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異世界の神様に選ばれました。  作者: 松本 彰
第1章 世界の最底辺からこんにちは
10/68

9 いきものがかり発動 1

キリのいい所まで進めたかったので、急遽投稿。


本日2話目となります。

ご注意下さい。

「お、お兄ちゃん、ありがとうデス。おなかいっぱい!ニアうれしいデス。」


食欲が満たされて落ち着いたのか、改めて礼を言ってくる。

ニアの方から、話し掛けて来たので、色々と聞いてみる。

まだ4歳の幼児なので聞ける事は少ないと思うが。


「ニアだったか?あそこの村に住んでいるのか?俺は村の連中に嫌われているみたいだが、お前は俺に近付いて大丈夫なのか?」


「? ニアはあのむらにはすんでないデスヨ。ニアはいつもここにいマス。」


「は?ここ?ここって河原か⁉何にも無いじゃないか。」


「あそこデス!」


ニアはさっき居た木陰の方を指差す。


ニアと共に木陰の方に向かうと、木に調度ニアが入れる位の洞があって毛布が一枚置いてあった。


「本当にここかよ………村に家は無いのか?お父さんとお母さんはどうした?」


孤児だとは判って居るが、聞いても無いのに話を進めると、不思議に思われるといけないからな。



4歳児にそこまで考える事が出来るか疑問ではあるのだが、きちんと受け答えは出来ているので頭はいいのだろう。

それか、この世界は人に優しく無いので早く成長するのだろう。



「ニアはあっちのむらからきまシタ。なんにちもなんにちもあるいて、ここにつきマシタ、あそこのむらニアははいれない。」


「追い返されたのか⁉」


俺だけじゃなく、こんなちっちゃな子までかよ!

なんかあそこの村のイメージ最悪だな!

もう村に入って交流するとか信仰心回復に努力するとか無いな!

無い無い!


「ニアは、もりにきょぜつされマシタ。パパ、ママ、むらのみんなもりにかえりマシタ。」


大きな目に涙を溜めながらニアは語る。

森に帰るって言うことはニアの村はすでに無いのだろう。


「森に拒絶されたってなんだ?どうやって判るんだ?」


「あそこのむらのヒトいってマシタ。もりをまもるモノ、もりのてきコロス。もりのなかのてきはすぐにわかるからニアをいれると、このむらもてきになるから、いれることはできないといいマシタ。」


なんか大昔の信仰みたいだな。

自分達の手に負えない魔物とかを崇めて、

被害を受けても森の神様だから仕方が無いと諦める。


日本でも昔は日照りや水害があれば水神さまの怒りだと言って、貢ぎ物や生け贄をして祈ってたって言うしな。


「森を護るモノってどんなモノか判るか?」


「おっきいやまがうごいてマシタ。きばのはえたおやまデス。」


牙が生えた山?

もしかしなくても朝の猪か?

俺でもデカイと思ったしニアから見たら山に見えるかも。

それにあれだけ離れていたのに俺に向かって突進して来たからな。

マップ検索とかできない人からすれば突然現れる猪は恐怖以外の何物でもないだろう。


「もしかしてだがコイツの事か?」


鞄の中から猪を取り出してニアに見せる。


「そうデス!このおやまデス!」


「やっぱりな、でもニアはコイツに狙われ良く生きてたな。」


「ニアはママにいわれて、おうちのなかのゆかしたのおへやににげこみマシタ。おへやからでたらなんにもなくなってマシタ。」


上の建物も吹っ飛ばされたって事か。

床下の入り口が倒れた瓦礫に埋もれなくて良かったな。

あそこの村と同じような家なら、あの猪の突進なら遠くまで吹っ飛ばされるだろうな。


「もりをまもるモノ、だれもたおせませんデシタ。すごいデス!あなたはもりのかみさまデスカ?」


村の誰かが倒そうとしてたのか、それで反撃されて村が滅んだと。


「コイツはただの魔物だしな。それに俺は森の神様じゃなくただの神様だ!」


ただの神様ってなんだよ?って言うかただの魔物に殺されかける神様って………。


自分で言ってて自分で突っ込む、ノリツッコミである。


「かみさま!かみさまかんしゃシマス。パパとママ、むらのひとたちのかたきとってくれてありがとうございマス。」


跪いて拝むように感謝の言葉を言ってくる。

まだ涙を流してはいるがその顔は笑顔だ。


「運が良かっただけで感謝される事もないんだが。」


そう思っていると不意に体に暖かい物が流れ込んでくる。


(この感覚は……マニュ?)


『おそらく信仰心ですな。普通一人位の信仰心では何も感じないハズなんですが……ああっ!あなた様の信仰心は落ちる所まで落ちてましたな。納得です。』


(勝手に納得するなや!それに俺の信仰心言うな!俺が落としたみたいじゃないか。)


『ささやかですがステータスも変わってますよ。』


(そうか!早速確認だな。)



◆ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前 星見秀一 年齢 16

種族 神(人)

性別 男

JOB 創造神 (なんちゃって)

LV 3

HP 180/180

MP 200/200


STR(攻撃力) 40 DEF(防御力) 30 AGI(素早さ) 50

EVA(回避率) 120 INT(賢さ) 85(999999) DEX(器用さ) 80

MAT(魔法攻撃) 40 MDF(魔法防御) 50 LUK(幸運値) 25


【スキル】

創造神の左手

神の癒し(気休め程度)

獣魔術


【称号】

貧乏籤を引き当てる男

獣魔術師


【信仰心】

極悪人の持つ罪悪感


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◆


LVが2から3になって、MPが150から 200になってるな。

あとLUK(幸運値)が20から25に上がってる。


…………で信仰心はどういう意味だあぁっ⁉


『極悪人の持つ良心と罪悪感ってどちらが上でしょうな?』


(言うなし!この信仰心の表記の悪意はなんなんだ⁉)


『神様サプライズ?』


もうここら辺を突っ込むのは無駄だと思って諦めよう。



「かみサマ?」


ああっ、ニアの事を忘れてた。


「俺は星見秀一だ。神様だけど秀一と呼んでくれ。」


「しゅういちお兄ちゃん?ニアはニアはデス、4歳デス!」


「おう。それでニアはこれからどうするつもりだ?」


ニアは『しゅん』と項垂れる。


やっぱり………だよな~。

とりあえず、村とも関係無いみたいだし。

俺は今の所は食べる物と住む所の心配は無いからな。


ここは、いきものがかりとして放ってはおけないか……。

きっと最初のいきものがかりもこんな感じだったに違いない!


そう言って自分に言い聞かせてはいるが……

世話をする動物達のカオスっぷりから「絶対それは無い!」と思ってしまう。


「じゃあ俺と一緒に来るか?ニア。」


「………いいデスカ?」


ニアはこっちを伺うように見上げてくる。

尻尾が『ぶんぶん』左右に揺れているので嬉しいのだろう。


「まぁ、俺とレク…このスライムな!気楽とは言えないがなんとかやっている。ニア一人位ならなんとかなるさ!」


「ありがとう!しゅういちお兄ちゃん、レク!よろしくデス!」


やっと泣き止んだか。

やっぱり子供は笑顔が一番だ。


そんなオッサンくさいことを考える……高校生の秀一だった。


「まぁ、ここにずっと居るのもなんだし、俺の家に行くか。」


「あい!」


ニアは片手をあげて元気に返事をする。


この場所からでも異空間の部屋に繋げる事は出来るが、念のため村から見えない所に移動して繋げる。


「ディメイションホーム!」


目の前に黒い空間が現れる。

猪を倒したので問題なく力が使えるようだ。


「よし!俺に付いて来てくれ!」


いきなり黒い空間に入れと言われても戸惑うと思い、秀一の後を付いて来るように言う。

中に入ったニアはびっくりしたように大きく目を開く。


「うわぁ~~すごいデス!さすがかみサマ!……ちがった、しゅういちお兄ちゃんデス!」


「とりあえずは……風呂だな。」


ニアの姿を見て、かなり薄汚れている事に今更ながらに気付く。

決して事案発生ではない、秀一はロリ属性ではないのだ。


ニアをお風呂に連れて行き、あまりの豪華さに固まってしまうが、構わず洗い場に引っ張って行って体を洗ってやる。


ネコ毛?(体毛)の部分は腕の上の辺りから肩と首の下辺りまでで、背中は背骨に沿ってうっすらとあり、尻尾に続いている。

あとの見た目は人間と変わりない。


手を洗ってやる時、手のひらが普通に見えるのに『ぷにぷに』と肉球の感触だったのには驚いたが。



最初はニア自身に洗わせようと思ったが、まだ幼くやり方が判ってなかった。


「いいかニア?今日は俺が洗ってやったけど、ちゃんとやり方を覚えておけよ」


「あい!」


頭は耳にお湯が入らないようにちゃんと手で伏せてゆっくりとかけてやる。

いきものがかりの仕事で、犬や猫の世話の時に培った技術が役に立つとは思わなかった。


洗い終わって湯船に入らせる。

ちっちゃいので溺れるといけないのでレクを持たせて、浮き輪がわりにする。


「レク頼んだぞ!」


ニアはレクをしっかり持ちながら気持ち良さそうに入っている。

目がとろ~んと糸目のように細くなっているので、お風呂がかなり気に入ったのだろう。


レクに見守ってもらってる間に、ニアの着る服を考える。


「さすがに今まで来てた服じゃ駄目だよな。かなり汚れてるしボロボロだ。」


俺の服って訳にもいかないし、女の子の服なんて知らないぞ。

う~んと唸っていると、不意に頭の中に服が思い浮かぶ。

…………なんか嫌だな……納得したくない。


それは小さい時に里美が着ていた花柄のワンピース(にゃんこパンツ付き)だった。


何故に思い浮かぶ⁉と考えるが、覚えて無いものは覚えてない。


まぁ、この際深い事は考えないようにしよう。


ニアのステータスとリンクさせながら、服を創り出す。


「これでいいな。着てた服はあとでレクに綺麗にして貰おう。両親との思い出の服かもしれないし、勝手に扱うのは不味いよな。」


服の用意も出来たし、ニア達の様子を見に行く。



ニアは湯船の中、レクの上に乗って『ぐてっ~』と溶けていた。


「あっ、しゅういちお兄ちゃん!これたのしいヨ!」


湯中りしてる訳じゃないんだな、ビックリしたぜ。


「気分が悪くなるといけないからそろそろ上がれよ。」


「あい!」


ニアの体を拭いてやり、髪をしっかり乾かす。

ブラシで髪を鋤いてやる時、とても気持ち良さそうだった。


新しい服も気に入ったようで、尻尾はにゃんこパンツの上に少し切れ込みを入れて対応した。


湯上がりにジュース(コーヒー牛乳ではなく俺はコーラ派だ。)を出してやった。

一口飲んだ時にビックリして尻尾が『ピーン』と立ってぶわっと毛が逆立ったのは笑ったが、美味しい美味しいと飲んでいた。


「中途半端な時間にご飯を食べたから、軽く済ませるか。」


そう言って、水晶に集中する。

一口サイズのサンドイッチを創り出す。

あとは皆の分の飲み物、またコーラでいいか。

デザートにショートケーキかな。


コーラと、苺のショートケーキも追加で創り出す。


ショートケーキの苺はシロップがかかった物ではなく、少し粉砂糖が付いている位の苺本来の甘さを味わえるヤツだ。スポンジと生クリームのグラデーションが食欲をそそる。


ニアはショートケーキを気に入って、口の周りに生クリームをたっぷり付けて『はぐはぐ』と頬張っていた。


お腹が膨れ、お風呂で温まったせいか、それとも今までの疲れか、眠そうに瞼が落ちて来たので、少し早いが休むことにした。


考えると俺も猪に追いかけ回されて疲れている。


俺と一緒にと言う訳にはいかないので、

ニア用のちっちゃい布団(ふかふかの羽毛布団)を創ってやった。


「それではお休みなさい。」


「おやすみデス。」


こうして新しい仲間が増えたのであった。


お読み頂き有難うございます。

良かったらブックマークを付けて頂けると嬉しいデス。


今回で、章タイトルの「こんにちは」が出来ましたので、

次から新章になります。


突発的に投稿したので、今から明日の分を書かなきゃ………

自分的に癒しが欲しかったんです。


だから後悔はしていませんwww

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