みらくる☆ガール
みらくる☆ガール
水谷 怜
私、前田くるみ。十三歳。
今日、大変なことが起きてしまいました。
私が覚えているのは、さっき、階段から落ちてしまったこと・・・。
「そこの御方、どうかなさりましたか?大丈夫ですの?」
変だ。こんな時代に御嬢サマ言葉なんて・・・。
ここは一体どこなの?
私は、ぱちっ と眼を開く。
そこには時代劇のような風景が広がっていた。
ここ、どこかの撮影現場かなぁ。
「あの、お名前は?」
私に聞いているのかな。
和服で、いかにも昔 というイメージの御嬢様に見える。
「あ、えと、私は、前田くるみ。あなたは?今日はいつ?ここはどこ?」
この人は誰?
「私は、宮原恵理子。今日は、昭和三十 年一月十二日。 そしてここは、ゆうひ村」
「昭和三十年?ってことは平成二十年から五十年くらい前?」
「平成?平成って何です?」
恵理子は、平成を知らない様子。
「平成って言うのは、昭和の次の年からのです」
「へぇ。あっ!私の年齢言ってませんでしたね。私、十二歳です。ヒトツ 年下ですね」
そうなんだ。
「わたし、平成人なんです。階段から落ちたらここに居て」
「そうなんだ・・・」
「じゃあ、あなたが、平成の時代に帰ったら、私、六十五歳ぐらいなんだ。
なんだか寂しいな」
そっか。ってあれ?
体が透けてる?
「どうしょう、恵理子さん」
「大丈夫、大丈夫」
「現代に戻ったら探してみる!絶対!」
「うん」
私は気を失った。
ここは現代?
「くるみ!」
「くるみちゃん」
「前田さん」
「くるちゃん」
「みっちー」
ん・・・だれ?
恵理子さん?
「くるみ、大丈夫?」
「あっ!ここ現代?」
「当たり前よ」
「ねぇ。宮原恵理子さんって知らない?」
「恵理子さん?おばあちゃんよ」
「!ねぇ、恵理子さん、どこにいる?」
「呼んだかぇ?」
「恵理子さん?」
「そうだよ。くるみちゃん」
「また会えた」
恵理子さんて、私のおばあちゃんだったんだ・・・。
これからも、あの時のこと、一杯話そうね。恵理子サン。
おわり。
楽しんでもらえましたか?
この作品は、初の時空モノだったので、
ちょっと、自信がありませんでした。
ちょっとした工夫をした小説家2年目、今年初の小説です。 水谷 怜