フェンリル
首都:アルティム
総人口:9億人
参画企業総数:750万社
国旗デザイン:ヘルハウンド
アフリカを牛耳る企業国家。
元々フェンリルというこの会社もまた、ベクトーアと同じくラビュリントス傘下の会社だった。しかし、第八次西ユーラシア企業間大戦が起こると同時にアフリカへグループ丸ごと逃げ、当時企業国家の歴史千年においてアフリカは未だに統一した国家がないような状況にもかかわらず、この会社は独自のM.W.S.をもってやってのけ、3152年に国家として制定された。
ただし、このM.W.S.の開発資金や物資のルート、あまりにも早い鎮圧、そして当時の会長とされた「ウルド・ウィンスレット」なる人物が何者なのかといったことも含め詳しいことは分かっていない。
その後、紆余曲折を得ながらもどうにか安定して百年ほど経った3265年、ベクトーアの国内で「血のローレシア」と呼ばれる事件が起きると同時にフェンリルは今回の戦である「アラビア覇権戦争」に参戦した。
三大企業国家としては比較的遅い参戦であったが、気になることが二点ある。
まず一点目はこの時期まで待った理由である。確かに雌伏の時を過ごして一気に攻勢に出るという手口もあるだろうが、ベクトーア・華狼の両者による和平会談の破綻を待っていたかのように突然参戦したことは何かしらの疑念を持たざるを得ない。
もう一点は、偶然かもしれないが、この時期からアイオーンが出現している。
アイオーンとこの戦との関連性は未だに不明だが、何か関わっていることはほぼ間違いないと考えられているが、それを歯牙に掛けるまでもなく、着々と戦力を整えただけあって、後発ながらこの十年以上の戦争で領土を他国に侵攻されたことはあっても、その全てを打ち払っている。要因としてあげられるのは砂漠などの天然の要害が挙げられるだろう。
現在でも会長の「フレイア・ウィンスレット」の持つ異常なカリスマ性や人気もあると同時に、領土の強奪がないためか、食糧事情も安定している上、完全実力主義であるため多くの人材が集まるのもまた一つの特徴であるといえる。
が、アフリカ解放戦線などによる多くの内紛が未だに起こっているのもまた事実である。ここら辺は創設当時の混沌としたアフリカ大陸の様をそのままに表していると言えるが、特に殲滅させる気配もないなど、何処かこの混沌を楽しんでいるかのようにも見える奇妙な企業である。