０４─ 合金の記憶：古の火王
「古代の火王よ、私の命に従い、大地が暗闇に包まれる時、あなたの火は希望をもたらす。無限の炎がすべての邪悪を焼き尽くし、火炎の嵐が闇の危機を鎮め、その怒りの姿ですべての敵を一掃せよ！」
「火の秘術：火炎嵐！」
人が絶望に直面する時、奇跡を渇望する。
そして、奇跡が目の前に現れた。威厳と威圧感に満ちたその声と姿が、かつて古代学院の最強の術士であったキリム教授が、死と隣り合わせの状況で、まるで天から降りてきた神のように、圧倒的な気勢で秘術を操り、古代の火王を召喚したのだ。
熱風が地底から湧き上がり、巨大な幻影が天に向かって轟音を上げ、次にその幻影が体を回転させ、気旋を生み出した。
気旋は急速に回転しながら交差し、巨大な火の竜巻を形成した。
球体は竜巻の中でガラス玉のように扱われ、元々凝縮していた粒子は火の竜巻の風圧によって瞬く間に無数の透明な黄色い粒子に分解され、空中に散っていった。
「教授…ミドは…大丈夫でしょうか？」
私はゆっくりと体を支え起き上がり、教授に尋ねた。
目の前に立っていたのは、火の守護者であり、学院内で一級の秘術師でもあるキリム教授だった。
教授：「イラン、ミドは大丈夫だ…ただ……」
教授が一瞬言葉を詰まらせ、頭を振ったのを見て、私は自分の不注意で最良の友人に何かあったのではと深く恐れ、焦りながら尋ねた。
「ミドはどうなったんですか…教授…？」
突然、全身から力が抜け、視界がぼやける教授を見ながら、私も意識を失った…。
「イラン、この食いしん坊め、早くSWEETのクロワッサンを買いに行け！」
ミドの大きな声が、私を回想から現実に引き戻した。
あの事件の後、ミドは何も言わなかった。
「ミド、じゃあ行くね…」
これらの出来事を思い出すと、私は罪悪感で明るいミドに向き合う勇気が持てなかった。
「本当に変な奴だな！さっきまで怒っていたのに、どうして急に落ち込むんだ？」ミドは頭をかきながら、不思議そうな表情で言った。
正直なところ、あの時からミドは私を守るために左手を犠牲にした。楽観的な性格のミドは気にしていなかったが、キリム教授が3ヶ月かけて学院の機械部門と共に研究を重ね、ミドのために超合金製の左手を作り上げたことで、ミドの日常生活に大きな障害は生じなかった。
しかし、私は自分の過剰な自信のせいでミドが左手を失ったことに、心の底から自責の念を抱いていた…。
これ以上考えないように、私は風球を取り出し、コアの風圧を起動させ、ミドに別れを告げて山を駆け下りた…。
「本当に変な奴だ…」
ミドは遠ざかっていく私を見ながら、自分に向かって呟いた。
