恋の悪戯
「すぅ、すぅ」
「こいつ、俺の膝枕で寝やがった」
鎌李は制服のポケットからスマートフォンを取り出し、遥の写真を撮り、写真を莉緒に送った。少しして、莉緒から返事が届く
『ラブラブだね~♪でも、遥を泣かせたら許さないから!覚えておけ!』
「ふっ、いくら俺がドSでも、俺は遥が喜びながら困ってる姿を見るのが好きなんだ、さすがに泣かせまではしねぇよ。それに、遥を泣かせたやつを許さないのは、俺の方だ」
鎌李は、『了解』とだけ返信した
しばらく遥の頭を撫でていると、部屋のドアがノックされた
「遥、私これから友だちと泊まりで遊びに行くから、お父さんに伝えといてね」
「遥は寝てるから、俺が伝えるよ」
「あ、鎌李くんいたの?じゃあ、遥にご飯作るように言っておいてね、よろしく♪」
霞は軽快に階段を下りていく
ふと見た時計は5時を過ぎている
「遥、起きろ。飯作らなくていいのか?・・・はぁ、仕方ねぇな」
鎌李は遥を抱き上げ、ベッドに横に寝かせる
部屋を出て階段を下り、キッチンに向かう
鎌李は冷蔵庫から適当に食材を取り出し、それを使って何をつくるか考える
「さてと、こいつらは・・・シチュー、だな」
◇
「う、うぅん、にゃ?・・・・はっ!パパとママが帰って来ちゃってるの!?」
遥が時計を見ると、午後の8時、まだ二人が帰って来る時間じゃない
「あれ?じゃあ、お姉ちゃんがご飯作ってるのかな?でも、お姉ちゃんって今日は友だちと遊びに行く、って言ってた気が」
遥は自分の部屋から一階に下りてキッチンへ向かう
「よう、やっと起きたか」
「あれ?鎌李くん?どうして鎌李くんがご飯作ってるの?」
「あ?遥がなかなか起きねぇし、仕方なく俺が晩飯作ってんだよ。理解しろ、バカ」
遥は椅子に座り、鎌李の作っているシチューができるのを待っている
「鎌李、お腹すいたぁ~」
「スプーン出すくらいしろ!働かざる者食うべからず。お前がそこから動かないというのなら、俺はお前に飯など食わさんぞ?」
遥は渋々といったように立ち上がり、スプーンを用意する
「よし、もう少し煮込めば具全体に味が染みるだろ」
「あ、パパとママが帰ってきたよ」
遥がそういうと、家の前で車の音がする。本当に帰ってきたようだ
「はぁ、ただいま。お?これは、シチューの匂いじゃないか?」
「本当ね、おいしそうなシチューの匂いね」
玄関から鎌李の聞き覚えのある男性と女性の声がする。遥の両親だ
「あら、ハルちゃん、シチュー作ったの?」
「ううん、私じゃないよ」
「あ、どうもお久しぶりッス!その、勝手に冷蔵庫いじって、すみませんね」
少し遅れて遥の父親が入ってきた
「おぉ、鎌李か!?随分と大きくなったなぁ。最後に会った時は俺の腰くらいしか無かったのになぁ。あれ?お前が飯作ってるのか?」
「そうッス、遥が寝てたもんで、代わりに俺が晩飯作ってんスよ」
「あらあらごめんね、ハルちゃん起こしてくれてもよかったのに」
「それにしても、鎌李って料理できたんだね」
遥はテーブルにあごをのせてシチューが出来上がるのを待っている
◇
夕食を終えて、鎌李と遥の母親は後片付けをしていた
「鎌李くんにはいつも遥の面倒を見てもらって本当に感謝しているわ。ありがとう。いたずら好きなかまってちゃんだけど、これからもあの子をよろしくね」
「え、急になんスか!?」
さっきシチューを食べている時に、遥が鎌李に告白されて付き合ったと話していたのでその事だとは思うが、何の前触れもなしに話を振られて鎌李は少し慌てたようだ
「今日付き合ったばかりだし、二人ともまだ高校生だからまだ早いかも知れないけど、遥と鎌李くんは小学校からずっと一緒だし、お互いによく知った仲だから結婚とかも時間の問題だと思うの。鎌李くんは気付いているだろうけど、あの子はいじられるのが大好きだから。だから、鎌李くんなら遥を幸せにしてくれると思っているわ」
「どうですかね。俺は遥の事が大好きっス。でも、だからこそ、俺はあいつに依存しちゃダメなんス。依存しないために遥とは距離を取ってしまうかも知らない、それであいつにまた寂しい思いをさせるかも知れないって思うと何だかどうして良いかわからなくなってきて。すみません、変な話をして。遥との結婚は、俺が成人した時に考えます。それまでは、遥と一緒に楽しいカレカノ生活をエンジョイしてるっス!洗い物終わったんで、遥のトコ行くっス」
鎌李は逃げるように階段をかけ上がって行った
上の階で遥の嬉しそうな声が聞こえ、母はふと微笑んだ
「鎌李くんってば、本当にお父さんとそっくりね。大切な人の事を考えすぎな所とか、いたずら好きな所とか」
◇
鎌李が遥の部屋に入ると、遥は髪を整えていたようだ
「遥、何してんだ?」
「ひゃっ!なんだ鎌李かぁ、ビックリさせないでよぉ」
遥はせっせと物を片付け、鎌李に向き直った
「別にビックリさせるつもりは無かったんだけどな。で、遥は何をしてたんだ?」
「私は、ちょっと髪が乱れてたから、それを直していたの」
「ふぅん、でも髪を整えるだけならこれはいらねぇだろ」
鎌李は遥がとっさに隠した本を取り、それを開いて見る
「あ、それは見ちゃダメ!恥ずかしいよぉ!」
「ほぉ、世の中の男はみんなこんなんで落とされるのか。遥、この中で何か俺にしてみろ」
鎌李は遥に本を投げ渡し、拒否権は無いと感じた遥は、一番見ているページを開いた
「鎌李、やっぱり恥ずかしいよ」
「知ってる、俺は遥のそういう所を見るのも好きなんだ。ほら、早く言え」
「じ、じゃあ。鎌李が私に、キス、してくれたらしてあげる」
遥は顔を赤くしながらも、鎌李から顔を背けずにそう言った
「ふっ、よくできました。ほら、こっち来い」
「え、鎌r、んっ!」
鎌李は遥を引き寄せ、躊躇い無くキスをした。遥は何が起きたのかわからず、ただ鎌李にされるがままの状態だ
「んちゅ、鎌李、今、私にキス、した?」
「あぁ、した。実感が無いなら、もう一度するか?」
遥は頷き、鎌李はもう一度、遥の口に自分の口を重ねた
さっきより何倍もの時間が経過した感覚に陥るが、数分程度しか経っていないようだ
「鎌李、なんだかいつもより優しいね。いつもなら、もっとこう、その、入れて来そうなのに」
「して欲しかったのか?」
「ちょっと、期待してたかも」
遥は鎌李の胸にもたれ掛かるように体を預け、鎌李の鼓動を感じている
「鎌李、すごくドキドキしてる」
「あぁ、そうだな。遥のは、どうだ?」
鎌李は遥の柔らかい胸に手を当て、遥の心臓の音を手で感じ取る
「かわいらしい心臓だな。小動物みたいだ」
「もう、鎌李のエッチ。いきなりおっぱいを掴んで来るなんて」
「あってもBかC程度だろ?」
見事に胸の大きさを当てられた遥は、鎌李の携帯で莉緒にメールを送った
「ん?遥、何してんだ?」
「莉緒ちゃんにメール」
鎌李は遥が使っている携帯が自分の物だと気付きすぐに取り上げるが既に遅く、莉緒にメールを送信されていた
「遥ぁ~?何を送ったんだぁ?」
「教えてあげないよ~♪」
すぐに莉緒からの返信が届き、『あんた、付き合って早々そんな事して頭おかしいんじゃないの!?明日絶対に一発殴ってやるから!!』と書かれてあった
「遥、マジで何て送ったんだ!?」
「えっと、私の色んな初めてを奪ったって」
「ったく、そんな事送ったらそうなるわな」
鎌李は『遥のイタズラだ、気にするな』と送り返し、遥のベッドに座り込んだ。それから間もなく部屋のドアがノックする音が聞こえ、開けられたドアの隙間から遥の父、雄仁が顔だけ中に入れる
「遥、鎌李、風呂の湯暖め直したから入れるぞ。それと、鎌李は俺の寝間着貸してやるからそれ着てねろよ?どうせ着替えとか持ってきてないだろ?」
「あ、バレてんスか。それじゃあ借りさせていただきやス!」
雄仁が部屋を出ると、鎌李は遥を見てニヤリと笑みを浮かべる
「遥、一緒に風呂入るか?」
「え、急にどうしたの!?まぁ、入るけど」
「よし、それなら行くぞ」
鎌李は遥を連れて脱衣所へとやって来た
「鎌李、なんか今更だけど、ちょっと恥ずかしいね」
「ん?そうだな、でも別にたいした事はねぇだろ。ほら、早く脱げよ」
中々服を脱がない遥に対し、鎌李はいつも通り服を脱いでいく
「ひゃっ!鎌李ってば、そんな躊躇い無くパンツ脱がないでよ!」
「んな事言われてもな、俺はそんなに恥ずかしいとは思って無いからな。脱げないってなら俺が脱がしてやろうか?」
鎌李は少しイジワルに言うと、遥は少し体がビクッ!と跳ねるが、小さくこくりと頷いた
「それじゃあじっとしてろよ?」
鎌李は手慣れたように遥の服を脱がしていき、脱がされるに連れて遥の顔が赤く染まってゆく
(鎌李は、私の事、ただの幼馴染みとして見てるのかな?でも、鎌李の心臓の音が少しだけこっちにも聞こえてきてる。鎌李が私の裸でドキドキしてるのがわかる・・・・ちょっと、嬉しい)
「遥、足上げろ。パンツ脱がせられねぇだろ」
「あ、うん」
遥が足を上げると、鎌李はすぐに視線を逸らした
鎌李はしゃがみ込んで遥を見上げている状態だったため、鎌李からは女の子にとって大事なソレが見えてしまっていたのだが、遥は気付いていないようだ
「よし、それじゃあ入るぞ」
「うん」
鎌李は風呂の蓋を取って遥に入るように言うが
「やだ。私、体洗ってからじゃないと入らないから・・・・」
遥は顔を赤くし、足をモジモジさせながら小声でゴニョゴニョと呟いている
「わかったから、こっち来い。洗って欲しいんだろ?」
「う、うん。お願い」
鎌李の膝に座った遥は、深呼吸をして脱力。そのまま鎌李にもたれ掛かる
「今からこれでお前の身体を撫で回してやるからな」
「そんな、変な感じに聞こえるように言わないでよ。パパかママがいたら勘違いしちゃうでしょ?ほ、ほら、早くして」
遥はセッケンで泡立てたタオルを鎌李に渡して向かい合うように座る
タオルを受け取った鎌李は、遥の身体を撫でるように洗っていく
しばらく遥の僅かな喘ぎ声が続くが、それは鎌李が遥のソレに触れた瞬間に大きくなった
「きゃうっ!?」
「すまん、さすがにココは遥が自分でした方が良いよな」
鎌李は遥の脚の付け根から手を離し、遥にタオルを渡そうと目の前に持っていくが
「鎌李に、洗って欲しい」
「・・・・え!?」
(コイツ、恥ずかしさで頭がショートしたのか!?・・・・少し、やり過ぎてしまったかもな)
鎌李が遥を抱きしめると、遥の体はビクッと跳ねた。鎌李はそのまま遥の耳元で呟く
「すまん、さすがに俺も恥ずかしくて限界だ。勘弁してくれ」
「あ、うん。私も、恥ずかしかった」
鎌李は遥の体に付いた泡を流し、鎌李もテキトーに体を洗って一緒に湯船に浸かった
「さっきはごめんな。ちょっと、やり過ぎた」
「うん・・・・別に、大丈夫、じゃなくて。その、ちょっと、嬉しかった」
遥は再び顔を赤くし、鎌李から目を逸らした
「それじゃあ、俺はあがるけど、遥はどうする?」
「うん、私も出る」
しばらく二人は脱衣所で熱が冷めるまで下着姿でボーっとしていた
最後の方にエッチな所がありますけど、大丈夫でしょうか?
心配ですが、ダメならそれでいいです。
これからはちゃんと健全な所も書こうとは思いますが、多分無理ですねwすみません