号】
星見秀一の使徒
森の掃除屋さん
スライムの薬屋
ピンクの彗星
【備考】
なんでも食べる。
核を白金で防御しているので物理、魔法防御に優れている。
スライムの体を構成する水が薬水になる。
スライムの体を構成する水が麻痺毒になる。
体を硬化させ大牙猪と同じ突進で敵を攻撃出来る。
水の魔法を使う事により体の大きさを自由に変化出来る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◆
JOBがただの獣魔だったのが、従魔を通り越して使徒になっていた。
さっきの体を固くさせるって言うのはスキルに大牙猪と同じスキル
『渾身の牙突』が付いたせいだ。
どうやったかは判らないが水の魔法を使う事が出来るようになっている。
今の所は体の大きさを変えるのみの能力みたいだ。
攻撃力が上がった為になんでも食べれるようになった。
生きたままでも体に取り込んで消化吸収してしまう。
魔石だけは吸収しないように言っているので大丈夫だ。
動きも早くなったし、硬化で盾の替わりにもなるのでニアのボディーガードにぴったりだ。
麻痺系の能力がアップしたので、体の色が前よりもピンクになっている。
称号の所は体の色が濃くなったらアレになるのだろうか?
3倍は能力が上がりそうだ………。
あとレクに色々な毒系の魔物を取り込んで貰おうと思ってる。
俺の考えが当たっていれば、毒系の万能薬になりそうだ。
準備はこんなもんか。
目的地はマップで見付けた村の一つ。
異動は一週間程度を予定している。
ニアのレベリングがメインだから大幅にズレるかもしれないけどな。
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ニアに装備をさせて外に出た。
マップで検索しているし、アラート機能が仕事をしているので、陣形とかは考えず、俺はニアと手を繋いで森の中を異動している。
レクは『ぽよんぽよん』と俺達の前を動いてる。
(歩くじゃないよな?この動きは。)
ニアはご機嫌で『ふんふん、ふ~ん』と鼻歌を歌っている。
敵が来たら先頭は俺でニアは何時でも攻撃出来るように、俺に隠れるように後ろに。
レクはニアをサポート出来るようにニアの前に陣取る予定だ。
「おっ、早速来たみたいだ。ゴブリン5匹!ニア、レク準備はいいか?」
「あい!」
『ぽよんぽよん』
ニアは元気に返事をして槍を構える。レクは返事をするように左右に揺れてニアの前に異動する。
ゴブリンはまだ50m以内に入ったばかりなので余裕がある。
俺も大盾を構えてゴブリンに注意する。
ゴブリンが『ゲッツゲゲッ』と叫びながら向かって来る。
近付いて来るゴブリンを殺さないように足元を狙って刀を振るう。
2匹に刀が当たり、足をスパッと切り落とす。
足の無くなったゴブリンは転んで地面に蠢いている。
残り2匹は俺に攻撃をかけて大盾に遮られている。
ガンガンと大盾にこん棒を振り回していた。
最後の1匹はニアの方に向かいレクに阻まれている。
やっぱり考えていた通りには上手く出来ないようだ。
ゴブリン5匹位は俺が全てを相手に出来る予定が、最初から狂ってる。
それを見越した布陣であると割り切ればいいが、納得はできない。
反省は後だな。
「ニアは目の前のゴブリンに槍を突き立ててから地面に転がってる奴等を刺せ!残りは俺が無力化してからだ!」
「あい!」
「レクはニアが攻撃したら、前のゴブリンはお前に任す!」
『ぽよんぽよん』
返事が返ってきた所で大盾に防がれているゴブリンに対応する。
大盾が俺をスッポリ覆い隠しているので、盾でゴブリンを押し出して体勢を崩す。いわゆるシールドバッシュってヤツかな?
体勢を崩して動きが止まった所に、すかさず大盾の前に出て最初の時と同じように足を切り落とす。
「えいっ!」
俺が戦っている間にニアが槍を突き出しゴブリンのお腹に刺さる。
『グギャギャッ!』
刺されたゴブリンは、ニアの槍を握り引っ張る
ゴブリンより力の無いニアは引っ張られて転びそうになっている。
「あうっ、レクおねがい!」
ニアは前に居るレクに頼むと、レクは体を大きくして槍の柄を包み込み、そのまま前に出てゴブリンも体に取り込む。
レクの体が少し黒くなりゴブリンが苦しみ出す。
麻痺毒攻撃をしているようだ。
レクは体の中でゴブリンから槍を抜いてニアに返す。
「ありがとデス!レク!」
「ニア!深く刺す必要は無いからな!傷を付ければそれでいい!」
「あい!」
今のニアの力じゃ深く刺した槍を引き抜く事は不可能だ。
さっきみたいになると、ニアには手も足も出なくなる。
俺の注意を守って今度はちょっと皮膚を傷つける位に留める。
「それでいい!こっちの2匹も終わったから同じようにな!」
「あい!」
ニアと場所を入れ替えて、ニアが傷つけたゴブリンを始末する。
最後の2匹は俺が手を出す前にレクによって片付けられてた。
「レク助かった!よくやったぞ!ニアは初陣だ!どうだった?」
「ういじんデスカ?」
「ああっ、初陣ってのは初めて戦うって事だ。怖く無かったか?」
「あい!しゅういちお兄ちゃんとレクにたくさん、たすけられマシタ。こわかったけど、だいじょうぶデス!」
「そうか、大丈夫そうならもう少し経験を積みたいがどうだ?」
「あい!はやくしゅういちお兄ちゃんたちに、めいわくかけないように、がんばりたいデス!」
「俺達の事はどうでもいいが、無理だけはするなよ。」
「あい!」
そう言って何度かレベリングを続けた。
最初程の失敗は無く無事に戦う事が出来た。
まぁ距離は思っていた所の半分だな。
焦らず行くか。
「日も暮れて来たから部屋に戻るか。俺はここの写真を撮るから、ニアはちゃんと部屋に出入りできるか、試してくれ。」
「あい!やってみマス。」
ニアにあげたウエストポーチからスマホ型端末を取り出して異空間の部屋に繋げる。
「問題無いみたいだな。」
「あい!」
今日はとても頑張ったから、食後にニアの好きなお菓子を一杯創ってやろう。
食べきれなかったらウエストポーチに入れるだろうしな。
お菓子は沢山創ったが残る事は無かった。
………別に入れる分を創っておこう。
本日のニアのステータス。
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名前 ニア 年齢 4
種族 猫人族
性別 女
JOB 秀一の庇護を受ける者
LV 1
HP 20/30
MP 20/20
STR 5(100) DEF 5(400) AGI 10
EVA 5 INT 45 DEX 15
MAT 1 MDF 1 LUK 50
【スキル】
【称号】
猫人族の孤児
食いしん坊幼女
【備考】
刀(300)と槍(100)両方装備している。
使う武器によって攻撃力の補正が変わる。
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JOB 孤児が庇護に変わってる。
HP 12から30
STR 3から5
AGI 5から10
EVA 3から5
DEX 10から15
LUK 10から50
まぁ1日の成果としてはこんなもんかな。
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