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SMぷれー  作者: 桜田 神影
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告白

枯れ葉の落ちる校舎裏、そこに顔立ちの整った少年と、少年の肩より少し小さい少女がいた

鎌李(かまり)くん、用って何?」

「いや、ちょっといい事思い付いてな」

鎌李と呼ばれた少年は、少女の頬を引っ張る。少女はうぅ、と唸っているが、抵抗する様子はない

(はるか)、お前、俺のものになれ」

「ふぇ?ふぉふほほ?」(え?どゆこと?)

鎌李は遥の頬を離し、威圧するように顔を近づける

「俺の女になれって事だ、ほら、さっさと返事しろ」

「え、えっと、ありがと、嬉しいよ」

遥は頬を赤くして微笑んだ

「ん、じゃあ教室戻るぞ」

「うん♪」

 ◇

二人が教室に戻ると、目付きの鋭い少女が鎌李の席に座っていた

莉緒(りお)、何してんだ?」

「ん?ちょっとあんたに頼み事があったんだけど、もういいや、さっき他のやつをパシったから私は戻るね」

そう言って莉緒は隣の教室へ帰っていった

「莉緒ちゃんが頼み事って珍しいね、何だったのかな?」

「さぁな、集めたノートとかを職員室まで持っていけとかだろ」

「ここに鎌李はいるかー!?」

教室のドアを勢いよく開ける男子にみんなの視線が集まる

鎌李を見つけた男子は、落書き張と書かれたノートを持って歩いてくる

「お前な!俺のノートを勝手に見せびらかすなよ!しかもマル秘ノートの方を!お前のせいで俺の性癖がバレちまったじゃねぇか!!」

「おぉ、恵斗(けいと)すまんな、お前が脚と腹フェチだって事をクラスのみんなにバラしちまって。反省してるよ」(棒読み)

鎌李の顔には反省の色が全くない、それどころか目の前の友人の事すら眼中にないようだ

「ったく、ほんとにやめてくれよ?」

恵斗が教室から立ち去ると、鎌李は遥に耳打ちをする

「うん、でもちょっと恥ずかしいな」

「だと思った、じゃあ決定な」

「もう、いじわる」

遥はどこか嬉しそうに拗ねる

「遥って、本当にドMだな」

「なっ!そんな事ないよ!失礼な!鎌李に遊ばれて嬉しいわけないじゃん、鎌李がドSだからそう思うだけじゃないの?!」

遥は頬を膨らまして鎌李を睨んでいるが、遥は鎌李の肩より少し小さいので、鎌李は目の前で小さな女の子がプンスカ怒っていても可愛いとしか思わない

「そうかそうか、よしよし」

「うぅ、鎌李がイケメンじゃ無かったらその顔面殴ってやるのに。後で後悔させてやる」

遥はそっと鎌李のICカードを抜き取ろうとするが、すぐにバレた

「おいコラ遥、お前な、俺はこれが無いと帰れないんだぞ?何盗ろうとしてんだ?」

鎌李は遥の両頬を片手で掴み、上下左右に遥の頭を動かす

「うにゅ、鎌李がいじわるするから、ちょっと困らしてやろうって思って、どうせ家まで二駅分も距離ないじゃん、歩いて帰れるじゃん!」

「バカか、お前は学校から家まで近いからわからんだろうがな、俺が歩いて帰ろうと思ったら二時間くらい掛かるわボケ!」

「オホン!二人ともそろそろ座ってくれないか?続きはホームルームの後の放課後にでもできるだろ」

いつの間にか担任の先生が来ていて、すでに帰りのホームルームが始まっていたようだ

「あ、ごめんなさい先生」

「先生、俺からちょっとした報告があるので、少しここで言っていいっすか?」

「構わんが、お前委員会に入ってないのに何を報告する事があるんだ?」

鎌李は教壇にあがり、遥を手招きする

「まぁ単刀直入に言うとな、俺と遥は付き合うことにした、以上!」

鎌李は終始笑顔で遥との交際を報告した

「「「「・・・・え!?」」」」

少しの沈黙の後、クラスの生徒全員が声を揃えて驚き戸惑う

「日野さん、それは本当ですか?」

「先生、それは酷いですよ。俺、今まで誰かと一緒に誰かを騙した事無いっすよ?」

先生は今までの鎌李を振り返り、確かに、と呟く

「ってな訳で、質問とかは明日にしてくれ、今日は帰って遥と遊びに行くから」

「え、私聞いてないよ!?」

「うん、今初めて言ったからな、それに別に用事とかないだろ?」

遥が頷くと、鎌李は、じゃあ大丈夫だ、と笑う

「それでは二人とも席に着いてください」

「はーい」「了解っす」

鎌李と遥はそれぞれ自分の席に座る

「先ほど新たなカップルが誕生しましたが、明日は月曜の時間割ですから忘れずに。それでは皆さんさようなら」

先生の合図とともに、生徒全員が部活に行ったり、家に帰ったり、先生に呼ばれた女子生徒達は居残りさせられたりと

「今日も鎌李くんはいっぱい悪い事してたね♪」

「いや、今日はいつもより少ないぞ?今日困らせた人の数はいつもより多いけど、困らせた回数はいつもより少ないからな」

遥は鎌李のイタズラをする前の顔を知っている、今、彼がしている笑顔だ

「鎌李くん、何を企んでいるのかな?」

「ん?何もない。あ、そうだ」

鎌李は何かを思い出したように嫌な顔をする

「遥、今日お前の家に泊めてくれ。今朝親父と喧嘩してな、帰りたくないんだ。頼む!」

どうしても、という訳じゃないが、帰りたくないのは本当のようだ

「いいけど、今日はお父さんが帰って来るから、鎌李くん絡まれるよ?」

「大丈夫だ。あとさ、そのくんはやめろ。俺達はもう恋愛関係の仲だ、呼び捨ての方が実感あるんじゃないか?」

(鎌李くんがむつかしい言い方する時って、何かを隠してる時だよね)

「じゃあ、今日から鎌李の事は、呼び捨てにするね♪」

「ちょっと待て遥、なんだその笑顔は。髪クシャクシャにされたいのか?」

鎌李は遥の頭を鷲掴みにし、手に力を込める

「ちょっ!鎌李痛い、やめてよぉ」

「あ?その嬉しそうな顔をやめてから言え、バカ」

 ◇

鎌李は遥とゲーセンや本屋に寄り道しながら、遥の家へと来た

「そういや、遥の家に来るのって小学生以来だな」

「じゃあ、ちょっとリビングで待っててね、お部屋片付けてくるから」

言われた通りに、鎌李はリビングに入って待つことにした

「へぇ、結構変わったな。お、エアコン新しくなってるし」

「あらあら、鎌ちゃんお久しぶり~♪」

鎌李は後ろからかけられた声に体を強張らせた

「あはは、そんなに驚くことないじゃない」

「なんだ(かすみ)さんか、ビックリしたぁ、マジで心臓が止まるかと思った。本当、急に後ろから声出さないでくれよ」

霞は遥の姉で、大学生。遥と鎌李が小さい頃から面倒を見てくれてた

「まぁまぁ、ひさしぶりに出会ったついでに一緒にお風呂入る?」

元々短気な鎌李は頭にきて、お互いの顔に息のかかるほどの至近距離まで霞を抱き寄せる

「後で泣くことになっても知らねぇが、それでもいいならもう一度誘ってくれ」

「あ、うん。じゃあ、一人で入るよ」

霞は顔を赤くして少しずつ後ずさる

「その、えっと、覗かないでね」

「それは覗いて欲しいから言ってるのか?」

「違うから!いい?覗いたらひっぱたくから!」

霞は洗面所に入り、ドアを勢いよく閉めた

「もう、お姉ちゃんをあまりいじめないであげてよ」

「おぉ、遥、片付けは終わったのか?」

頷いた遥は、冷蔵庫からお茶を出してペットボトル半分ほどの量をいっきに飲んだ

「ふぅ、鎌李もお茶飲む?」

「あぁ、もらう」

遥は冷蔵庫を開けずに、さっき自分が飲んだお茶を渡してくるが、鎌李は何の躊躇いもなくそれを飲み干した

「それじゃあ、行くか。ん?どうした遥、顔赤くして」

「えっ!な、何でもないよ。ほら、早く行こ」

遥は鎌李の袖を引っ張って部屋へと連れていく

「へぇ、ここも随分と変わったなぁ。めちゃくちゃ良い匂いだな」

「芳香剤使ってるからね、言っとくけど私の匂いじゃないから!」

鎌李は遥の着替えの入ったタンスの収納引き出しを数えている

「鎌李、何してるの?」

「たぶんここだ、それ!」

鎌李が開けた所に入っていたのは、遥の下着入れだった

「おぉ、ビンゴ。ほぉ、こっちは成長してるのか。うぉっ!何だこのエロい下着はっ!」

「えっ!ちょっとやめてよぉ!」

それは、布の面積が必要最低限隠す分しかなく、ほとんどヒモで、両方の結び目を引っ張ったらすぐに落とせそうな下着で、ブラも先っぽしか隠せなさそうな面積しかない

「明日これ着けて学校来いよ。スカート捲ってやるからよ」

「やだよ!鎌李以外の人に見られたくないし」

遥は顔を真っ赤にしてモソモソと呟いている

「あ?最後聞こえなかったぞ?俺がどうしたって?」

「なんでもない、ちゃんと直してよ!?」

遥は、鎌李がスカート捲りをしてきた次の日、またはそれが続いた週にこの下着を着けて登校して、スカート捲りをしてきた時にこの下着を見せて困らしてやろうと思って着けて登校した日に限って何もしてこなかったので、今更これを見られて、恥ずかしくなってきたのだ

「でも、これ以外は意外と大人な感じの下着だな。それとも、これで年相応なのか?」

「鎌李はいつも女子のスカート捲りしてるんじゃないの?」

ベッドに座り、遥は鎌李を責めるように聴く

「いや、スカートに関しては遥だけだ、他の女子にはしてない」

「そ、そうなんだ。私はてっきり鎌李の事だし、他の女の子にもしてて、さらに先に行ってるかと」

「そこまでしねぇよ、バカ」

鎌李は下着をテキトーにしまい、隣のクローゼットを開ける

「ねぇ、さっきから何を漁ってるの?」

遥はさっきの様に責める感じは無かった

「ん?さっきヒモみたいな下着見つけたから、他にあるかなぁ?って」

「ないよ、あれだけで恥ずかしいし」

鎌李は探索を止め、遥の隣に座る

「なんか、告白した身であれだけど。こうしてみると、何もする事無いな」

「そうだね。でも、付き合ったばかりだし、これから見つかるんじゃないかな?」

遥は鎌李の肩に寄りかかるが、鎌李は避けて、遥は鎌李に膝枕をされている状態になった

「何してんだ?」

「もう、鎌李のバカ」

しばらくすると、鎌李の膝の上で、遥は眠ってしまった

ども、改めて恋物語的なものを書こうと思います。よろしくです。

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