嘘
「バレたら、困るんで、僕の分析によると」
「バレたら困るんですか?なぜですか?」
「あ~えっと、いや、まぁ、こっそりお忍びで遊びに来てるからですよ、僕の分析によると」
怪しい、明らかに目が泳いでいる
嘘つくの苦手なタイプだ
「失礼ですが…嘘ですよね」
「な、何を言うんですかね、僕の分析が嘘だとでも言いたいんですか?」
嘘ですね
「はい」
「即答ですか、貴方の分析力を疑いますよ、僕の分析によると」
「あと、少し、いや、かなり伺いしたいのですが」
「何ですか」
私はどうしても気になっていること全てを聞いてみることにした
「どうして、人の家の庭に入ってるんですか、どうして、傷だらけなんですか」
「丁寧にお答えしますと、貴方のまず『どうして、人の家の庭に入ってるんですか』ということですが、そうですね、そこに人が居たからですよ、僕の分析によりますと、あと、もうひとつの質問『どうして、傷だらけなんですか』ということですが、物騒な世の中ですからね、よくあることです、僕の分析によると以上です」
長々と説明されて、わけがわからなかったけど、ま、いいか
「不法侵入ですよ、私しか人見なかったんですか、わざわざ首都アペックスから来て、物騒とはいえ腕の傷が特にひどくないですか」
この人もしかしたら、天然なのかもしれない