人間だったあの頃
続きです( ( ((*´∀`*)) ) )ホワワーン
私が人間だった頃の話
人間と認められていた時の話
幸せだった時の話
それを今からここに記す
私はパンを一口ほどにちぎり、口に入れた
いつも食べるパンの味
たいして思うことなどない
美味しいわけでもない、不味いわけでもない
普通の味なのだ
我々庶民の味なのだ
きっと、どこかしらの裕福な者や貴族王族はいいものを食べて
「美味しい美味しい」と言っているに違いない
それを庶民たちは食べることなど出来ない
出来るはずもない
一生庶民なのだ
なにをどう頑張ってもお金持ちになることなど
才能のない私には到底不可能なことだった
才能は、開花する
そんなのうそだ
才能はあるものだけが開花する
ないものには無理なことだ
「姉さん?なにぼやっとしてんの?」
弟が私に話しかけてきた
「別に、考え事」
「姉さんってさ、いつも考え事してるよね?恋とか?」
からかうような口調で言った
「別に、恋なんてしてないし」
「別に別に、それが姉さんの口癖だね」
「だからなに?」
「姉さんってほんと無愛想」
そんなの仕方のないこと
性格なんて変えられない
弟とは違って私はそんな元気じゃない
「うざい、消えて」
私は弟を睨んだ
「はいはい、わかりましたよ~」
弟はリビングから出て行った
「私だって、好きでこんな性格してないのにね」
最後のパンを口に放り込んだ
見てくれて感謝しますm(_ _)m