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20年後の、あなたの手紙

作者: 山本 信治
掲載日:2015/04/05


どお、お変わりござませんか? 最近は、メールが多くて、返事に忙しく、お手伝いの洋子さんに、頼んで丁度、済ませた処よ。

久しぶりに時間が空いたので、おなたへ、手紙を書きました。

洋子さんを紹介しますね、先週来たばかりなの、やっと順番が回って役所から連絡が来た時、それは、嬉しかったわ。これで、養老院と巡回サービスとも、お別れなの、ずっとこの家で一緒に暮らせるの。洋子さんは素晴らしいわ、なんでもできるの、家事一切、私の体調管理、ホームドクター兼ハウスキーパーと云った処ね。

近頃は年金が減ったけれど、物価は安くなり、公共料金も殆んど要らなくなったわ。

南の島に大きな発電所が出来、衛星に向けエネルギー転送され、各家庭へ配送されて来るの。これでこの町も電柱が無くなり、すっきりしたわね。

ところで、最近のドラマや流行歌はどれも同じ様で、万人うけする様に作られている感じ、いつ見ても、目新しい新鮮な感じがしなくなってきたわ。

洋子さんに頼み、20年前の、医療ドラマ、刑事ドラマを探してもらう。彼女のICチップから直ぐに見つかったわ。

再生すると、神の手と呼ばれた外科手術は、今や医療ロボットが適格に短時間で行い医師はそれを視ているだけ、となっているの。

改めて医療技術の進歩に感謝するわ。

華々しく若い刑事が活躍し、ベテラン刑事が地道に捜査していた、刑事ドラマ。

久しぶりに懐かしく見ています。

でも今は、そんな大事件は起こりません。至る所に監視カメラがあり、地球上空からは地上の10cmの物体が選別できる目が見ています。ホームセキュリティも万全です。洋子さんも付いています。こんな警戒下では事件が起きても直ぐに解決します。犯人を取り逃がす事は無くなっているのですよ。これじゃあ犯人もいなくなりますよね。

洋子さんと一緒に買い物に出かけました。普段は通販で事足りるのですが。

もちろん、洋子さん運転の電気自動車で、道路に出ると物流用のレーンとそれ以外に分かれます。物流用は、全て自動制御の大型トラック(電動の)が走っています。目的地と到着時刻が前面に表示され、規則正しく制御されているので、事故は皆無です。

それ以外のレーンも上空からのGPS制御と、車の自動運転制御が連携しあい目的地まで、最短時間で到着します。目的地のショピングモールに着くと、車は自動運転で駐車場に入いります。私達は遊歩道のベルトに乗り、ショッピングします。ここでは全ての生活用品がそろい、趣味趣向に合った物が選べます。迷った時は洋子さんが相談にのってくれます。

食材も冷蔵庫の不足分をそろえるだけ、でもたまには、美味しいものが食べたいな。

後はレジへ行き、IDカードを見せ、チェックした品物と数量を確認するだけ、料金は個人口座から自動引き落としされ、品物は指定時刻に自動配送されてくるの。

帰りは、車寄せに着くと、口笛よろしく、車のキーボタンを押すと車が足元によってきます。

帰宅し、くつろいでいると配送時刻になり、洋子さんが受け取ってくれるの。

夕食は洋子さん自慢のレシピで、私の好物が、体にに合った形で頂けるの。

美味しいのよ。じゃーまたね。


手紙はここで終わるが、

手紙の主の、夕食後の楽しみは、世界旅行のパンフレットや歴史小説を紐解き、その世界に浸ることに限られてきた。

80歳の彼女にとって、平均寿命がどんどん長くなると云うことは、100歳を超えると云うことは後、20年以上の命があると云うことになる。

余生の生き方をどうして行くのか、洋子さんと一緒に淡々とした日々を過ごして行くのか?


若返りの薬を飲み、

もう一度若い体を取り戻し再出発に賭けるのか?

やり残して来た、どうしても成し遂げたい事があるのか?

それとも、ただ単に時間の経過を長く眺めたいのか?


選択に迫られる日が来る。


翻って、2015年、今日では、20年後ではなく今では、解決しなければならない課題が多く迫って来ている。

列挙して論じるのは、この話から外れてしまう。

敢て、一言、我々には沢山の時間が残されている。

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