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失われた断片ーー旧作  作者: 半々月光
第1章─ビグトラス島
18/41

17─聖地




  戦いの後、ルキは悲しみを抱えたまま、聖地へと向かって走っていた。



 彼女が目指すのはリリーマラの最高峰、オロンド山の頂上にある神聖な場所。そこへたどり着くには、まだ山の中腹からずっと先の道のりを進まなければならなかった。


  村はすでに黒い光の波に飲み込まれ、住民たちは次々と異形の姿へと変わり果て、獣のような叫び声を上げながら彼女を追いかけてくる。


  「みんな……どうしてこんな姿に……私ひとりだけ残されて……どうしたらいいの……?」


 絶望に近い感情に飲まれ、胸が締め付けられるような思いで呟いた。


  その一瞬の油断が命取りとなり、一体の変異体が彼女に追いつき、地面に叩きつけた。


  「きゃあ!」


 悲鳴を上げながら転がり、膝を擦りむいて血が滲んだ。痛みに耐えながらも立ち上がると、すでに黒い変異体たちに囲まれていることに気がついた。


  彼女は微笑みを浮かべながら言った。「みんなも一緒に来てくれたんだね……こんな姿になっても、やっぱり仲間は仲間だよね……」


  変異体たちは低い唸り声をあげて反応した。


 「グルル……ガアア……」


  もう戦う気力を失い、目を閉じて、一体の変異体をそっと抱きしめた。その瞬間、彼女の腕の中から銀色と青色が交錯する光が眩しく輝き出した。


  「グルルル……ガアアア!」


 変異体たちはその光に驚いて後ずさり、逃げ遅れた変異体は光に触れると、体が粉々に砕け散り、青と銀の粒子となって空中に消えた。


  「何が起こっているの……?」


 彼女は驚いて声を震わせた。


  その時、心の中に柔らかな女性の声が響いた。


 「ルキ……」


  「誰?誰なの?」


 辺りを見回して、その声の主を探した。


  「悲しまないで。エイラがあなたに託した使命を果たして。」その声は優しく囁いた。


  「怪物たちが近づいてきたら、あの箱を開けなさい。そうすれば、彼らは手を出せなくなるわ。」


 驚いてその声を探し続けたが、姿は見えないままだった。


  (工事中)

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