17─聖地
戦いの後、ルキは悲しみを抱えたまま、聖地へと向かって走っていた。
彼女が目指すのはリリーマラの最高峰、オロンド山の頂上にある神聖な場所。そこへたどり着くには、まだ山の中腹からずっと先の道のりを進まなければならなかった。
村はすでに黒い光の波に飲み込まれ、住民たちは次々と異形の姿へと変わり果て、獣のような叫び声を上げながら彼女を追いかけてくる。
「みんな……どうしてこんな姿に……私ひとりだけ残されて……どうしたらいいの……?」
絶望に近い感情に飲まれ、胸が締め付けられるような思いで呟いた。
その一瞬の油断が命取りとなり、一体の変異体が彼女に追いつき、地面に叩きつけた。
「きゃあ!」
悲鳴を上げながら転がり、膝を擦りむいて血が滲んだ。痛みに耐えながらも立ち上がると、すでに黒い変異体たちに囲まれていることに気がついた。
彼女は微笑みを浮かべながら言った。「みんなも一緒に来てくれたんだね……こんな姿になっても、やっぱり仲間は仲間だよね……」
変異体たちは低い唸り声をあげて反応した。
「グルル……ガアア……」
もう戦う気力を失い、目を閉じて、一体の変異体をそっと抱きしめた。その瞬間、彼女の腕の中から銀色と青色が交錯する光が眩しく輝き出した。
「グルルル……ガアアア!」
変異体たちはその光に驚いて後ずさり、逃げ遅れた変異体は光に触れると、体が粉々に砕け散り、青と銀の粒子となって空中に消えた。
「何が起こっているの……?」
彼女は驚いて声を震わせた。
その時、心の中に柔らかな女性の声が響いた。
「ルキ……」
「誰?誰なの?」
辺りを見回して、その声の主を探した。
「悲しまないで。エイラがあなたに託した使命を果たして。」その声は優しく囁いた。
「怪物たちが近づいてきたら、あの箱を開けなさい。そうすれば、彼らは手を出せなくなるわ。」
驚いてその声を探し続けたが、姿は見えないままだった。
(工事中)




